マガジンのカバー画像

書くこと、伝えること

21
書くことや作ることにまつわるひとりごとを呟いています。
運営しているクリエイター

記事一覧

今しか書けない文章がつなぐ未来

あの日、あの時しか書けない文章があると思っている。同じ出来事でも、当日に書くのと一ヶ月後…

Mica
1年前
146

言葉や文章のボタン

書いても書いても、これは真ん中じゃない。そう思うときがある。一瞬ではなく、割と長い期間。…

Mica
2年前
41

「書く」は、エキストラバージンオリーブオイル #呑みながら書きました

後夜祭にギリギリ参加。しゃべっていいですか。書きますじゃなくて、しゃべります。 しばらく…

Mica
2年前
73

自分の文章を信じるということ

晴れた日に屋外で味わう冷たいコーヒー。子どもたちが寝たあとの静寂と読書。葛藤や焦燥の先に…

Mica
2年前
421

「書く」という、心の調律

以前、仕事で声楽の先生にインタビューした経験がある。地域で開いている体験レッスンを実際に…

Mica
2年前
54

空虚はロックを鳴らせなくても

幼少の頃から感情を表に出さないタイプだと言われ続けて、文字を扱う仕事をしてもそれは情報の…

Mica
2年前
65

だから、この夏は日記を書いた

温かいコーヒーが似合う朝になりつつある。子どもたちを幼稚園へ送る時間は午前7時半過ぎ。太陽はまだ登りきれていない。月の数字が8から9になっただけで、季節は律儀にコマを進め、空色は濃度を変えたようだ。 私は長袖をまとい、子どもたちにパーカーを着せる。秋が深まっていく。初めて雪国で過ごす冬の、序章が始まった気がする。 と、最初の数行ぐらい書いたところで息子がどしんと膝の上に乗ってきた。 「ぼくもやる!」 人生にママの役割があると、なにかを完遂することは本当にむずかしい。清

自分を映す本棚の存在

10年住んだ場所を離れることになった。 アメリカはカリフォルニアの地。2011年。渡米当時、私…

Mica
2年前
93

仕事にしたいんですか、趣味じゃダメなんですか。

今年は手帳のフリーページに書いている日記。久しぶりに開くと前回から一か月も経っていて驚く…

Mica
2年前
141

因数分解と化学変化

漠然とした悩みはいつも視界の片隅にある。そういえば人生で「悩んでいない」時間などない気が…

Mica
3年前
95

縁の下を生きる

いつだったか、高校時代から仲が良かった友人が「この曲めちゃくちゃ良いんよ」と勧めてきたの…

Mica
3年前
99

キミの涙が教えてくれたこと

もう私はこんな涙を流さないのだろうか。つぎつぎと溢れ出す滴をぬぐいながら、ぼんやりとそう…

Mica
3年前
93

エッセイを書くこと、書く場所

「おまえってさ、きれいに歌おうとしすぎてつまんないのな」 そう私へ言い放ったのはかつての…

Mica
3年前
148

「叶う」と「叶わない」のあいだにあるもの

幼い頃に描いていた夢がまったく思い出せない。 お花屋さん?ケーキ屋さん?たぶん違う。しいて言えばエレクトーンの先生や漫画家には憧れた気もするけど、どちらも中学生になったぐらいで早々に諦めた。習い事もぜんぶ途中でやめた。運動部に入っても補欠だった。何かの目標に向かって頑張る、といった努力が全然できない学生だった。ひとつのことに熱中している子たちがいつも羨ましくてしょうがなかった。 そんな私が小さな夢のカケラを手にした季節をよく覚えている。19歳から20歳にかけて大きな恋愛を