従来型のうつ病のメカニズム(大うつ病性障害)


この論文は一つの解釈ではなく従来型のうつ病(大うつ病性障害)の全てを完全に解明したものである。


うつ病の人だけでなく悩める全ての人にとっての新しく生きる羅針盤になる事を願い、ここに知識を共有させて頂こうと思う。


    御縁心理学研究所 助手ブラッド


目次


はじめに

第1章 「うつ病」になりかけたサラリーマン時代

第2章 心を蝕む「ミラーニューロン」

第3章 他者のために生きるとは何も得られず「執着」となる

第4章 「執求(しゅうきゅう)」を子供に受け継がせるという恐ろしい負の連鎖

第5章 うつ病は「潜在意識」が命の危機と感じている

第6章 交感神経の活動源を失う「喪失型うつ病」

第7章 行動抑止で生命を守る「生命の危機型うつ病」

第8章 生存承認欲求を脅かす「悪性ストレス」という脳の疲労

第9章 「自由」とは命を尊ぶ事である

あとがき



はじめに


うつ病の人に対してまず何よりも先に僕が言いたいのは気持ちを理解出来ず本当に申し訳なかったという事だ。


今なお他者に対して深い失望や悲しみ、憤りを感じている人もいるだろう。

多くのうつ病の人は他者の為に頑張ってくれたのにも関わらず苦しむ事になってしまった。

気持ちを理解出来ず本当に申し訳なかった。



僕の考えではうつ病は病気ではない。

命を守る為に潜在意識がとった行動を病気と表現するのは果たして正しい事だろうか?


多くのうつ病の人は他者を優先する気持ちを強く持ちすぎてしまい行動抑止を伴う「憂うつ」という「負の感情」を出し続けてしまってる。

抑うつ状態になる事で潜在意識が自分の本当に望むものではないと止めてくれてるのだ。



僕からこれを読んでいるあなたにメッセージがある。

もう他者の為に生きる必要はない、うつ病であろうがうつ病でなかろうがあなたはあなた、自分の本当の欲求に従ってありのままのあなたで生きていい。

あなたは他者の目を気にする必要はなくありのままのあなたでいいのだ。


あなたの本当の欲求を否定する者は家族であろうが会社の上司であろうが間違っていると僕が反論させてもらう。





第1章 「うつ病」になりかけたサラリーマン時代



実は僕もサラリーマン時代に経験がある。

当時普通の企業でサラリーマンとして働いていた僕は休みの日は夕方まで寝ている事も多く、

倦怠感や自分の希望していない未来への絶望感から夕方になってから外に出掛けるのがやっとだった。


仕事では一定の成果をあげていたので大目に見られていたが、

風邪と言って休んでは一日中寝てるか車を走らせては一日を潰し、仕事へ行くのが物凄く憂うつと感じていた。



運良く僕は本社へ異動になってからここは自分の目指した未来ではないと明確に感じ仕事を辞めたのでそれから回復したが、

あのまま仕事を続けていたらほぼ間違いなくうつ病にかかっていたと思う。




何故うつ病という心の状態が起きるのだろうか?



