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韓国で超人気だった”渋谷系”HARVARD「Clean & Dirty」が心地よい

今日は2/26に発売された「渋谷系狂騒曲 街角から生まれたオルタナティヴ・カルチャー」を読んでいました。

こちらは音楽ナタリーの連載コラムに加筆・修正を加えて書籍化したもので、渋谷系カルチャーとは何だったのか、多くの証言者を迎え、多角的に掘り下げた1冊です。

証言者はカジヒデキさん(カジヒデキが語る"僕が渋谷のレコ屋店員だった頃")、大橋裕之さん(マンガ家・大橋裕之が描く"僕と渋谷系")、坂本慎太郎さん(坂本慎太郎が語る"対岸から眺めた渋谷系の景色")、岡崎京子さん(岡崎京子と渋谷系のシンクロニシティ)などなど。

幅広いジャンルの書き手(関美彦、除川哲朗、宮子和眞、山下洋、フミヤマウチ、荏開津広、藤井悟、黒田マナブ、ジミー益子、DJ EMMA)が選ぶ「ROOTS OF 渋谷系ディスクガイド10×10」や、PORIN(Awesome City Club)、松尾レミ(GLIM SPANKY)らの「1990年代生まれが作る渋谷系プレイリスト」と言ったページもあります。

注釈が豊富についていて、音楽本としてはかなりわかりやすくまとめられているなあと思いました。


今日は「韓国のポップ・ミュージックへの影響」(長谷川陽平 / 大石始)のページを読んでいたのですが、ここに出てきたHARVARD「Clean & Dirty」という曲を何気なく聞いてみたらすごーくよかったので書かせていただきます。

音源は、SpotifyになさそうだったのでYouTubeになっちゃうのですが…こちらです。

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まずアーティストについて。SPACE SHOWER MUSIC のアーティストページから引用。

HARVARD(ハーヴァード)
2001年、小谷洋輔と植田康文の二人で結成。2002年、EP『URBAN』でEscalator Recordsよりデビュー。HIP HOP、R&Bを大胆に取り入れた独自の音楽性が話題となり、直後にリリースしたファーストアルバム『LESSON』が大ヒット。収録曲「CLEAN&DIRTY」が韓国の映画主題歌やTVCMとして起用され韓国でも大ヒットを記録したが2007年5月突然の解散。2010年10月韓国の大型フェスで復活、その後、Riddim Saunterとの西日本ツアー、初のタイ公演も成功させた。

小谷洋輔さん(ヴォーカル/ギター他)、植田康文さん(ギター/ターンテーブル他)の男性デュオみたいです(ちょっと珍しい?)。大学在学中の2002年にエスカレーターレコードからデビューし、2007年には解散してしまったよう。

タワーレコードの昔の記事を見ると、二人は京都在住で元スケーターだったみたいです。

小谷さんの方は、YOSUKEKOTANI名義のソロアルバム『ANYWHERE』を2014年にリリースされています。その中の「 CTY」という曲もカッコイイ。

それぞれ個人の詳しいプロフィールは見当たらなかったです(知ってる方いましたら教えてください…!)

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話を戻して。「Clean & Dirty」のYouTubeのコメント欄を見るとわかる通り、ハングルがずらっと並んでいます。日本国内よりも韓国で、映画やCMに使用されたことで人気だったんですね。また、「渋谷系狂騒曲」によると、韓国で渋谷系という言葉が使われ始めた背景には2000年代初頭からインターネットが普及したことにあるそうです。一番大きかったのは”サイワールド”という韓国版ミクシィ。このサイトではページにアクセスしたときにBGMが流れる仕様になっていて(なんと素敵な!)、そこで使われていたのが「Clean & Dirty」だったり、m-floだったり。日本では渋谷系と紹介されないアーティストも多かったようです。

韓国で渋谷系として捉えられた楽曲は、サイワールドや日韓ワールドカップ以降にソウルで急増したカフェのBGMで使われたりしており、特徴としてはおしゃれで、英語詞で、”有名になりすぎていない、私だけが知っている音楽”という感覚を持てるものだったと書籍では説明されています。

まだまだ興味深い話が続きますので、気になる方は「渋谷系狂騒曲」を読んでみてください^^


音楽本を読んでいると山ほどアーティスト名・曲名が出てくるので、いつもすべては調べないのですが、今日は当たりくじを引いた気分でした。超さわやか。ハモリが心地よいです。他の曲も聴きたいなあ。

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