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チェンバロ奏者の日記です。音楽のこと、美味しいもののこと、素敵な人のこと。日々のぶつぶつを書こうかな?
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#チェンバロ

エタ・ハーリッヒ=シュナイダー

エタ・ハーリッヒ=シュナイダー

毎年、終戦記念日のこの日、思い返すのが、エタ・ハーリッヒ=シュナイダー女史のことです。戦中戦後に日本に滞在中だった音楽家です。ドイツのチェンバロ奏者です。
私の恩師 山田貢先生はウィーンで一時エタ・ハーリッヒ=シュナイダーに師事しています。先生はその後イゾルデ・アールグリムに師事しました。

私は2018年にエタ・ハーリッヒ=シュナイダーの研究をしていた新潟大学の研究者と一緒に勉強会をしていました

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Dulcken一族のこと

Dulcken一族のこと

一族は1706年生まれのダニエル(1706〜1757)から始まったようです。
1750年に製作した2台のチェンバロをイギリスへ持って行っています。
彼の製作した多くの楽器は5オクターブで(8 フィート ×2と 4 フィート×1)を備えたシングルおよびダブルマニュアルのチェンバロです。彼のチェンバロは約10台が現存しています。

ダニエル死後、2人の息子、長男 ヨハン・ロデウェイク・デュルケン(17

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Neupert Harpsichord Bach

Neupert Harpsichord Bach

楽器の名称は正確にはこうです。

私の使用しているモダンチェンバロはノイペルト社のNeupert Harpsichord Bachです。

ノイペルトの歴史を調べてみました。JC ノイペルト(Johann Christoph Neupert 1842〜1921)が大工の見習い、ピアノ製作を学び、ドイツ国内外のピアノ製造会社で働き、1868 年にミュンヒベルクに自分のピアノ工場を設立しました。
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Histories d′une Marionnette チェンバロ再発見 No.2

Histories d′une Marionnette チェンバロ再発見 No.2

ノイペルト・バッハモデルで録音してみました。139年前のその当時のチェンバロ現代曲です。

Histories d′une Marionnette Op.145
5movements
1. Dormez mignonne
2. Chasse aux papillons
3. Les petits pantins
4. La lecon de clavecin : gavotte
5. Le

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第3回 オルガン研究会 延期のお知らせ

第3回 オルガン研究会 延期のお知らせ

インフルエンザ罹患者続出で延期をすることになりました。
日時が決まりましたら、お知らせいたします。
思った以上に強力なインフルエンザのようです。

チェンバロを通してバロックやルネッサンスの音楽を学んできましたが、2018年よりオルガンを導入。バロック音楽をより広く学ぼうという教室です。バッハをチェンバロからオルガンから弾いてみよう!

毎回テーマを決めて作品を個人個人探し、調べ、演奏します。

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ムーラン・ルージュとチェンバロ

ムーラン・ルージュとチェンバロ

1889年と言えばパリ万博。もう頭から離れない年です。チェンバロ復活にとって記念すべきイベントのあった年です。そう、ルイ・デイエメがパリ万博でチェンバロ連続演奏会をした年です。という流れでずっと気になっている年ですが、またもや見つけました。モンマルトルに1889年に開業したのが、「ムーラン・ルージュ」です。赤い風車。
パリ万博の観光客を見込んで作ったパリ最大の歓楽街にあります。
肉屋のジドレールと

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フローベルガーの10の組曲

フローベルガーの10の組曲

Johann jabob Frobeger(1616 ~1667)の10の組曲集の巻末の可愛い絵に惹かれて調べてみました。覚書きです。
楽譜はAmsterdamのEstienne Roger.n.dから出版されました。
作曲年、出版年ともに不明。
マニュスクリプト。
アムステルダムの音楽出版社 Estienne Roger.n.dという会社は当時Walsh, Tellemann, Boivinとい

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パソコン苦手なのかなぁ−?

パソコン苦手なのかなぁ−?

何かの登録をする時、1回で通ることはまずないのです。最近は著作権協会の申請書。ネットで出来るのでとても便利になったんですが、ログインでまずつまずき、やっと登録出来たら、次のメールですでに登録済みだったことがわかり、そんな気はしてたんですが。
はぁー、しかたない。再登録をお願いし、ここでまたつまずき。
その後も曲目で作曲者でつまずき。やっと申請できました。
便利なんだけどね。

さて、今週金曜日がコ

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モダンチェンバロの事も考えないと。

モダンチェンバロの事も考えないと。

今日はモダンチェンバロのレッスン。
レッスンが来る前にコンサートの曲をモダンで練習してたら、モダンで音を作りたくなって。ダメダメ、コンサートは来週です。今はヒストリカルで音楽を考えましょう。

モダンの面白さはまた別の機会に。

同じプログラムでモダンとヒストリカルの比較もしてみたい。この2つは楽器の特性、可能性が大きく違うのでおもしろいと思います。

次なる課題

次なる課題

次に挑戦する課題がアメリカから舞い込んできました。
再来週まで封印します。
また違う風景に出逢います。
今は未だ知らない人、そのうち私自身に成って行きます。

ワクワクしながら、来週に向けて全力です。

最近のこと。

最近のこと。

6月のコンサートではヒストリカルを使用するので、最近はもっぱらこの部屋で練習しています。
チェンバロは8フィート、8フィート、4フィート、リュートストップを持っています。モダンチェンバロはそれに+して16フィート、16フィートリュートストップそれに足で操作するためにペダルが5本から7本付いています。
たいして変わらないではないかと思いますが、これにペダルがあるだけでモダンチェンバロでは格段に音の可

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手紙の整理をしています。

手紙の整理をしています。

6月のコンサートに向け、資料整理をしています。

たくさんの手紙と資料。
かれこれ30年ほど前の物もあります。
手書きのお手紙、タイプライター、FAX。
FAXは消えてしまいそうなのでコピーを取っておきましたが、それでも怪しい。大急ぎでスキャンして保存です。
しかし、昔は手紙の往復で10日ほどもかかる時代。手描きのお手紙は辞書を片手に何が書いてあるのか必死です。やっと御用が見えて、それから手書きで

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発表会後記

発表会後記

オルガン&チェンバロの教室発表会から間が空いてしまいました。今回も皆さん力の入ったプログラムで1500年代から18世紀後半までと幅広くイタリアを勉強しました。バロックの作曲家達はみんなオルガニストであり、チェンバロ奏者で教師でした。作品数もオルガンの方が多いのではないでしょうか?チェンバロだけのレッスンの頃は残念ながらオルガン曲に触れることも無くチェンバロ曲だけで満足していました。ところが、1段鍵

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研究発表会「イタリア」

研究発表会「イタリア」

明日は教室の研究発表会です。
今回のテーマは「イタリア」。
皆さんそれぞれ調べて演奏します。大人ばかりでしかもベテランばかりなので弾きたい曲、知りたい事がたくさんあって、それぞれの視点で探してきます。
17、18世紀を中心にオルガンとチェンバロを使って曲に絡めて時代を語ります。

最近はオルガンでの発表の比率が高いですが、明日はチェンバロでスカルラッティも登場します。
今回もなかなかの充実ぶりで、

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