☆本#178 「占 うら」木内昇著を読んで
短編7作品。大正時代後期が舞台。
全て女性が主人公で、占いが出てくる。占う人と占いに行く人と。
著者は、やはり女性だった。女性の描写が女性作家的。名は「のぼり」という。一見すると男性名っぽい。
占う人はその占いの技術があるわけじゃなく、冷静な観察からだったり、占いに行く人の心理も恋愛理由だったら、共感できるところもあって面白かった。死んだ子供のはちょっと怖かったけど。
人の愚痴や不平不満を消してくれる職業の人がいて、こういうサービスあれば便利。不満等で頭の中が占めらて考えすぎるのって、確かに時間の無駄だ。
優秀な女性が会社で妬まれたとき、嫌味で「嫁の貰い手がない」と仕事のできない年上の男性に言われるも、嘘だけど「結婚」理由で退職を決めると、嫌味を言われなくなったというのはなるほど〜。現在だったら男性のこの発言は「セクハラ」だ。
大正時代から100年弱たっても、男女平等はまだまだだなと改めて思う。
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