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デジャヴと夏越の祓

大きな大きな茅の輪をくぐり、夏越の祓のお参りに行ってきた。 大正の最後の年に産まれた祖母が子供の頃からの慣習だったという。 時代が移り変わっても続くことにはきっと目に見えない何かがあるからだと信じている。 今年の半分を終える6月30日(金)の半晦日、娘の保育園から自転車で10分程の距離に茅の輪くぐりのできる素戔雄神社があると知り、1週間の登園を終えた娘を誘った。 「やだ。アイス食べたいから早く帰りたい。行かない。」とごもっともな意見を主張する娘を「可愛いお守り買ってあげる

    • この世は四苦八苦。

      昨日、仕事でわちゃわちゃが勃発し、対応に追われていたらSlackの通知がなった。 今は別の部署に異動した、同年代のその人からの連絡には 「実は、先々週父が急逝しました。明るい話題でなくてごめんなさい!エネルギーを蓄えたくご飯でも行きましょう。」ということが書かれていた。 最低限の人にしか伝えていないとの事だったので、私に連絡をくれたのは私が同じ経験を持つからだろう。 頭の中が急に静かになり、彼女に伝えられる言葉を探した。 「大丈夫?」……大丈夫なわけがない。 「無理し

      • 人生で一番痛かったこと

        まずは、一般人よりもはるかに痛いことを経験するであろう女子プロレスラーである北斗晶様の「人生で痛かったことトップ3」はこちらだ。 恐ろしい。。この中で2位の出産だけ私にも経験がある。そして私にもこれを上回る痛かったことがある。 それは「生理痛」である。 「女はまた子どもを産むために出産の痛みを忘れるように出来ている」とどこかで聞いたことがあるし、同時に起きたことではないので比べることは難しいが、どちらが辛かったかと問われたら、やはりぶっちぎりで「生理痛」だ。 10代後

        • タバコと私とディズニーシー

          私はかつてタバコを吸っていた。13年ほど喫煙し、禁煙してから8年経つ。何歳なのかは秘密だ。 13年の喫煙生活のうち、最後7年は「タバコを辞めたい。タバコを辞めたい」と思いながら、隠れるようにしてタバコを吸っていた。 最初に辞めたいと思ったのは、新卒で入った会社の内定者の集まりの時だったと思う。新卒の女性社員20名のうち、タバコを吸うのは私だけだった。 私を含むたまたま仲良くなったメンバーが大宮、平塚、船橋、柏のベットタウン出身者の4名だったので、私たちは「東京コンプレッ

        デジャヴと夏越の祓

          引き寄せの法則…???

          4月から年長になった保育園に通う娘は、とにかくお昼寝をしない。海水浴をした後、2時間車に乗せても寝ないのでもうお昼寝はしないのだと思う。 「ママはお昼寝していいって言われたら、毎日最高にハッピーだよ!!保育園の今だけの特別ボーナスタイムだよ!」と何度伝えても、お昼寝はしないと固く心に決めているようである。 娘の通う保育園は、もちろんお昼寝の時間があるので娘は保育園に行くのを嫌がる。 基本、リモートで家で働いている私は「お昼寝の前に迎えて来て」とお願いされるが、5分に1度は「

          引き寄せの法則…???

          映画デート

          年長さんになった娘が保育園の同じクラスの男の子と映画に行く約束をしてきた。 マリオの映画を見るのだそうだ。男の子のママと相談し、小さな2人の映画デートは今日実現した。 娘はとても楽しみにしていたようである。 起こしてもなかなか起きない娘が「今日はマリオの映画だよ」と言うとパッと起きて「ママ、早く行こう!」と言った。 「今日はさ、せっかくのデートだから可愛い服着ようよ!」というと、ポケモンのTシャツとすみっコ暮らしのスパッツを選んできた。 どうやら、これが彼女の思う一張羅の

          映画デート

          BBQの楽しみ方

          私は未だにバーベキューをどのように楽しんだらいいのか分からない。 お肉も野菜も黒こげになるし、準備は大変、荷物は重い。そして誰ともちゃんと話せない。しかも手ぶらでBBQとなると結構いいお値段なので、同じ金額で美味しいランチをゆっくり食べられるのに…と思っていた。 と思いながらも、毎年GWになると女4人で恒例となったBBQをする。 彼女たちとは高校2年生の時に同じクラスだったので、もう20年の付き合いだ。 私を除いた3人はとにかく、お酒をよく飲む。どれくらい飲むかというと

          BBQの楽しみ方

          9:夫と死別してから4年目の春に今想うこと

          何かの宗教にはまったのではないかと心配をかけると思ったので、家族にも友達にも誰にもサンガの話をしたことはない。 ZENサンガは月額3,000円で、阿部さんや向禅師をはじめとする多くのナビゲーターが、「ただ一つの真実について語ったコンテンツを見放題!」というサロンで、私が入会した時には、既に4年経っていたためコンテンツのアーカイブはすぐには見きれないほど大量にあった。 リモートで働いていた私は、会議以外の時間、ラジオのようにいつもいつもサンガのアーカイブを聴きながら仕事をし

