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UXリサーチャーとして働き始めて2年が経った

メルペイでUXリサーチャーとして働き始めて2年が経ちました。昨年1年目を振り返るnoteを書いていたので、2年目も振り返ってみたいと思います。

2年目のチャレンジ(会社編)

新規立ち上げのリサーチ
「新規立ち上げのリサーチにチャレンジしたい」というのが転職の動機の一つだった私にとって、今年2つの新規プロジェクトを担当できたのはとても嬉しい機会でした。1つめの「おくる・もらう」は、新規事業コンテンストでの立案から、体験のデザインだけではなくマーケティングプランの策定まで幅広くリサーチで扱いました。詳しくはUX MILK All Nightでお話しましたので、ご興味のある方はこちらのnoteや登壇資料をご覧いただければと思います。

2つ目はまだ進行中のものなので詳しくはお話できないのですが、サービスコンセプト検討から体験のデザインまで携わりました。ただ、これは思ったように進まずに自分の能力不足を感じたプロジェクトとなりました…。またリリースされたら振り返って情報発信したいと思います。

自主リサーチ
maruhadaka PJと名付けている自主リサーチプロジェクトを今年は3回実施しました。これは会社のOKRなどと直接紐付かなくとも、今後重要になってくるであろうテーマを扱い戦略的に仕掛けているリサーチです。こういった自主リサーチに注力する余力が少し出来てきて、さらに日記調査・訪問調査など、より深くお客さまのことを理解する手法にもチャレンジできたのが良かったです。また、データアナリストと協働することで、定量と定性をかけ合わせることでデータの解像度がかなり変わることを感じられました。どのように協働したのかは以前Insight Tokyoでお話しましたので、ぜひこちらのnoteをご参照ください。

オンラインリサーチ
今年はなんといってもオンラインリサーチ元年でした。私は正直、リサーチに関しては オフライン>>>オンライン だと思いこんでこれまで一切チャレンジしてこなかったので、このコロナ禍での環境変化に対応するには苦労したことも多かったです。このトピックスについてはService Design Dayでお話させていただきました。

オンラインリサーチには当然限界もありますが、オンラインだからこそできることも沢山あって、例えば地方のお客さまにこれだけお話をお伺いしたのは初めての経験となりました。コロナ禍で訪問調査のようなエスノグラフィックアプローチが取りづらくなっているのは早く解消したいと思いつつも、コロナが落ち着いてもオフラインとオンラインのハイブリッドは続いていくのではと思うので、うまく両者を取り入れていきたいです。

学習コンテンツづくり
これはまだまだ志半ばなのですが、社内向けにUXリサーチを学び実践するための学習コンテンツをつくっています。社外にもオープンにできたらと考えて準備を進めているので、またご報告させてください!

プロダクト以外の面でのリサーチ活用
プロダクトチームだけではなく、人事系のトピックスでも時折ご相談をいただくようになりました。例えばeNPSを改善するために、どういった背景があるのかをインタビューしたり、傾向を掴むためにアンケートを取りたいといった具合です。ご相談いただくたびに「UXリサーチの基礎は色んなフィールドに役立つんだな」と広がりや可能性を感じています。

2年目のチャレンジ(個人編)

社会人大学院進学
4月からJAIST博士前期課程社会人コースに進学しました。働きながら授業を受けたり課題をやったりするのは正直、思っていた以上にかなりきつかったです…。オンライン授業になったのが私にとっては幸いで、通学がなくて楽な今のうちに!と授業を詰め込み必要な単位はほぼ取得出来ました。サービスデザインの理論を改めて学べたり、エスノグラフィーやKJ法などの具体的手法の演習をしたりと想像以上に自分の仕事にリンクした授業が多く、ゼミでの読書会などを通じて学術書や論文も少しずつ読むことが出来たのも良かったです。ここからいよいよ本番の研究に着手するところです。

本の執筆
同僚と一緒にUXリサーチの実践本を書いています。せっかく書くなら、執筆のプロセスにもリサーチを取り入れて、共創的なアプローチを実験しながらやってみたいということで色々楽しんでやっています。詳しくはこちらのnoteに書きました。

副業でのUXリサーチ
Retty、PLAID、X Asiaの3社をお手伝いさせていただきました。Rettyでの事例はご一緒した平野さんが詳しくまとめてくださっているので、ぜひこちらのnoteを御覧ください。データアナリストの皆さんと一緒にUXリサーチやユーザー中心の文化づくりにチャレンジするのはすごく楽しかったです!

PLAIDではtoB向けのSaaS事業という自分がこれまで経験のない領域でのデータ分析にチャレンジできました。元々知り合いが何人かいて話を聞くたびに良い会社なんだろうな〜と思ってはいたのですが、実際に関わらせていただいてよりファンになりました。最近はカウシェを運営するX Asiaのお手伝を始めていて、スタートアップでどうUXリサーチを取り入れるかは面白いチャレンジです。当面は大学院があって稼働時間が取れないので、自分でリサーチ企画から実行まで回すプレイヤーというよりも、社内でUXリサーチにチャレンジする方のコーチングのような形で関わらせてもらえる副業案件であればお手伝いできると思います。

3年目にチャレンジしたいこと

引き続き新規立ち上げのリサーチ
事業のスピードや関わり方の広がりに対してまだまだ自分の能力が追いついていないので、特に2年目うまくいかなかった新規立ち上げのリサーチ、サービスコンセプト検討から体験のデザインまで広くチャレンジしていきたいです。事業の収益化と良いユーザー体験を両立できるように、お客さま視点だけではなく経営者やビジネスサイドの視点でも事業を見れるようになる必要があるなと感じています。

定量調査の基礎基本を身につける
2年目はアンケート設計する機会がたくさんあったのですが、これまで我流でやってきたので設計も分析も「これで大丈夫だろうか…」といつも不安がつきまとっていました。そこで今年は定量調査をきちんと学びたく、社会調査協会が主催しているオンライン講習会に参加する予定です。

インハウスで働いていると、事業のフェーズやプロジェクトの状況によって必要なリサーチが偏ることがあります。例えば極端な例ですが、ユーザビリティテストがひたすら必要な時期があったとします。もちろんUXリサーチは事業課題や目的のために行うものなのでコミットしますが、一方でリサーチャーとしては新たにチャレンジしたい手法や伸ばしたい能力もあるわけです。そのバランスを取るためには、社外のセミナーや勉強会に参加したり、副業で機会を作っていく必要もあると感じています。

本を媒介に業界やコミュニティに貢献する
今年のうちには本を出版できると思うので、本をきっかけに業界やコミュニティに貢献していきたいです。例えば勉強会やイベントなんかはやりたいですね。

研究に集中する
本の執筆が落ち着いたら、プライベートの時間はほぼ研究に使いたい…というか使っていかないといけない。

最後に

2年目はやりたかったことにチャレンジできて、その分自分の壁にもぶつかりましたが、なんとか前に進めているのはいつもフィードバックをくれる上司や同僚のおかげです。特にデザインチームの同僚が書いてくれたnoteがとても嬉しくて、

・専門のUXリサーチャー(以下UXR)がいる環境にきて、私はお客さまを「見ていない」ことに気付かされました。
・専門のUXRがいることで、安心して自分の得意分野に集中できる

といったフィードバックを見て、何かしら役に立ててるのかなとちょっと自信を持つことが出来ました。

来年の振り返り時にはもっと成長できているように、3年目も頑張ります!

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