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ロンドンの築地市場は社会構造の変化の象徴だった

仕事で2−3ヶ月に一度ロンドンへ行っているので、超気になっていたイギリスで最大のフィッシュマーケットに行ってきました〜。

なぜ気になっていたかというと、一番はその立地。

Canary Wharfという金融街の真下(?)にあるんです。。それがこちら。

KPMG・HSBCとイギリスのおばんくBarcraysの真下にある、黄色の建物がイギリスで最大のBillingsgate Fish Marketです。

普段の金融街Canary Wharfはこちら。フィッシュマーケットは埋もれて見えなんかしない。


そして話を戻し。。このフィッシュマーケットに朝4:00に起きて行くつもりが、気づいたら朝5:00でした。汗 ダッシュでフィッシュマーケットに到着、若干キツめの匂いで不安になりながら入り口へ。

①マーケット入り口。Myトローリーは所定の位置に駐車。


②入ってすぐ飛び込んできたのは、”カードで払えますよ”のサインばかり。

やはりイギリスカード社会が進んでる。イギリス住んでた頃は財布らしい財布は持たずカードいれだけを持ち歩いてました。かつて大学院のときに住んでいたロンドン大学の学生寮のコインラウンドリーもApple Payかクレカ支払いになっているらしい。でもこれは便利。


③ぶらぶら歩いて行くと、、あれ?ここってロンドンだったよね?と。。

アジアのいろんな国の人が大集合。約40ほどのお店が連なっているのですが、純イギリス人(Englandの旗をあげている)のお店はたったの8店(スタッフ聞き取り調査しました)。ほとんどのお店がアジア人。そのステークホルダーもアジア人のよう。そしてお客も9割ほどアジア。つまりここはアジア〜

私は興味あったらすぐに土足で人のエリアに入ってしまう癖があるので2人に勝手に聴き取り。声かけた2人のうち1人は、ローカルレストランに卸す用の魚のバイヤーをしているそう。もう一人もイーストロンドンでお店をやっている店長さんが。やっぱり南アジア・中東系の人がすむイーストロンドンから集まって来ている人が多いそう。

④せっかく結構カオスなマーケットに来たので何か買おうと一周しました。

貝類・イカ・たこ・フィッシュ&チップスに使う魚が多めでした。

タコの中に、結構イカ混じってました。(買うとき要注意!)

その中でも、サメを発見。


⑤とりあえずおっちゃんに捕まったのでえびを購入。(イギリスのお店)

1KGで約1200円でした。えびにまみれた袋にいれて渡してくれました。一瞬で手がねちゃねちゃに。


⑥そして気づいたことが、、ここにいる魚さんたち、世界中から集まって来てますよね?あなたたちイギリスの魚じゃないわよねー

これはインド洋から来たイカたち。他にもEUだったりアフリカだったりと。むしろイギリスで獲れた魚はどこ?と気になったので聞いてみると、このイギリス人がやってる8店舗でしかイギリス産の魚たちはゲットできないそう。少ない。。。


帰宅後、なんでこんな場所にアジア人たちが集まり、魚をアジアから輸入して売っているのか調べました。すると、ある一大事件が起こって一晩でアジア人が一気に増えたそう。

そもそもこのBillinsgate Fish Marketは1699年から続くイギリスでもかなり伝統のある、まさに日本でいう築地のような存在

築地市場のように、この市場独特の慣習・文化があって、それが何百年も続いていた。特に、ポーターシステムというものがあって、1876年からロンドン市から認定を受けた特定のポーターしか、市場に魚を運べない・卸せないというシステムができた。まさに労働階級にあたるポーターの父はその息子もポーターになり、、と家族で300年も受け継がれている伝統だったそう。当時約100以上のポーターが存在していた。

しかし!2012年になんとロンドン市の役所が、こんな高価な立地のマーケットはもっと収益をあげないと!達成できなければ移動させる!と言いだし、その第一ステップとして古臭いポーターシステムを全て排除することとなっってしまった。ストライキなどが起こるも、それも叶わず今まで300年も続いてきていた伝統ポーターシステムが一夜にして消滅(2012年4月28日)。そして、とって変わったのが安い賃金で働くアジアからの移民。なので2012年4月28日からこのマーケットは私がみた今の姿になったそう。

この市場の伝統がなくなる前から取材を続けている方の動画があったのでこちらもぜひ。タイトル”Billingsgateマーケット、ポーターの終焉”。

この背景を知ってから、守るべき伝統と変えるべきもののバランスを取らないと、、と感じました。そしてダイバーシティって何だろう。。。人種の多様性についてはまさにダイバーシティの進んでいるロンドン。4年住んでわかったけど、メルティングポットと言えど、油と水のように溶け合っていないのも現状。この私が行ったBillingsgate市場の伝統も、まさに社会構造の変化で潰れたんだと、、今まで存在していた労働階級が、多様性で変化していき、社会構造の変化により職とイギリスの伝統がなくなった。何を守って、何を変えて行くのかのバランスって難しい。日本もプロアクティブに変化・対応して行かないとと感じました。これってアトツギでも言えることかも。

ロンドンのあまり知られていない情報などどんどん発信していくことにしましたので、どうぞよろしくお願いします!


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