          9:夫と死別してから4年目の春に今想うこと

          8:夫と死別してから4年目の春に今想うこと

          彼の夢はあまり見なかった。ただ一度だけ最悪な夢を見た。 ある日、「ただいまー!」といつも通り彼が家に帰ってきて、私がただただ驚いていると「ビックリした?」と悪戯っ子の顔で私の顔を覗き込みにやっと笑った。 娘が産まれる2週間前のエイプリルフールの仕返しだと思った。 「実はね、今日の検診で女の子じゃなくて男の子でしたって言われたんだよ!」既に名前の候補も決めていたので彼は「そっか。名前考えなおさいとね。」と言って難しい顔をして考え込んでいた。しばらくして「ウソぴょーん!今日はエ

          8:夫と死別してから4年目の春に今想うこと

          7:夫と死別してから4年目の春に今想うこと

          葬儀が終わり1週間ほどしてから私は仕事に復帰した。 当時の会社の厚意でリモートでできる事務仕事を用意してもらい、私は区の図書館にあるワークスペースで仕事をした。 仕事の合間に、仏教のコーナーに行き般若心経についての本を手に取った。彼に唱えたそのお経にどんな意味があるのかを知りたかった。 特定の宗教を持たない私は、「般若心経」という言葉くらいの知識しかなかった。 たくさんの本を手に取ったが、残念ながら全然捗らなかった。まず、ルビがふられていないと漢字が読めない。 図書館

          7:夫と死別してから4年目の春に今想うこと

          6:夫と死別してから4年目の春に今想うこと

          その夜から、私は死について学ぶためにAmazonでたくさんの本を買った。 まず読んだのは医師である矢作直樹さんが書いた「人は死なない」だったと思う。 それから仏教の本だったり哲学の本だったりを読んだ。どうせ夜は眠れない。それならば本を読んでいた方がずっと救いになった。 そうしているうちにお通夜と葬儀の日を迎えた。 「人は死んだら終わりではない」「人は死なない」読み終わってもいない本の浅はかな知識を必死に握りしめて落合斎場へ向かった。 「人は死んだら終わりではない」「人は死な

          6:夫と死別してから4年目の春に今想うこと

          5:夫と死別してから4年目の春に今想うこと

          葬儀を2日後に控えたその日も、野方から15時位に最寄り駅に戻り家に帰ろうと思った。だけどその日は涙が止まらず、これでは家で待つ母と娘を心配させると思い、マンションの前まできてまた駅に戻り、もう帰れるかなと思ってマンションに行くもやっぱり家には帰れずまた駅まで向かうを繰り返していた。 家と駅が徒歩3分程なのに、夕焼けで空が赤く染まるまでそうしてウロウロしていた。いったい何十往復したのだろう。完全に不審者だったと思う。 静かに落ちていく真っ赤な夕陽を見ながらまた駅に向かっている

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          4:夫と死別してから4年目の春に今想うこと

          私はその1週間、毎日野方に彼に会いにいった。 「ごめんね、ごめんね。ごめんね、ごめんね。 体調が悪いことにも気づかないでごめんね。もっと早く救急車を呼んだりもっと大きな病院に連れて行けなくてごめんね。」 出てくる言葉といえば毎日、ごめんね。と涙だけだった。 毎日、ごめんね、ごめんねともう抱きしめてくれない彼と二人きりで泣いているうちに、私は彼が死んだのは自分のせいだと強く思い込んだ。 私が救急車を呼ぶのが遅かったからだ、私が救急車に乗る前にお水ではなくてお茶を飲ませたか

          4:夫と死別してから4年目の春に今想うこと

          3:夫と死別してから4年目の春に今想うこと

          「私の命を半分あげるので、彼を助けてください。神様、お願いです。一生に一度のお願いです。もう他には何も望みません。私の命を半分彼に渡して彼を助けてください。」 夜の病室でただただ、その事を繰り返し祈った。 願ったというよりもうただただ神様に祈った。 だけど、神様は私の祈りを受け入れてはくれなかった。 医師から彼が亡くなったことが告げられた。 嘘だ。こんなに呆気なく、彼が死ぬわけがない。これは夢だ。こんなことがあるはずがない。嘘に決まってる。 そう思いながら、目的もなくそ

          3:夫と死別してから4年目の春に今想うこと

          2:夫と死別してから4年目の春に今想うこと

          あっという間に夏になり、毎年恒例になった沖縄旅行をその年も計画していた。今年は離島を巡ろう!!と計画しながら私は1人ワクワクしていた。ずっと休みを取っていなかった彼も「そこではしっかり休むよ」と言っていた。 沖縄旅行を1週間前に控えたその日、その日は木曜日だった。彼は朝からお腹が痛いと言った。お仕事お休みしたら?と言ったが、それでも、「夜大事な打ち合わせがあるから」と、保育園に娘の送迎をしてから職場に行くといつも通り娘と2人で家をでた。 私はリモートで自宅で働いていたが、

          2:夫と死別してから4年目の春に今想うこと

          1:夫と死別してから4年目の春に今想うこと

          2019年8月22日、34歳になったばかりの夫が急逝した。 娘は2歳を迎えたばかりだった。 「愛される女性とはこうであるべき」という洗脳を自分でかけてそのギャップに自分で苦しむ一人芝居にハマった20代を過ごしていた私にとって、彼との時間はその洗脳を壊してくれる暖かくて優しい時間だった。 怒鳴っても、泣き喚いても、どんなに情緒不安定でも真っ直ぐに私を受け入れてくれる彼に出会って、私は男の人の本当の器の大きさや優しさを知った。 醜態を晒しまくっているのに「出会ったころよりも

          1:夫と死別してから4年目の春に今想うこと