見出し画像

江戸川Qの『ドローンを追う』#31

 このコラムも31回になりました。

 ここまでいろんなドローン関連の記事を追ってきて、そこから感じる未来社会の姿を色んな角度で見てきました。コラムでは10回ごとにまとめのコラムを書いていますので、ここまで感じたことを少し書いて見ようと思います。

 最近読んだ本に「人新世」におけるコモンを提唱する斎藤幸平さんの本があります。(上に彼の著作のURLを載せておきます)

 この「コモン」というのは新自由主義、新資本主義にから脱却するために、マルクスの諸論の新しい見直しをして、これからの社会に「公共(コモン)」というサイズを社会に残していかなければ、社会は前時代からの負債を引き継ぎ、未来構図を作れなくなるだろうという一つの考えの提唱であり、それが必要なのがこれからの「人新世」なのだという考えです。

 皆さんは「公共」という考えをしたことがあるでしょうか?
 これらは非常に僕達の生活に密接につながっていて、それは交通、山岳における水権利等、あらゆるところにあります。昔はもっと公共というものがありました。勿論、郵便もそうですね。

 そうした「公共」は皆が一定の負担で必要であり、生活の基盤サイクルとして支えているものです。

 しかしながら資本主義というのは資金によりそうした公共を『私権化』してしまうものです。考えていただければ想像できるともいますが、もし水道が「公共」でなくなれば、それらはいつかどこかの「私権」になり、それは同朋国でなく、ひょっとすれば思いがけない国などの利権になってしまうことも新自由資本主義では可能なことです。

 例えば水道の自由化が競争を生むのはそうですが、コストと利益ばかり目がゆき、水道管の整備等がおざなりになり、水が飲めなくなっているーー実際にそのような報告があるようです。

 その「コモン」とドローンについて考えてみると、やがてドローンはそうした「コモン」という問題にも接近してゆくのではないかと考えます。

 ドローンそのもの自体は社会課題に向き合っていることが多く、前述の斉藤幸平さんが提唱する「公共(コモン)」という意識の社会的サイズにも、勿論、「社会」が関与しなければならないですが、然しながらその社会の構成員である「人」の問題は、現在進行形である人口減少による労働力不足に伴う問題と密接に結びついているからです。
 
 今回のコラムは「人新世」と「ドローン」のあり方という考えの布石を残しながら、終わろうと思います。
 最後にドローンに関する記事を載せておきます。
https://www.lnews.jp/2024/06/q0605502.html


 ここに少し大掛かりな実験的なものが出来上がりつつあることを皆様にお伝えできればと思います。
 
 それでは

 文;江戸川Q



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?