金曜の夕に思うこと
金曜の夕、一駅先まで歩く。
稽古に向かう時間である。
サラリーマンをやめて6年も過ぎるのに、いまだに金曜の夕の開放感が頭のどこかに残っている。
歩く道には公園があり、緑の桜は風に揺れ、シロツメクサは今を自分の天下のように背すじを伸ばし立ち、あのコロナの頃には見かけなかった子ども達が夕陽を背に戯れている。
広い歩道は一見幸せそうに見える犬たちが猫背の飼い主達を引き連れて闊歩する。
帰路を急ぐ男達、スーパーで買い物を済ませて夕餉の支度のために自転車を走らせる女達。
日本中の至る処