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孤高

もう何年も孤独だ。自ら選んだ孤独に苛まれるほど、残酷なことはないことを証明するような静寂、あらゆる質感に寄りかかる希望も消え失せ、何かの誤解だけが、今に擦り寄り、有する価値に駆逐され、朽ち果てた肉体だけが、忘我を彷徨い、あてもなく突き進む先でも、孤独は付いてくるのだ、と悲しむ後ろ姿、凡庸な価値が示す普遍性からは締め出され、打算的な家族の中に閉じこもるよりも、溌剌とした虎のように生きて、孤独による過ちを通過し、野山に生い茂る愛を捕食して、或いは、星ごと頂戴して、確かな愛などという幻想ごと調理して、他者から介した倫理観などに騙されずに、じっと世界との訣別を喜んで、たそがれる先に現れた、懐かしい思い出も、その場に残して、選べば、選ぶほどに食い込む答えを蹴散らし、些細な出来事の中で集約される物事などに、囚われたくもないから、正しさを求めるだけの偏執により、何かに拘泥したり、届かぬからと、求めたり、崇めたりするほどに、現れる距離や、理解するに至らずに、労わることを忘れては、否定したり、批判したりして、悲観的に至らせるだけの、退屈な対価の中で、改革に至らずに、徒に消費する思いや面影や、かけがえのないものですら、賭けの対象になって、担う意味も、嘘ばかりであるし、本質や真実などは、見え易いからこそ、醜くなるばかりであるし、裏切りばかりが、事実を破壊し、はびこる悪意を崇めるバビロンでの正義の犠牲になんてなりたくもないし、無くしたからといって、無くなるものばかりを、追いかけることは、したくもないし、仕方ないからといって、愛していたフリをしていたし、泥だらけの毎日から解放され、崩壊するだけの世界のまやかしには、騙されたくもないから、勝手気ままに浮遊し続ける。

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