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イタリア人の青い瞳の友人A

皆さんは人と話をするとき、
じっと相手の目を見ますか?
それとも視点を少しずらすでしょうか?
距離が近いと、失礼になるかもしれない時は
相手の鼻を見るとよいと言われますね。

                    *

自分で意識はしてなかったものの
20代の時の私は人と話す時に
相手の目を見ていなかったようです。
目どころか知らない人や苦手に思っている人の
顔も見ることができなかったかもしれません。
相手の言葉が分からないなら尚さらです。

                    *

イタリアに留学していたときのこと
そのころはイタリア人の大学生3人と
ルームシェアをしていました。
ある日のランチタイムに
ひとりのルームメイトの友人が家に来ました。

人懐っこい笑顔の友人はAとしましょう。
彼女たち2人はキッチンで談笑していて
私も食事の準備に入っていくと
気になるのか時々
こちらを見て笑いかけてくれました。
私は…どうしていいか分からず
静かにその場にいました。


ルームメイトが調理をする間は
友人Aと私は小さなテーブルを間にして座りましたが
私はただ2人の会話を聞くことに集中し
耳を彼女に向け、目線は空中にありました。
彼女からすると私は余所を向いている
今思えば失礼な態度でしたが
慣れない人の話し方のクセは聞き取れないし
理解できない相手の顔を見ることは
怖くてできませんでした。

すると、友人Aが突然

「みなみ、わたしを見て。」といいながら

両手で私のこめかみを挟み
私の顔が彼女のほうを向くように
ゆっくりと動かしました。

彼女の顔が真正面に現れて…
額にかかる緩くウエーブのかかった髪
その下の瞳は真っ青なブルーでした。
それはまるで美しいビー玉のような…
                    *

そのとき不思議と
”人の目を見る”というより
「ビー玉を見る」という感覚になり
恥ずかしいという気持ちが消え
吸い込まれるようにしばらく眺めると
思わず
「瞳、青色なんだね。綺麗。」
とつぶやいていました。
          
彼女は うふふっ と笑って
「ありがと 💗」と答えました。

                      *

その日を境に
私は人の目をみることに抵抗がなくなり
時には覗き込むほどに見つめて
「綺麗な色だね」と言うまでになり
イタリア人化しました。(*^-^*)ヤバい奴。


その変化が同時に、今まで自分は会話する時
相手の目を見ていなかったかもしれないという
気付きなりました。

                       *

ここから余談~
当時(2000年)イタリアの運転免許証には
目の色が記載されていました。
今ほど豊富にカラーコンタクトは無く
目は個人の特定に大切な情報でした。


イタリアでは子供が生まれると
最初に聞くのが髪と瞳の色だと
聞いたことがあります。
本来のイタリア人は
黒い瞳と黒い髪が特徴ですが
移民が多いという背景から混血が進み
両親と全く違う特徴、ブロンド、青い瞳など
時に何世代も前の遺伝が現れることがあり
予想は誰にもできない。その"変異"は
「神からの贈り物」と呼ばれていて
多様性に寛容なところが素敵だな。
日本と大きく違うと印象に残っています。

                       *

逆にイタリア人にとっては
日本人の大多数が黒い瞳で黒い髪であることや
それに加えて学生は制服で統一感のあることが
未知の世界のことのようで
みんなが同じなんて凄いね、想像できない。
と言われると妙に誇らしいというか…嬉しかった。
そんなことも思いだしました。


                       *


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