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イマココの思考や気持ちをビジュアライズする、"現在地マップ"って?

私の大切な大切なライフワークのひとつに、『現在地マップ』というものがある。

これは、共感的な対話をベースにしながら、相手の思考や感情をグラフィックを用いて整理していく、一枚のマップのこと。


コーチングとカウンセリングの間くらいのレイヤーをイメージしていて、厳密なhow toは決まっていないんだけど、わかりやすく言うと"グラフィックコーチング"とか、"グラフィックカウンセリング"とか表現できるのかもしれない。

▲実物はこんな感じになる


さて、そんな現在地マップをどうして始めたのかと、よく聞かれるのだけど、答えは"たまたま"だったりする。まずはそのきっかけから、書いてみようかな。



なんとなく書いた"現在地"という言葉から、現在地マップは始まった

2年前に遡る。当時、わたしは大学を卒業間際。内定先を蹴って、さらに教職を目指すこともやめて、『どうやって生きていこうかなあ』と漠然とした不安に包まれていた時。


ソウルメイト的存在の友達、茜ちゃんがシェアハウスに遊びに来て、何気なく対話が始まったのだけど、それを残しておこうと思い、話の内容を描いた。

▲茜ちゃんと一昨年稲刈りをした写真

▲その時に書いた現在地(右は本人が書いた絵)


そして、その時はその"現在地"という言葉について、深く考えていなかったのだけど、またある時に、つよしという友達がやってきた。



つよしの話を聞いて、またもやノートにビジュアライズしてみると(今見るとめちゃくちゃ恥ずかしいけど)、つよしが、『これでお金もらってやってみたら?』と声をかけてくれたのを覚えてる。

▲つよしの現在地を書いてみた

そして、『え〜お金なんてもらっていいのかなあ』とか、『ていうかこれにどれだけの価値があるのだろう、、』と悩みながら相談をしたりしていたんだけど、


当時、ギフトエコノミーという概念に惹かれていたので(今もね)、『自分のやっていることに値段をつけるんじゃなくて、心からお支払いしたいだけ頂こう』と決め、時間料2000円+ドネーション制で始めることにした。

ちなみにその最初の費用の理念がこんな感じ。(費用の理念はその後も何回かアップデートしている)


そして、つよしの次にやってきてくれたのが、堀口さん。

▲堀口さんの現在地マップ


当時、模造紙を切ったようなペラペラの紙に書いていた私に、堀口さんは『これは価値があることだから、ちゃんとやった方がいいよ!』と背中を押してくれて、終わった後に100枚の画用紙と、画用紙を入れるための筒を送ってくれちゃうくらい優しい人。


金額にも、全く自信がなかったわたしに(当時は2000円でも高いんじゃないか、とか不安だった)、2万円を出してくれて、それを受け取る時に震えたのを覚えている。

▲堀口さんからのお金を入れていた封筒


本当にその時のわたしがつくったものに、2万円の価値があったのかはわからない。けど、確実にここで応援してくれたから、少し自信がついて、これから頑張ろうって思えたのは確か。堀口さん、本当にありがとう。


そんな感じで、たまたま書いた"現在地"という言葉がきっかけで始まった『現在地マップ』だけども、今では150人以上の人がうちに訪ねて来てくれた。また、中には2回目3回目の人も出始めて、大切な自分の一部になっている。


いろんな人が、いろんなきっかけと思いを持って来てくれるんだけど、今日はその一部をご紹介。


ひとつの"ターニングポイント"としての、現在地マップ

今でもいすみ市で仲良しご近所さんのななちゃんは、『地域起こし協力隊に応募するために自分のやりたいことを明確にしたい!』という理由でやってきてくれた。

ちなみにその後ななちゃんは、無事に地域起こし協力隊に合格し、今はいすみ市で"いすみえんげきプロジェクト"という自主プロジェクトを立ち上げて活躍している。



こんなこともあった。仲良くさせてもらっている、"ゆみみ"さんこと、小森優美さんは草木染めのエシカルファッションブランド『Liv:ra(リブラ)』のデザイナーで、きてくれた当時、下北沢にお店を持っていた。

▲ゆみみさん(着ているのはリブラのTシャツ)


