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「変わる」から「変える」へ|子連れMBAの話1

毎年、参加メンバーが水を得た魚になる子連れMBA。でも、育児休暇から復職して1年、2年・・数年が立つと、子連れMBAで一緒に活動していた、あの頃のような元気に満ち溢れたメンバーはほんの一握りに。

(外出が難しくなる前は、昼間に会場に集って実施していたため、ほとんどの参加者が育休中でしたが、今はオンラインで復職済みメンバーも多いです。)

ワーママ業はハードだから仕方がないのか。子連れMBAでなんとか復職したメンバーを元気付けられる方法はないだろうか。と、感染症により劇的に、活動6年目を迎えた中、方向性のリニューアルをメンバーで相談していた昨年。

女性の多い会議は時間がかかる

偉い方の「女性の多い会議は時間がかかる」発言で、目が覚めました。
これが全ての原因だったんじゃないか!
その後もオリンピックをめぐり、例えば以下のように、同質性の強い中での意思決定での弊害が指摘されることが増えてきました。

”気心の知れた偉いおじさん仲間で仕事を回す” 
安川新一郎氏のnoteより抜粋。原文はこちら

ワーキングマザーのリアル

復職後のメンバーからは、年々マシにはなっているものの、未だにこのような声を聞きます。

「上司から『時短だから最高の評価はあげられない』と言われた
「長時間働けなくなったので、責任ある仕事から外された」
「時短でも仕事の内容は全く変わらず、給料が大幅に減らさただけ」
「子育てと会社でのリーダーの仕事がハードで度々体調を壊す」

※長年の多くのワーママが困っていた「家でできる仕事でもリモートワークをさせてもらえない」は、昨年コロナにより急激に解決が進んでいます。やればできる!

これこそ、従来、専業主婦に支えられて24時間を会社に捧げることのできた男性だけで成り立っていた組織や働き方に、私たちが無理やり合わせることから生じた辛さではないか。

首都圏とは別世界のワーママの環境

今は全国から集まる子連れMBA。もともと関西発祥の活動のため、上に引用したコメントの多くは関西の企業における現状です。関西と首都圏と両方で働いた経験のある私の体感値では、関西と比べると首都圏は企業数・バラエティ(たくさんのスタートアップも存在)で100倍以上です。ですので、首都圏ではかなり状況は違っている思われます。

ご家族の都合で、関西の某市に引っ越してきて、転職活動をした8歳5歳の子育て中の母であるメンバーは、どの面接でも「子育てで頼れる親族がいるか」と聞かれたそう。正直に「頼れる親族がいないのでフレックスタイムなど活用したい」と答えると、ことごとく落とされたそうです。

この関西の企業における働く環境の遅れについては、最近、論文も出され始めていると大学教授から聞きました。これについてはまた別の機会にでも考えたいと思います。

会社に漂う閉塞感

また、子育てと直接的には関係ないですが、男女問わず「会社での閉塞感」についての愚痴は、約半数(大企業に限るともっと多いかも)のメンバーから聞きます。この閉塞感こそ、「同質性の高い予定調和な組織」がもたらす弊害でしょう。
なぜなら、オリンピックと言わず、私たちの日々接するミクロな仕事場を見ても、”気心の知れた偉いおじさん仲間で仕事を回す” 景色を日頃から見ています。経営会議や上位の会議になればなるほど女性がいないのです。

大企業の経営会議は、だいたいこの写真のような男女比率です。(ベンチャーなど一部企業では状況は全く違うと思います。)

図1


※写真は内閣府ウェブサイトより(https://www8.cao.go.jp/cstp/)

「変わる」より「変える」

子連れMBAを立ち上げた当初は、育児によって「キャリアダウン」せず、「周りと同じようにパフォーマンスを上げる」ことを目指していました。つまり、組織の型に合うように、自分たちを変えようとしていました

でも、今は違う。
子育てによる制約や経験によって、社会に違和感を持つことができる私達。これらを生かして、私たちが変わるのではなく、この違和感をもとに、私たちが社会の「あたりまえ」を変えていく。そして、閉塞感の漂う現状を、少しでも軽やかにしていく。これが、未来を担う子供たちのためにも、私達の役割なのではないか。

メンバーみんなが腹落ちしました。この想いをもとに、次は、今後の子連れMBAが果たす役割を考えるために、日本の現状について更に調べることにしました。

(次の記事)

#オープン社内報 #私の仕事

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