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『老子』現代語訳。解説などは拙著(ちくま新書)を見てください

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『老子』は、神話時代、文明化の時代、さらに徳川時代まで、日本の文化・思想に深い影響をあたえました。とくに神道の思想は相当部分が『老子』によっていました。東アジアにおける国家の思想… もっと読む
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『老子』、現代語訳・原文・読み下し(全)

『現代語訳 老子』(ちくま新書)の現代語訳・原文・読み下しの部分のみを載せています。いう…

『老子』と親鸞と伊勢神道

 伊勢神道の教義の最大の特徴は、高橋美由紀によって詳細に明らかにされているように(高橋『…

「ヨブ記的神義論に相当するような物語は、日本神話や日本文学、また仏教のなかにある…

 二〇一八年に書いたもの。 ある人から、「ヨブ記的神義論に相当するような物語は、日本神話…

『現代語訳 老子』(ちくま新書)――「はじめに」

 『老子』は、まずは「王と士の書」として読むべきものであろう。正しい王の登場はどのように…

老子と『老子』について

老子は実在したか、『老子』は老子の書いたものか  老子は、中国の春秋時代、孔子(前五五二…

平和で柔軟な外交で王を補佐する(第三〇章)

平和で柔軟な外交で王を補佐する(第三〇章)  道理にもとづいて、君主を補佐するものは、武…

『老子』 有(あ)り余(あま)りて有(あ)るを、取りて以て天に奉ぜん(七七章)

天の道は弓を張るように動く。高く逆反っている弓束(ゆづか)を押し、両弭(はず)を上げる。有り余るものを減らし足らないものに補う。天の道は有り余るものを削って不足のところに補うのである。人の道は往々にして逆で、不足の者から削って余り有る者に奉らせる。有り余って有るものを取り上げて天下公共のものにするために、誰が動くか。それは有道の士だ。有道の士は行動する。しかし、手柄顔をせず、功をあげてもその地位に居座らない。賢明を顕すことはしない。 天之道、其猶張弓也(1)。高者抑之、下者

希(とお)くの声をしるべにして道を行く(『老子』二三章)

希(とお)くの声をしるべにして道を行く(二三章)  世界には、どこか遠くからの声がずっと響…

70講 女が男を知り、男が女を守り、子供が生まれる(第二八章)

70講 女が男を知り、男が女を守り、子供が生まれる(第二八章)  女が男を知り、男が女を守…

私が『老子』を読む理由――神道と東アジアなど

  『老子』の原文・読み下し・現代語訳をこのブログで公開することにしました。基本は『現代…

中国の疫病と『老子』ーー日本の疫病観念との深い関係

 中国のコロナ・ウィルスの流行が、万が一にも「排外主義」の流行をもたらさないようにするた…

ル・グインの短編集『風の十二方位』

2013年9月11日 (水)  『物語の中世』という20年ほど前にだした本が、講談社の学術文庫で1…

ゲド戦記の翻訳と「燃える木」

2012年4月28日 (土)  "A Wizard of Earth Sea"、アーシュラ・K・ル・グィンのアースシー…

『ゲド戦記』の翻訳(2)

       清水さんの翻訳、ここはどうか 2011年3月 3日 (木)  アーシュラ・K・ル・グィンの”Earthsea”シリーズ、『ゲド戦記』全5巻の最終巻「The Other Wind」を、このごろベッドでよく読む。  『ゲド戦記』は子供たちが好きであったので、私も読んだ。もう15年ほど前になるのだろうか、『ゲド戦記・最後の書』とされた『テハヌー』がでて、それで終わりと、私も思っていた。  ところが、その後、7・8年で、『Dragonfly』という新しい中編がでて、