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外資系で必要な英語力の目安 TOEIC編


「英語がペラペラでないと外資に入社できない」は誤解です。実際には、英語力が求められる部署や職種もあれば、あまり必要ないケースもあります。よく聞かれる外資系で求められる英語力の目安について、25年間、9社の外資系でたくさんの社員の方を見てきた肌感覚を共有します。

私はTOEIC信奉者ではありません。点数が高くても話せない人がいることは、もちろん理解しています。ただビジネス英会話に問題ない方で、TOEIC850点以下の方にお目にかかったことがないのも事実です。

英語で必要とされるロジカル思考などを身につけた上でTOEICを受ければ、850点くらいは取れるということなのでしょう。このコラムでは必要な英語力をTOEICの点数でお話します。外資・日本法人の人事が一番の目安にするのは、やっぱりTOEICだからです。


15年くらい前まで、外資系で求められる英語力を説明するのは簡単でした。ほとんどの場合が、役職の上下で決まっていたからです。時は流れ、現代は役職の上下だけで求められる英語力が決まらない時代です。

現在は、実際に職場で外国人と接するかどうか、グローバルに仕事をしているかどうかが鍵になります。実例を挙げます。法務部のNo.2で上司の法務部長は日本人だとします。自分が仕事で英語を使うことは、ほとんど無いのが実情です。

かたや技術部の24歳のエンジニアです。人手が足りず海外と連携して進めるプロジェクトの、メンバーに任命されました。好むと好まざるとに関わらず、英語に頻繁に触れることになります。日々のEmailのやり取り、毎週の定例ビデオ会議、役職はスタッフですが英語は必須です。役職の上下を持ち出したら、エンジニアの方がかなりジュニアですが、グローバルに仕事をしているので、より高い英語が必要です。

1.  マーケティング & 人事

この2部署は、社内で求められる英語力が最も高いです。スタッフでTOEIC750-800点、マネジャーでTOEIC800-850点、本部長でTOEIC900点くらい必要です。

まずマーケティングですが、数字で測れる売り上げに貢献している部署であると同時に、広告など感性に関する会話が多い部署でもあります。「キービジュアルが何となくピントこない」など、ゼロイチで割り切れないことをたくさん表現する必要があります。またグローバルに使って良いテンプレート・ロゴ・フォント・レイアウトなど、本社からの制約が一番厳しい部署でもあり、時々は本社に掛け合って交渉もするので英語力はかなり必要です。

次に人事。こちらは「人」を扱っているので、「メンタルヘルスを崩したマネジャーについて、本社に報告しておこう」「ある社員が結構な時間、ネットサーフィンをしていると垂れ込みがあったが、この先どう調査するか」など複雑な状況を英語で説明することが多いので、こちらも英語力はかなり必要です。

この仕事に高い英語力は必要なのだろうかと迷ったら、仕事の内容が「ゼロイチで割り切れるか」「数字で大体説明がつくか」を考えるとわかりやすいです。答えがNOで、「言葉」で説明しないと成り立たない仕事なのであれば、高い英語力が必要です。


2.  かなり多くの部署 (1, 3 & 4 以外)

スタッフでTOEIC600点、マネジャーでTOEIC800点、本部長でTOEIC900点くらい必要です。

日本人のTOEIC平均点は2019年のデータで、523点です。しばらく英語に触れていないと、最初のTOEICのスコアは低いかもしれませんが、中学英語を学んでいれば、TOEIC600点を取るのはそれほど難しくはありません。忘れていた英語を思い出せば良いからです。TOEIC800点にするには、読む・話す・書く・聞く4要素の実力を少しつけることになりますが、目標を立てて努力すれば実現可能です。

3.  営業・技術・社内IT

スタッフでTOEIC500点、マネジャーでTOEIC650-700点、本部長でTOEIC800点くらいが求められます。

まず営業ですが、上記のスコアは顧客が日本人であることを想定しています。外国人向けのセールス、国外営業は上記のスコアでは勿論足りません。お客様が日本人の時、会話は日本語でなされるのでセールス・パーソンに高い英語力は必要ありません。とは言え、社内で回ってくる英語のEmailを読む機会もあるので、英語が全くできないと採用されない可能性はあります。

役職があがると、他部署にいる外国人の管理職と仕事で関わることが出てくるので、少しづつ高い英語力が必要になります。本部長でもTOEIC800点で良いのは、営業のトップに就く方は「コミュニケーション力」がもともと高い人材が多く、度胸で乗り切ったり愛嬌で相手の懐に入っていけるからです。

技術部門、SEプログラマーは本来ゼロイチの世界で生きており、文法というルールはあるけれど基本的にフィーリングが大事な語学は、得意でないことが多いです。私はIT企業に2回在籍したことがありますが、英語ができる日本人エンジニアを探せなくて往生しました。裏を返せば、英語ができる日本人エンジニアは、年収を劇的に上げられる職種No.1ということになります。

こちらも役職が上がるとともに求められる英語力は少しづつ上がりますが、本部長でも会話力を含めると800点くらいで十分です。

4.  工場・物流の現場

業種によって工場が国内にある場合、ラインの組み立てスタッフに英語力は必要ではないですが、リーダーになった途端、使っている機器のマニュアルを読んでスタッフに説明する場面が出てきます。AI翻訳の進化で、リーダーでも英語が必要ない時代が来るかもしれませんが、現時点ではマニュアルが100%日本語ではないので、リーダーにはTOEIC500点くらいは必要になります。


全ての部署を4つのカテゴリーに分けて、役職ごとに必要な英語力の目安について解説しました。あくまで目安なので、800点と書いてあっても760点の方にチャンスはあります。

書類上の点数より、実際に何とかできる英語での「コミュニケーション力」を企業は求めています。いつもポジティブで人と仲良くなることが得意なタイプはなら、仕事で点数以上のコミュニケーション力を発揮できます。「目安」にとらわれず、トライしてみたいと思ったらぜひ外資系に挑戦して欲しいです。最初は英語力が足りなくても、職場で自然と鍛えられますし、手軽に英語を学べるツールがたくさんある素敵な時代なので、本人次第で何歳からでも英語を学ぶことは可能です。


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