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ジャンルにこだわらず読んだ本あれこれ。
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2021年4月の記事一覧

☆本#183  不思議とホラーの狭間「化物蝋燭」木内昇著を読んで

時代小説。短編7つ。 ちょっとホラーというかドッキリする話。 印象的なのは、「お柄杓」「…

☆本#182 殺人は未解決「沈黙博物館」小川洋子著を読んで

博物館技師の男性の長編。 いつものように独特の世界。そこは形見を扱う博物館で、主人公は仕…

☆本#181 20代でベストセラー映画化「原田康子 『挽歌』から『海霧』まで」(財)…

3年ほど前に「挽歌」を読んで気に入り、ほかの作品も読んできたけど、著者にも興味があったの…

☆本#180 試練と幸福「櫛挽道守 くしひきちもり」木内登著を読んで

この著者2作品目。時代小説家だった。 この長編は、方言が強いのでそこが読むとき少々ネックだ…

☆本#179 区別と差別「男尊女子」酒井順子著を読んで

バブル世代の著者の20代以降の男尊と、当時の女性の総合職・一般職時代の話等の女子の話。 著…

☆本#178 「占 うら」木内昇著を読んで

短編7作品。大正時代後期が舞台。 全て女性が主人公で、占いが出てくる。占う人と占いに行く人…

☆本#176,177 「寡黙な死骸 みだらな弔い」「凍りついた香り」小川洋子著を読んで

前者は短編で、登場人物がそれぞれ微妙に繋がってたりする。後者は長編。 子供が亡くなり、壊れた妻。離婚後の不思議な話。この夫が後の短編で出てくる。 どれも、死や弔いについて。どれも不思議な独特の世界で、不条理。 後者は、ある日調香師になろうとしていた30歳の恋人が死ぬ。自殺のようだ。恋人は理由を探し、海外にまで行き、意外な過去を知る。恋人は彼女に話していないことがたくさんあったことを、彼の弟の登場で知る。 が、なぜ自殺したのか明確な理由は提示されてない。ある事件の真実に

☆本#175 自ら由る「103歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い」篠田桃紅著を…

先月107歳で亡くなった美術家のエッセイを読んでみた。あと27日生きていたら108歳だった。 そ…

☆本#174 「素敵な日本人」東野圭吾著

短編9話。 どれも一捻りあって、伏線もちゃんと回収されていて、ポジティブなエンディングも…

☆本#173 「待ち遠しい」柴崎友香著を読んで

以前書評で知って読もうと思っていた作品をついに読んだ。 主人公は39歳の独身女性の春子で、…

☆本#172 時には熟考を。「人質の朗読会」小川洋子著を読んで

ツアー参加で外国旅行中だった日本人が反政府の人質となり、全員死亡する。 人質たちは、数ヶ…

☆本#170,171 儚く散る 「海」「ことり」小川洋子著を読んで

海は短編集、ことりは長編。 前者の表題「海」は、結婚の挨拶で女性の実家へ行った男性が、…

☆本#169 不思議な動物「ブラフマンの埋葬」小川洋子著を読んで

著者は、海外にゲストとして招待された際、現地でこの話を思いついたらしい。 不思議な小動物…

☆本#168 「シュガータイム」小川洋子著を読んで

女子大生が主人公の長編。 主人公は母親が亡くなった後で引き取られ、新しい母親と弟ができる。弟はその後難病と分かり、身長が子どものまま止まる。高校を卒業すると神学の修行を始める。 主人公には大学院の彼氏がいる。けど、彼の事情でプラトニックな関係。それを心配した彼の友人から心療内科を勧められ、彼は断れず行く。ある日彼女も連れてくるよう言われてふたりでいくも的外れな感じで行くのをやめた。と思っていたら最後の方で違う展開が待っていた。 ストーリー開始時に主人公が過食症であること