それは「顕在意識」の「こうするべきだ」という表向き欲求とも言える「執求(しゅうきゅう)」と、

「潜在意識」の本当は「こうしたい」という「欲求」が乖離している事にある。


顕在意識と潜在意識を簡単に説明させて頂くなら、

「顕在意識」とは「お昼ご飯は何を食べようか?」と考える「意思」と呼ばれている普段自覚している意識の事で、

「潜在意識」とは「これが食べたい!」と行動に駆り立てる普段殆ど自覚する事はない感情を司る意識の事である。



もしあなたが「これが食べたい!」と思っているにも関わらず、

家族から「いや、これを食べるべきだ」と毎日自分の本当の「欲求」を否定され続けたら徐々に気持ちは塞ぎこみ沈んでいってしまうだろう。


うつ病はこんななま易しいものではないが原理としてはこの様に考えてもらい、これから詳しく説明させてもらえればと思う。




また、従来型うつ病には「生命の危機」「喪失」のケース、大きく分けて2つの型がある。

「喪失型うつ病」は離婚や死別、失業等、何かを失ってなるので比較的理解しやすい為、

本論文は昇進や結婚等、社会的に成功してもなる「生命の危機型うつ病」を中心に説明させて頂こうと思う。


「喪失型」の人にはしっくりこない表現もあるかもしれないが、

どちらにせよ共通しているのが自分本来の「欲求」ではなく「執求(しゅうきゅう)」に行動原理、生きる意味を見いだし依存してしまっている事にある。


「喪失型」に関しても後ほど詳しく説明させて頂こうと思うが、

うつ病を完全に理解するにあたり必要な内容を書いているので喪失型の人も順に読み進んでもらえれば幸いに思う。



そして執求(しゅうきゅう)というのは僕がつくらせてもらった言葉だが「執拗に求め続ける事」からきている。


簡単に言えばギャンブル依存症やインターネット依存症等も「執求」の状態なのだが人間には以下の3つの行動原理がある。


単純に自分がこうしたい、こうなりたいという「欲求」

こうなりたくない、このままじゃダメだ、こうしないと気がすまないという「執着」

自分はこうするべきなんだ、これが正しいんだという「執求(しゅうきゅう)」



上記の僕の例で言えば、両親から言われ続け「執求」になったものと自分自身の「欲求」は真逆のものだった。


両親は公務員で小さい頃から安定している仕事は良い、将来安定した仕事に就くべきだと僕に伝えてくれた。


だが、権力や安定と引き換えに「自由」を失い苦しんでいる父を小さい頃から間近で見てきた僕は、父の様になるのは凄く苦痛を伴う事だと感じ将来自由に生きたかった。


大企業であろうと公務員であろうと縛られる仕事は僕の望んだものではなかったのだ。

(結局、父自身も強くストレスを抱えていて、小学3年生ぐらいから父の家庭内暴力が始まり、母親の二度の家出、僕自身も学校での様々な問題を抱え、中学に上がる頃には両親は別居となり家族としては崩壊してしまった。)



跡取り等、自分の社会の役割を子供に受け継いで欲しいと思う親は多いかもしれないが、

血の繋がりは関係なくそれを本当に望んでいる人物が跡を継ぐべきであり、望んでいない人間がなっても良い影響をもたらす事はないのだ。



僕が普通に就職し喜んでいる両親の姿を見て「こうするべきなんだ」「これが正しい事なんだ」という執求(しゅうきゅう)と、

自分の「自由に生きたい」、「本当はこうしたい」という欲求が乖離していたのだ。



うつ病は「憂うつ」という行動抑止を伴う「負の感情」が幾度となく繰り返し出るような環境なら誰もがなりえる為、


例外的なケースも含めてなるべく多くのケースを説明させて頂こうと思うが、多くのうつ病の人は親からこうするべきという親自身も「執求」になってしまっているものを、


脳の神経細胞の一つ「ミラーニューロン」を活動させる事で模倣し、それと自分の本当の「欲求」が乖離しているところにある。



自分の本当はこうしたいという「欲求」と真逆の行動を取って本来の「欲求」を否定している訳だから徐々に精神が蝕まれていくのもある種当たり前だと言えるだろう。



(今回親と表現させてもらっているが正確には親だけに限らず、幼少期共に過ごす事の多かった祖父母や兄弟、

場合によっては先生等からも各々の幼少期の記憶がない時からの環境や強く心に残る出来事がある場合は影響を受けるが、

ここでは基本的な養育者である親と表現してその他の人も含める事で話を進めさせて頂こうと思う。)





第2章 心を蝕む「ミラーニューロン」



うつ病を紐解いていくにあたって脳にある一つの神経細胞の話をしなければならない。



それが前述した「ミラーニューロン」活動だ。



子供は親に似るがそれはミラーニューロン活動を通して親の生き方を模倣している為で、

ミラーニューロンとは簡単に言えば相手の行動を自分がしていると脳内で再現して学習するものである。



例えば朝、親に笑顔でおはようと挨拶されたとする。


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