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【最近は、こんな感じ】 離れても大丈夫。

上海で生活する女の子たちの日常って?
ファッション、メイク、食べもの、よく行くお店。あと、普段考えていること。悩んでいること。そして目標。
そんなあれこれを、同じ目線で聞いてみた。
@mie_shanghai

15 Olivia

<Profile>
Olivia
生まれ年:1991年
出身:浙江省温州市
職業:『OF時階』オーナー、会社員
小紅書 @oliviaiscool
Ins @_oliviaiscool

ブランドの運営に海外での仕事。
旦那さんとの出会いとその後。
普通の人が諦めちゃうことを、
Oliviaさんは軽やかに形にしている。
そんなふうに見えないけど、
多分ものすごい努力家。


――まずはお仕事について教えてください。
Olivia アロマディフューザーやキャンドルなどのライフスタイルブランド『OF時階』を経営しています。2年目です。私自身、もともとアロマグッズのヘビーユーザー。自分のブランドを立ち上げたのは、コロナで家にいたときに自分の好きな香りでディフューザーをつくってみたいと思ったのがきっかけです。商品は『昊美術館』のミュージアムショップや、桃江路の『hAo mArket』に置いています。

――制作やデザインにはどんなこだわりがありますか?
Olivia ブランドの名前が「時間の階段」という意味なのですが、過去と未来をつなげるような香り、過去の経歴や記憶を思い出すような香りをモチーフにしています。たとえば、この茶色の瓶のディフューザーは湿った木の香り。中国の南方の古民家の匂い。子供の頃住んでいた家を思い出すような香りです。

――おもしろいー。今度、お店に見に行きます。
Olivia でも私、来月から日本なんですよ。会社員として日本で働きます。日本の商品を中国に紹介する、ブランディングやマーケティングの仕事でオファーがあって。『OF時階』はこのまま続けます。

――え!?
Olivia 今、自由すぎる日々なのですが、多分すぐ慣れると思う。以前も日本のコンサル会社で働いていたことがあるのですが、典型的な日本の会社で、すごく忙しくてストレスフルな生活でした。でも今回はすぐ慣れると思う。あと、私、明日入籍するんです。

――え!? 
Olivia 彼は上海にいて、6月にビストロをオープンする予定。フレンチの料理人なんです。

“ちょっと悲しい、というくらい”

――いろいろ聞きたいことがありすぎです。彼氏は、どんな人ですか?
Olivia 話が長くなるかもしれない(笑)。

――全然いいですよ。
Olivia 高校時代の友達がパリに留学していて、遊びに行ったときにその友達の友達として会って、みんなで2日間くらい観光したりして遊びました。2014年でした。でも、連絡するほどの関係にはならなかった。その後、私がロンドンに留学したとき、フランスに遊びに行く機会があって、彼の存在を思い出して。連絡してみたら、「シェフとして働き始めてて、今はデンマークにいる」と。会えなかったし、その後「パリのお勧め店教えて」とSNSで聞いたんですが、返事もありませんでした。

――終了ですよね、普通はそこで。
Olivia はい(笑)。でもその後、パリにいた友達の結婚式があって、そこで偶然再会できたんです。それが2019年。で、今に至ります。

――彼は上海市内にビストロをオープンするんですよね。Oliviaさんが日本に行くことを反対しませんでしたか?
Olivia しなかったです。ちょっと悲しい、というくらい。もともとそういう予定だと伝えていたし、私が日本に行かなければ入籍もしなかったかもしれません。彼も日本のフレンチをリスペクトしていて、いつか行ってみたいと言っています。日本人のつくるフランス料理は、フランス人よりうまいと思う、って。

――いい関係ですね。お互い自立して好きなことができていて。
Olivia 私も将来的には、今のブランドをやりながら飲食に関わる仕事をしてみたいと思っています。日本の食材を中国に紹介したり。

