#小説
我喜歡你(下書き供養)2019/11/23
「おまえのこと好き」
ごめん、なんて愛の言葉の次に謝罪がついてきて、驚いてしまった。
”まあ、いつものことか。”なんて、無理やり腑に落とした。
この人は自己肯定感が欠乏しているから、自分自身のことを受け入れられない人間なのだ。
だからきっと、戸惑っているのだと思う。
自分を愛せないのに、他人を愛するというのはとても複雑だと、わたしは考える。
自分自身を愛せないから、自分が愛しているひとから好かれる
よみもの「鍋底の焦げでも食ってろ」
喫煙所。隣は非喫煙者の女友達。
吸わないのになんでここにいんの。外で待ってればいいのに。
彼女は突然、軽く音を立てて息を吸って、なにか深刻そうな顔して
「さいきん、貧血がひどい」と、ゾンビみたいな顔して嘆いた。
うん、おまえ明らかに貧血って顔してるよ。
「なんで?夜ふかしでもしてんの?」
「いや、わかんないけど」
心底どうでもいいような気もしているけど
なんだか放っておけない彼女に
「明日さ
ワインレッドの艶、指先に。
あの娘の爪はいつも派手。
ネイルアート、とかナントカ。あぁいうのしてる子は大人に見える。
わたしもああやって、爪に色を乗せれば大人になるのかなぁ。なんて考えて、コンビニで血豆みたいな色?多分ワインレッドというもののネイルを買った。
コンビニ袋をガサガサ言わせながら帰宅する。
心はなんだかほくほくしている。