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谷中でよりみち〜雑貨と本gururiさんへ行きました

この世界には、本に魔法をかけることのできる書店が、存在します。

その店の棚に並んでいる本たちは、本来の魅力を引き出されて、とても居心地よさそう。静かに鎮座している本がいれば、隣の本とかまびすしくお喋りしている本もいる。

本を必要とする読み手があらわれると、背表紙がぴっかり光って、そのときが来たことを教えてくれる。

谷中の雑貨と本のお店gururiも、そんな魔法の店でした。

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ずっと行きたかったのだけど、ちょうど近くで取材があって、帰りにようやく訪れることができたのです。

表通りから一本入った路地の突き当たり、かわいいお店が並ぶ一角にあるお店です。

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本も、雑貨も、一つひとつちゃんと理由があって、そこに並んでいることがわかる。

途切れずやってくるお客さんと、お店の方の間に、血のかよった会話もある。

どの本も、雑貨もすごく魅力的で、迷いに迷って、「ここで買わなかったらもう出会えないかもしれない」本を選びました。

かつて大森にあった古書店「山王書房」の店主が書き記した幻の随筆集、今年32年ぶりに復刊された『昔日の客』(夏葉社)。

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盛岡の歌人・工藤玲音さんの歌集『水中で口笛』(左右社)。

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インターネットの本屋さんではきっと出会えなかった本たちとの運命の出会いに、胸がときめきます。

寺社を巡っていただく御朱印のように、本屋さんを巡っていただく「御書印」もしっかりいただいてきました。
(これから訪問する方のために、デザインは内緒です)

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帰り道では、本を入れてもらった紙袋を抱いている胸のあたりが、ほっこりあたたかいような、幸せな気持ちを味わいました。

惜しむらくは、手荷物が多すぎて、とても気になっていた若菜晃子さん『旅の断片』(アノニマ・スタジオ)が買えなかったこと。

これは近いうちに、また行かなくっちゃなあ。

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