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夏きたりなば
肌で感じる夏を迎える前のこんな時期が好きである。
人生の折り返し地点をずいぶん前にクルリと回り(これがいつだったのか不明だが、ひょっとしたらもうゴールは目の前かも知れないのに)、やっと自分のことがポツリポツリと判り出す。
人生ってのはこんなもんなのだろう。
何がわかったかというと、一つは会社勤めは自分に向いていなかったという事である。
しかし、いろんな事をやったおかげでいろんな人に知り合うことができた。
いろんな事を考えることができた。
あと何年身体が自由に動くか分からないが、合気道を続けながらまだまだいろんな事を考えていくであろう。
今思うのは、ただ毎日を生きたくない。
求めているのは納得して日々を生きていくことである。
死ぬまでまだつまづきながら、考えながら生きていくのであろう。
暦ではもう夏、そろそろ始まる田植えに備え、田はなみなみと水を湛え鏡面のように青い空と白い雲を映し出すだろう。
ツバメはその間を飛び交い子育てのための虫を食むのであろう。
毎年繰り返されるこの光景をあと何度見ることができるだろう。
そしてそのあとには、また暑い暑い本当の夏がすぐそこまでやって来ているのである。
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