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岩手冬紀行〜中尊寺金色堂から鉛温泉、丹内山神社へ
岩手に来ています。
まずは家族で中尊寺へ。
年が明けると大混雑するので、年末の静かなうちに。
立派な杉並木の参道を抜け、ご本尊に手を合わせます。
朝の空気が清々しいです。
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照明を抑えた金色堂にはたくさんの如来や菩薩が居並び、凛と張りつめたおごそかな雰囲気。
螺鈿細工や蒔絵の装飾も煌びやかです。
戦乱の世にあって、この土地に金色の極楽浄土を築こうとした古人の思いを想像すると、少し切なくなります。
手を合わせながら、自分の心に平安をもち、それを周りの世界に広げてゆけるようになりたいと思いました。
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翌日は、宮沢賢治『なめとこ山の熊』にも登場する名湯、鉛温泉の藤三旅館へ。
開湯600年、旅館が開業してから230年という老舗です。
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総けやき造りの建物は築80年以上。
風情たっぷりの空間です。
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部屋の窓を開けると渓流が流れていて、目を瞑ると水音が聞こえます。
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旅館には源泉が5本もあり、4つある温泉はシャワーまですべて源泉かけ流し。
加温も加水もしていないお湯は大地のパワーそのものという感じで、ものすごく濃いです。
続けて長く浸かると効きすぎてくらくらするので、休み休み、ゆっくり体を癒します。
長逗留する湯治のお客さんも多いみたい。
中でもユニークなのは「白猿の湯」。
急な階段を降り、足もとから源泉が湧き出す浴槽に直接入るという、ほかにはない温泉。
「千と千尋の神隠し」の油屋に迷い込んだようです。
湯船の深さは1.25mあって、日本一深いのだそう。
立ったまま全身お湯に浸かっていると、山とつながっているような、不思議な心持ちになります。
大人な雰囲気の宿なので、今回は夫の家族に子どもらを預け、夫婦でゆっくりさせてもらいました。
10年くらい前にも、夫と2人で訪れたのですが、お料理は当時と変わらず美味しくて、おもてなしも変わらぬ温かさ。
年の瀬に、心身もリフレッシュできました。
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翌朝は、1200年以上の歴史を持つ丹内山神社へ。
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集落から少し離れた山の中腹にある境内はひろびろとして、アラハバキ神を祀る巨石や、樹齢2000年と言われる巨木の切り株、七不思議スポットなどがあります。
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きっと、古代から祈りの場所だったのでしょう。
清らかで凛とした空気に満ちています。
境内を歩きながら、ふと「清冽」という言葉が脳裏をよぎりました。
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今年は関西から関東に戻り、仕事でも、趣味でも、大切な人たちとも、豊かな時間をたくさん持つことができました。
ご縁の糸の間で生かされているという感覚が、年々強くなります。
お世話になった皆さま、本当にありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎えください。
読んでいただきありがとうございます! ほっとひと息つけるお茶のような文章を目指しています。 よかったら、またお越しくださいね。