お店のこれからについて、現在地マップで最初は話していたんだけど、終わる頃には『お店を手放そうかな』となり、結果今は、一般社団法人TSUNAGUを立ち上げて、より根本的にエシカルファッションのシステム全体を変革しようと大きなチャレンジをしていたりする。

▲TSUNAGUのメンバーのひとたち



そんな風に大きなターニングポイントになることが目的で『現在地マップ』をやっているわけではないのだけど、それでもやっぱり、振り返った時に『あの時のマップを描いてから流れが変わったんだ』なんて言われると、飛び上がるほど嬉しいのも事実。


また、2回目3回目に来てくれるのは、数ヶ月前・1年前との変化が分かって、すごく楽しい。

▲2回目のマップをやってくれたようこ


『去年はこんなことに悩んでたんだよね〜』とか、『今年はこんな感じでやっていこうかな』とか、その人にとって大切な節目節目に、マップを残してくれているのはとても嬉しいし、その時々の"イマ"が残ることに、私自身も価値を感じている。


日記よりもパッと見返せて、写真よりも情報が多い。この絶妙なバランスが好き。そして、なんといっても、その人自身が立ち止まって今を残すために時間を使うということそのものが、とてつもなく大きな自己投資なんじゃないかなって思う。

▲大工の忍田さんも来てくれた


だから、どんなイマが立ち現れたとしても、それを否定も肯定もしない。ただ、共感的に受け取るだけ。それは、今はただの点でしかなくて、線になった時にそこに勝手に意味が生まれると信じているから。




共感的に受け取るってどういうこと?

ちなみに、先述した、"共感的に受け取る対話"というのは、数年間学びたい実践し続けている、NVC(non violent communication)をベースにしている。

▲NVC のyouth合宿も今年は開いた


自分の感情や、大切にしていること(ニーズ)を問いかけてもわからなかったりするけれど、そんな人には感情カードやニーズカードを使って、現在地マップの時に使うことも多い。

カードを使うことによって、"選ぶ"というシンプルな行為で自分の感情などに気が付けるから、気に入っている。

▲自主制作・販売している感情カード

▲こちらはニーズ(大切にしているもの)カード


否定・評価・アドバイスされてしまうかもしれない、と思った時に、人は心を閉ざしてしまいやすい。(求めていれば別ね)けど、『ただただ受け取ってもらえるんだな』と感じ取った時、人は安心して心を開いてくれる。


特に、3時間も対話していると、物凄いセンシティブな話や、深いトラウマや痛みが出てくることも珍しくない。そんな痛みを『あってもいいんだよ』って、受容することなくなかなか前に進むための対話をすることは難しいなあと感じるから。



一般的な"傾聴"とNVC(共感)が少し違うなあと感じるのは、『うんうん』ってただ傾聴するだけではなく、NVCでは、『この人はどんな気持ちで、どんなことを大切にしているのかなあ?』というメガネで相手と向き合うので、より深く相手の深いところに寄り添うようなイメージがある。

そんなNVCのテクノロジーも、現在地マップをつくる上でとっても役に立ってくれている。

▲NVCのバイブル的な本はこちら



現在地マップ交流会もやってみた

そして、今年は2回ほど現在地マップ交流会というのも企画してみた。これは、これまでに現在地マップを描きに来てくれた人同士が、myマップを持って集うという交流会。もちろん、無料でご招待している。

▲第一回現在地マップ交流会のようす


ふつうの交流会であれば、名刺交換して、会社の肩書きから入り、Doing(やっていること)中心に繋がることが多いけど、現在地マップ交流会では、自分の深いところの価値観などが可視化されているため、見せるだけでBeing(在りたい姿)がパッと伝わる。それによって、より深いところで繋がれることもあるかなあと思い、実験的にやっていた。

▲第二回目の交流会のようす


(忙しくなっちゃって、最近できてなかったけど、またやってみたいなあと書きながら思ったのでまた企画してみるね)


最近取り組んでいるのは、各々が"現在地を描く"習慣を取り入れること

そんなわけで、ひとりでせっせと現在地マップという何やら変わった名前のマップを描き続けてきた2年間だったけど、最近は『ひとりひとりが、こうやって現在地を描けたら素敵だろうなあ』という思いもあって、そんなワークショップなども開くようになった。

