浄化
延焼する恋人、浮かぶ旋律の橋を渡る野良猫たちの群れ、カットアップされる標本たる私の端々に響く常々、帰路を失い、記録上に謳われている歴史に慟哭し、刹那に入り混じる醜い報いや、幸福論を食べて、大きく育った、資本主義の豚や、不規則な予感を放つ、磁気嵐や、全ては可能であるから、全てを解放し、全てと繋がるまでの軌跡こそが、歴史であると、バラバラになるだけの感情にがんじがらめになって、感覚を鈍らせるための教育に奔走している君たちのリビドーや、あらゆる悲劇を食べ尽くすバクテリアや、統計上が云々と、五月蝿いメディアの構図、段落に居座る歪んだ自らを正すための問いが迫り、憎しみが染み入る現時点に襲い掛かる悪意の模様、札束で出来た観念が、みんなのしあわせを狂わせる頃、虐げられ、従えた君の神が謳う罪や、偶像崇拝を続ける老獪な者どもの私服を肥やすために、働き続ける私たちの散漫な欠如を、埋めるためだけの戦争に参加して、寂れた意識に司るエゴが、円安やドル高や、都会的な吐瀉物や、リリカルや、臨界点や、輪廻転生などなどに、入り混じる宇宙の大草原で寝そべり、寝かしつけられた子どもみたいに、心地よく眠り、枯渇する事なく、際限なく溢れるエモーションの波に揺られ、閉塞感などに朽ちる事なく、理に妨げられずに、ただただ、歪んだ私たちの私情のようなものが反響し、やがて、闇夜を切り裂き、朝を迎え、もう、苦しむ事を答えとせずに、おおらかに、世界と対峙する。