――具体的に、今後どんな食材が中国で人気が出そうですか?
Olivia 日本酒かな。上海はナチュラルワインが流行っているので、同じように紹介すればトレンドになるかもしれません。あとは、日本製ではないのですが、『WAKAZE』という日本酒が最近話題です。日本人がフランスでつくってる日本酒なんですよ。

――知らなかった。『WAKAZE』、調べてみます。お酒はよく飲みますか?
Olivia ワインが好き。週1〜2回、ワイン好きの10人くらいのグループでいろいろな種類を飲んでいます。もともとまったく飲めなかったのですが、料理とのペアリングによっていろいろな味を楽しめたり、種類ごとにストーリーがあったり、複雑な世界なのだと知ってから興味を持つようになりました。でも、ワイン友達は日本酒の良さがわからない人が多いんですよね(笑)。

“住む場所は2か所ほしい”

――では、趣味とファッションについて。普段はどこで買い物をすることが多いですか?
Olivia 静安寺の『Reel』です。あとは友達のセレクトショップが多いですね。洋服は、今日着ているのは『sacai』。

――『Reel』のなかに『sacai』のショップ、ありますよね。では、普段どんな音楽を聴きますか?
Olivia L’Arc〜en〜Cielが好きです。

――めずらしい……。世代も違うと思いますが。
Olivia 中学生のときにラジオとテレビで知って、曲がすごく好きですぐCDを買いました。中国でも日本でもライブに行ったことがあります。でも、スタジアムのライブが多くて、音質はよくないなーと思った。あと、日本のライブ会場はお客さんがみんなけっこう年上だった(笑)。ほかは東京事変も好きです。

――この仕事場は、お友達の家をシェアして使っているとのこと。
Olivia はい。インテリアデザイナーの友達との共同のスタジオです。

――すごくいい物件。こういう家って、どうやって探すのでしょう。
Olivia ネットには上がってないです。大家さんは香港人のデザイナーで、借りるときに面接がありました。同じようにデザイン関連の仕事をしている人だから、きれいにセンス良く使ってくれそうと思ってもらえて決まった感じ。

テラスの外には桜の木が

――なるほど。ネット上や不動産屋にはこういう物件はないんですね。
Olivia ないです(笑)。

――でも、もうすぐ日本なんですね。
Olivia はい。まだどのくらいで帰るか決めていませんが、今後は東京と上海の二拠点で。去年のロックダウンがけっこう気分的に大変で、住む場所は2か所ほしいと思うようになりました。でも当時、それまで全然近所付き合いがなかったのですが、小区(住宅区域)のグループチャットで隣に日本人が住んでいることがわかった。いっしょに食材を取り寄せて、食事したりしていました。大変だったけど、今思い出すと楽しかったなと思います。
(取材日:2023年3月16日 撮影地:五原路〜湖南路)


<彼女のお勧め>

『Bar a Vin』(上海市徐匯区嘉善路87号)
☆パリや日本のビストロに雰囲気が似ている。

『園有桃』(上海市徐匯区新楽路167号)
☆湖南料理のビストロ。辛いのに、プレゼンは洋食。ワインも種類豊富。

『Alors』(上海市黄浦区田子坊エリア)
☆6月に彼がオープンする予定のビストロ。店名はフランス語で「あの」「そして」みたいな意味。


text
萩原晶子
フリーライター。上海にて2007年頃よりガイドブック、ファッション誌、機内誌、ウェブなどの記事を手がけている。
カルチャー誌『Ketchup.』(上海と東京で販売)など。
ins:@hagiwara_akiko_
微博:Akiko06

photo
阿部ちづる
2006年にフォトグラファーとして独立。ファッション誌、ビューティー誌、週刊誌、写真誌等のグラビア、ポートレート写真を撮影。アイドルグループやグラビアモデルからのアーティスト写真撮影で指名されることも多く、女の子の新鮮な表情を切り取る。
佐々木希『ささきき』(集英社)、武田玲奈『Rena』(集英社)ほか多数。
ins:@chizuru0821
https://lov-able.com/photographer/chizuru-abe



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