見出し画像

マンガ家アシスタントのおしごと!-序章- (「薔薇はシュラバで生まれる-70年代少女漫画アシスタント奮闘記-(笹生那実・著)」読了に寄せて)

お久しぶりです、くおんみどりです。noteサボってました(テヘっ)。

今回は書評…は大げさかな?感想文みたいな感じです。この本のリリースが告知された時から、気になっていた作品でした。先日届いたので、さっそく読ませていただきました。まず、前もって言っときます。

「面白かったです!」はい。

漫画家の自伝・評伝(文章、コミックエッセイなど含む)は結構沢山ありますが、アシスタント目線でかつ、この情報量(全184ページ)…という点では、現段階ではコレ以上の著作というか「歴史証言」…ないのでは?という感じの良書。
(漫画家)当人って、その時その時のコト、結構覚えてないことも多いと思うし、こういう時重要なのは、周辺の第三者証言なんですよね(あとね、本人は無自覚に自制したり、逆に盛ったりもしますし(笑))。漫画家当人の証言だけに頼らない情報を、幅広いフィールドから歴史を後に残す、というそういう意味でも、この作品は意味ある良い企画だなと思いました。

ただ感想述べるだけでは面白くないので

今回、この本について書こうと思ったのは、私もせっかくアシスタント業を経験した漫画家やってんだから、その辺の思い出話も絡めて、久々のnoteエントリー書いちゃおうか!いい機会だ!という、業界の先輩のこの素晴らしい企画に堂々乗っかり気味のノリです。だいぶ虫のいい話ですね(自分、恐ろしい子!)。

もともと、このnoteで自分が世話になったアシスタント先での思い出話でも書こうか…という企画を少し前から練っていたのもあり、そのとっかかり・予告編的な意味でもあったりします…(ホント無礼でスミマセン先輩(;´Д`))。

今回のエントリー、各内容(アシあるある解説や思い出話)がメインになると思うので、思いの外長くなりそうな予感がします。ですので、まずは序章として、そこ以外の感想をこのエントリーには書いておこうと思います。

あと、このエントリーシリーズでは作中のコマの引用もすると思います。引用のガイドラインに沿って、キチンとやるつもりではありますが、著者様、出版社様におかれましては、支障等ありました場合には、ご連絡いただければ削除作業をいたしますので、気軽に怒鳴り込んでください。(言い方)

1)イタコ能力、スゴい(笑)

ナニソレ?と思われる方も多いと思いますが、アレです。ほら既に今の漫画界には、アノ御方がいるじゃないですか。ソレ的なことです。あの神のイタコをして、その神の娘さんにいつも叱られてる、アノ御仁的なコトですよw

この本には美内すずえさん、木原敏江さん、くらもちふさこさん、樹村みのりさん、三原順さん、山岸凉子さんら、そうそうたる天界の住人たちが登場しますが、その方々の顔の描写がその方の絵柄そのものなのです。書き文字とかバックエフェクト(背景等効果)もおおむねソレw!笹生さん器用だなぁ…。
私が個人的に一番「ソレソレ!」と思ったのは、樹村みのりさんの「風線(勝手に命名)」。コマの中で風(人物の心情感情等を表す)の流れを、単純なペンのフリーハンド描線だけで描いたものなのですが、あの効果はかなり独特で、あのエフェクトは他の方の作品ではあまり記憶にありません(いや、あったのかもしれないけど、記憶に残ってないだけかな…)。

というわけで、作中でも注釈なく「この人はあの人」と登場人物の判断がつきます。親切!(笑)。(まぁ、その方の作品を知らなければ効果ないんですが…)

2)笹生那実さん自体、スゴい

作中では自信の画力を拙く思っていることが描写されていますが、いやいやどうして。笹生さんもすごい御方なのです。
実は自分、かなり昔(学生時代)に笹生さんの絵(同人誌)を見る機会がありまして…いや、リアルタイムに購入したものではなく、発行からかなり時間が経った後に(どういう経路か忘れましたが)その本が私の手元に来たのです。

画像1

画像2

夢野一子さん、浅川まゆみさんは今作中にも登場なさっていますね。全員ホント達者な方ばかりですが、笹生さんの青年誌風の絵、魅力的でした。ちなみに、この同人誌の表紙絵も笹生さんです(笑)。

いきなり鷲掴まれるハート…

文字数がもう二千文字近くなりましたので、今回はこの辺にしておこうと思います。では最後に、この本の序章でいきなり私の心(心臓)を鷲掴みした3コマを紹介して、次回へのつなぎとさせていただきます。

Screenshot_2020-03-27 薔薇はシュラバで生まれる―70年代少女漫画アシスタント奮闘記― (EAST PRESS COMICS) 笹生 那実 本 通販 Amazon

このページだけ、ミラーコート紙を使用したのかな?と思いました。いきなり鏡を見せられた感じ(笑)。実は、私の漫画家アシスタントとしてのステータスがコレでした。
ちょっと複雑なものをフラれると「いや、あの…無理ですソレ(;´Д`)」と、もにょっとなってしまう。「周りのアシさんは大都市でも爆発でも何でも描けちゃうのに…なのに自分は……ぅゎーん!!」といたたまれなくなるのです。この場面、私、何度経験したことか…。コレ見た時、いきなり心臓発作起こすかと思いました。(ちなみに私は今でも絵は下手です)

もうココで、ガッツリとココロ掴まれてるんですよねぇ。先へ進むのが怖くなりました(笑)。ではまた次回に…

【次回へ続く】


気に入っていただけたらサポート(投げ銭)をお願いします。明日への活力を!