▲現在地と未来を描くワークショップ


自分で自分のを描くのはまずは難しいので、ペアで対話しながら目の前の人の現在地を可視化していく。そのために、グラフィックレコーディングの練習や、共感的に受け取る練習をして、最後に実践という流れ。

やってみると気がつくけど、コツさえ掴めば思っているほど難しくなかったりする。なので、こうやって、思考や感情を見える化する習慣がつくといいなあと希望を持っている。




"描く"という行為で具現化が速くなる

では、なぜわたしはこんなにも描くこと・残すことを大切にしているのか。そこには理由がある。


例えば、ひとの意識において、顕在的な意識は3%で残りの97%は認知できていない潜在的な意識だという研究があると思うのだけど、


それと同じで、そもそもわたしの前提としては目に見える世界だけでなく、その奥にある、目に見えない世界の存在を信じている。


そんな前提の上で、色々と本を読んだり、人に話を聞いたり、自分が体験していく中で、はっきりとわかったのが、意識は物質化するというシンプルな事実。そして、言葉とイメージの力は、その具現化を加速させるということ。

▲2017年のビジョンと2017年の振り返り


実際、細かい道筋は違えど、未来を描くようになってから実現するスピードと確率が確実に上がった。これは、頭の中で想像したイマジネーションを、 実際に外の世界で創造するプロセス(クリエーション)に落とし込むのを大きく助けると思ってる。


なぜなら、見える化することによって、何度も目にすることになり、それを意識する力が働く。言葉も同じで、"言霊"と呼ばれるくらい、言葉そのものに力をもつものだと思うけど、その言葉とイメージのどちらもを入れ込んだのが現在地マップだから。

▲さやちゃんの3回目の現在地マップ


▲みづきちゃんの現在地マップ


この際、現在地マップじゃなくてもいいし、現在地マップという言葉じゃなくていいんだけど、とにかくビジュアライズして今や未来を描くことは、その時にすっきりした!以上に、見えないところで大きな力を持つと信じているんだよね。


でも、あくまでもその時その瞬間のビジョンに過ぎないということも忘れない、ということも大事にしている。なぜならビジョンって変わるから。過去の自分が描いた古いビジョンにとらわれるのではなく、いつだってアップデートできる余白も大切だと思うから。だから、どんどん変化していったらいいなと思う。


そんなわけで、2019年も、引き続き現在地マップ描きます

そんなわけで。最近別のお仕事でバタバタとしていて、現在地マップを描ける日程が減り、『どりちゃん、まだ現在地マップ描いてる、、、?』みたいな質問を受けることがあるのですが、今年も引き続き描きます!

ただし、今までみたいに、月に10人とかやるのは難しいので、月に5人くらいを描かせてもらえたらなあというゆったり感で続けていきたいなあと思っている。(いすみ市にいる間にもできるように、オンラインの回数も、もっと増やしたいなあ)

プランも色々追加していて、家族・パートナーむけの2人で行う現在地マップや、ギフトでだれか大切な人に現在地マップを受ける券をプレゼントしたり、誕生日に描くマップがあったりと、前と少し変わっているのでよかったら公式サイトを見て欲しいなあ。

現在地マップ尽くしのマニアックなブログだったけど、ここまで読んでくれたひとありがとう。そして、これまで来てくれたみんなありがとう!(一応写真okと言ってくれた人の写真を使っているつもりだけど、問題があったら教えてね!)


これを読んでくれただれかと。またぜひ、どこかでお会いできますように。

▲最近描いたお気に入りは岡部ちゃんのマップ




プロフィール

書き手 : 畑中みどり

"Life is Art”をテーマに、「いまここ」の表現を大切に紡ぐ、即興シンガー兼グラフィックファシリテーター。出会った人の思いを即興で歌にしたり、目の前の人の現在地を描く「現在地マップづくり」を主なライフワークとする。また、平和的で地球と共生した、ホリスティックな社会を目指して、若者向けの場づくりなどにも取り組む。26歳だが、身長152cmの童顔で、中学生に間違われるのが最近の悩み(笑)



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