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インフレ・円安、これからどうなる?経済と金融を最短ルートでロジカルに知る[理系向き]

YouTubeで動画を見るだけでいいのでは?
YouTubeにはPIVOTなどの良質なコンテンツがすでにあります。

でも、どの動画をどれだけみても、理解できた気がしない。グラフ・チャートを使って語られる内容が、どれも正しいように感じてしまう。

専門家各人の語る持論に、僕たちは翻弄ほんろうされている。

インフレや円安に関わる実経済、そして経済政策と金融政策は、経済学を一通り学び終えたあとに挑む総合問題であり、相当に難しい。膨大な数の経済主体が絡み合い、素人では、それぞれの問題を認識することさえ困難です。

経済学をミクロ経済学とマクロ経済学と順を追って、基礎から学ぼうものなら、経済政策と金融政策にいたる前に挫折します

だから、いったん最短ルートで経済政策と金融政策を集中的に学びます。経済・金融の現状に応用できる箇所だけを速習します。

※ 経済学での一般的なカリキュラムについては、下のほうのを参照ください。
※ この記事は経済学専攻ではない、数式にアレルギーのない理系の方を対象に書いています。


✧ミクロ経済学からマクロ経済学を動画で学ぶ✧

✧本で学ぶ✧

経済政策と金融政策とに特化した書籍を選びます。

数式なしの入門書

いずれも新書であり一般向け。経済政策・金融政策・金融の考え方・仕組みについて、数式をつかわず文章で説明しています。その語り口はわかりやすい。これらを斜め読みしただけでも、新聞や専門書を読むよりも、効果が得られます。

  1. 飯田泰之『ゼロから学ぶ経済政策 日本を幸福にする経済政策のつくり方』角川書店,2010

  2. 飯田泰之『財政・金融政策の転換点-日本経済の再生プラン』中公新書,2023

  3. 岩田規久男『国際金融入門』岩波新書,2009

✧本格的に経済学を学ぶ✧

書店で見かける海外有名経済学者による翻訳書はおすすめしません。グルーグマンスティグリッツアセモグルなどは、経済学の専門書としてレベルが低い(初級レベル)です。演習の解答が日本では手に入らないのもマイナスです。
※ 例外はマンキューとブランシャール、および上級レベルのマクロ、ミクロの専門書。

ミクロ経済学
日本人学者による邦書に良書が多くあります。書店ではマンキュー経済学が目立っていますが、実生活で活用しやすいのは和書です。邦書では日本経済を対象に記述されています。FRB(Federal Reserve Board,連邦準備制度理事会)か、日本銀行か、この違いだけでも読む意欲と実感が変わります。

マクロ経済学
専門課程では「上級マクロ経済学でないと!」という風潮があります。経済学を専門にしないのであれば、上級マクロ経済学を手に取る必要はありません。つぎのどちらかだけで十分です。

金融論は上掲の福田『金融論』で十分です。

なお、グルーグマン、スティグリッツ、アセモグルによる教科書ではない単著は示唆に富む良書です。世界的ベストセラーでもあります。

✧経済学のカリキュラム✧

  1. 経済学入門

  2. ミクロ経済学

  3. マクロ経済学

  4. 金融論・国際金融論

  5. 公共経済、財政学

  6. 計量経済学

    • 経済指標を分析する前段階処理としての統計学のこと

  7. 金融工学

まじめに勉強すると、2〜3年はかかります。しかし、大学で経済学部を卒業しても、経済が全くわからない。会社や日常で経済学的思考を発揮することもできません。大学院に進み、博士号をとり、大学教員になったとしても、経済動向を予想できません

たとえば、理論物理学を修めても、宇宙の起源を詳細に話すことはできないし、紙飛行機の軌跡だって的中できない。

同様に、経済学のプロがいる政府や日本銀行であっても、その組織内で経済・金融政策への主張が異なるし、失策を繰り返す。

学問は極めるほどに複雑さ・困難さが見えてきます。さらに研究とは、現実から乖離していくさががあります。すでに現代経済理論は実学ではありません。物理学における『数学に魅せられて、科学を見失う』(みすず書房,2021)と同じです。

それでも使える経済学は存在します。

専門的な書籍はつぎの本があります。

  1. 入山章栄『世界標準の経営理論』ダイヤモンド社,2019

  2. 石田潤一郎, 玉田康成『情報とインセンティブの経済学』有斐閣,2020

  3. 丸山雅祥『経営の経済学 第3版』有斐閣,2017


こういうのも書いてます。

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