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☆本#147 「アメリカにいる、きみ」チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ著を読んで

ナイジェリア出身作家の短編集。
表題は読んだことがあるけど、ほかの短編も賞を獲ったり、評価が高かったの興味があって読んでみた。

この中に出てくるナイジェリアは、紛争があってシビアな状況も描かれていてるけど、未だにナイジェリアは渡航するにはキケンな国だった。夜になると、ヒトだけじゃなく動物も襲ってくるかもしれないらしい。場所によるとは思うけど。
ちなみに、ナイジェリアの国土は日本の2.5倍で、人口は日本の2倍以上。公用語が英語らしく、著者がイベントで流ちょうな英語だったのが納得。

訳者の解説によると、アメリカに留学時、現地で診療所を開業していた姉のところに居た頃短編を書き綴っていたらしい。
で、大学院でクリエイティブ・ライティングのクラスを取り、執筆に磨きをかけたようだ。
ちょっと興味深いのが、ナイジェリア大学で医学や薬学を学び、アメリカに来てから大学でコミュニケーションや政治学、さらに大学院でクリエイティブ・ライティング、その後アフリカ学でも修士をとったらしいこと。興味の幅が広い。

短編はどれも紛争、暴行、子どもの死等なんらかの問題に直面していて考えさせられるけど、アフリカ人視点が新しい。この本のセレクションは、著者も参加しているそうだ。
訳者は、アフリカの作家の本を主に訳している。

アメリカの黒人は差別に苦しんでいるけれど、アフリカの黒人は紛争等で苦しんでいて問題点がとても違う。そういうのも興味深い。

アフリカというと、地図上でスペインに一番近いモロッコには行ったことがあるけど、この地の人は肌の色がそれほど濃くなく、ベルベル人はむしろ中東のひとっぽかったし、街ゆく人もヨーロッパ人の肌色と大差なかった気がする。中には黒い人もいたはずだけど、あまり印象に残ってない。アジア人といっても、国で違いがあるのといっしょだ。

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