見出し画像

☆本#189 母親の違う3姉妹の恋「輪唱」原田康子著を読んで

北海道釧路が舞台。母親が違う3姉妹の話で、本人たちはそれを知らない。長女は身体が弱く家事手伝い、次女は通信社に勤め、3女は東大を目指し浪人中。それぞれの恋の話だけど、長女が少々複雑。

父親が長女の縁談を見つけてくるところ(母親が病気で亡くなっているため)や、女性の立場とか考え方とか所々昭和的。でも、母親が違うという点の設定が新しい。父親が違う子どもなら、ジェーン・バーキンや、ほかにも結構いると思うけど、母親が違うってのは聞かないし、本人たちがそれを知らないってのもあまりないような気がする。

次女は、最初の妻が病気入院中に夫が浮気してできた子供。産んだ女性は自分が病気の妻の代わりと知ったので出産後子どもを預けて去る。その後、彼女は結婚し出産するも病気で亡くなる。残された夫は妻から聞いていた子どもに会えるかと思い、偶然知り合った長女に声に接触する。彼は小児科医で、長女が肺炎になりかけた時たまたま病院の当直で知り合った。
彼は妻を愛していたのに、長女に心が移る。妻との間の子どもの世話を冬休み期間だけ長女に頼んだことで、長女の父親に気付かれる。それで別れようとするも、いろいろあって、踏みとどまる。
けれど、長女が過去の話を知り、父親のほうを気遣う。

次女は、姉の見合い相手と恋に落ち、婚約する。自分の母親のことは最後まで知らないまま終わる。
3女は、同級生の勉強のライバル男子が長女を好きなことを知りショックを受ける。けれど、このやり場のない気持ちを解消しないと受験に差し障ると思い、身近にいた次女の婚約者に気持ちをぶつける。そのことで、新たな恋が生まれるも、受験には合格し、東京へ行く。その前に、母親が違うことに気付く。

色々と複雑なものはあるけど、ひとまず血のつながり問題はない。
最近、2時間ドラマって減った気がするけど、読後感が近い感じ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?