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【大人教養】微積が苦手な人には経済学がいい

「微分積分(微積)は大人になってから使わないっしょ!」

「$${\sin\theta}$$や$${\cos\theta}$$は大人には不要だ」以上に浸透している考え方でしょう。

僕からすれば、使わない人生を選択したから、使っていないだけ。

自然現象は物理学で記述でき、物理学の言語は数学である。

同様にほとんどの事象は数学によって表現(モデル化)できる。

いいかえればモデル化の言語が数学なのだ。

言語が数学であるとき、その文法は、四則算、そして微分と積分である。

数学における微分と積分とは、日本語における漢字に相当する。
この場合、四則算は仮名である。

この事実を、高等学校でどうして教えないだろうか。

高等学校のカリキュラムは、各科目を年次で均等に割り振るのではなく、

  • 高校1年に数学の授業数を集中的に増やし、

  • 高校1年終わりにまでに微積を終わらせる。

    • このとき、三角関数は2年次以降に持ち越す。

  • 1年次の数学が増えた分、1年次の理科科目を減らす。

    • 理科科目は2年次以降に開始

      • ただし微積あり理科にする

がいいと思っている。

高校の理科、主に高校物理では「微積の使用不可」なる謎ルールがある。

歴史的にみれば、微積は物理学のために生み出された「手法」である。
現代においても物理学と微積は学ぶ際に親和性がいい。

なぜ禁止するのだろうか。

微積の知識さえあれば、僅かな暗記だけで、高校物理の公式を即座に計算できる。好奇心のある高校生なら、テスト中に微積を使って、公式を導出している。僕からすれば、高校物理は暗記の要らない勉強コストが低い科目だった。

とはいえ、「微積あり物理」はもちろん理系物理。
文系物理は「微積なし物理」でもいい。

むしろ、文系には「微積あり経済学」を高校で導入すればいい。

経済学、おもにミクロ経済学は微積によって構築されている。

大学でミクロ経済学を選択すると、文系なのに数学を必要になる。

「なんで!?」は文系学生からよく聞く悲鳴。

上記した通り、「現象のモデル化は数学を言語とする」のだから、現実の経済現象を表現しようとすれば数学が使われるのは当然である。

大学では、微積ありミクロ経済学を、中級ミクロ経済学と呼んでいる。

さらに上級ミクロ経済学となれば、さらに高度な大学数学を使用する。

上級な経済理論では、(中途半端な)数学科学生だと舌を巻くほどに、高度な大学数学を使う。そのため、数学科や物理学科の学生にとっては、上級経済理論は、高度な数学知識を利用できる分野として好まれている。

実際、クォンツ(金融工学)、証券アナリスト、アクチュアリーは数学科卒学生に人気の職業である。ありがたいことに、これらの職業は年収が高い。

クォンツやアクチュアリーのレベルでは、大学レベルの専門数学が要求されるけれど、中級経済理論だけなら高校数学だけで習得ができる。

経済学を分かりたいですよね?

数学もできるようになりたいですよね?

大人教養に経済学を学べば、経済学と数学のどちらも手に入れられます。

ということで、以下はリストアップ。

長沼 伸一郎氏による理系的経済学は、読み物として「経済学での数学の使い方」入門に最適。

さらに日本を誇るミクロ経済学の名著があります。

  • 神取道宏,ミクロ経済学の力,日本評論社,2014

    • この本を読めば「皆さん、なぜミクロ経済学を日常で使わないのでしょうか?」と訝しむほどに、ミクロ経済学の使い方がわかってしまいます

    • 大学文系むけ偏微分入門、またゲーム理論入門にも使えます。

普段使いの経済学として外せないのが

経済学+統計学=計量経済学
経済学的な正しいデータの見方がわかります。統計学の使い方の入門にも使えます。統計学の数式に滅多打ちされる前に、統計学で何をしたいのかを知る道標になります。こうすれば統計学の挫折もしなくなるかも。

これらの本をキッカケに探してみると、オトナで使える数学がたくさん見つかります。

ほかにも書いています。

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