【大人教養】確率をわかっていないオトナはヤバい
「MECE(漏れなく、ダブりなく)はわかった。
ところで最適なパターンを教えてくれないか?」
数学が苦手な部下、そして上司を持つと、
「それは実現可能なのか!?」なるMECEを、平気にプレゼンしてくれる。
この人たちは、組み合わせが容易に膨大になることをわかっていない。
MECEの実現可能なパターンは
$$
K \times L \times M \times N \times P \cdots
$$
と重複順列で増加していく。
「確率論的には✗✗くらいですよねー」なんて言ってくる。
確率をわかっていないオトナはヤバい。
ここでの「確率論」とは、
といった数学分野での「確率論」を指しているのではなく、
「組み合わせとして多様な状況になる」を意味している。
たとえば、
① サイコロを1つふったとき、出る目は6パターン。
② サイコロを2つだと、出る目は21パターン。
この場合個々のサイコロを区別しない。
$${6\cdot6=36}$$はカウントしすぎ。
③ サイコロを3つだと、出る目は56パターン。
同様に、サイコロを区別しない。
$${6\cdot6\cdot6=216}$$もダブりすぎ。
②と③は、重複組合せを使って、次のように解けます。
$$
_{6}H_{2}=\frac{7!}{5!\cdot2!}=\frac{7\cdot6}{2\cdot1}=21
$$
$$
_{6}H_{3}=\frac{8!}{5!\cdot3!}=\frac{8\cdot7\cdot6}{3\cdot2\cdot1}=56
$$
確率の計算自体は簡単です。
しかし、要素数によって、パターンは巨大になっていくのがおわかりだろう。
サイコロが10コあったら、なんて考えたくない。※3003パターン。
だから、パターンを具体的に挙げるのではなく、このような単純な計算式で計算する。
もともと人間は、要素数が3を越えた辺りから、認識が怪しくなっていく。
とくにソート(Sort)処理は機械でさえもコストが高い。
たとえば、$${3!=3\cdot2\cdot1=6}$$パターン。
娘と妻と息子、家族サービスはどの順番がいいだろうか?
ここに実母、義母、父は後回し、と加わっていくと、正直ややこしい。
コミュニケーションの面倒さは、実はソートに関連している。
ほとんどの場合で、シミュレーションもせずに、「慣れ」で済まします。
こんなオトナはヤバい。
ものぐさ、慣例化、一様化、退屈なオトナのいっちょうできあがり。
確率論は出来なくても、確率の計算くらいはできて欲しい。
ここでの確率の計算とは、
高校数学(大学受験)レベルで、
細かくいえば、
数え上げ(順列・組み合わせ)
確率(数え上げを使った
欲をいえば条件付き確率
ベイズの定理
これだけできれば、かなり優秀なモデラーです。
せめてこの一冊を、大人が取り組んで欲しい。
「そのタスクの組み方だと、考えられるパターンがいくらになるか分かりますか?」とドヤれます。
本一冊をやり込めば、一ヶ月で目覚めますよ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?