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鳥獣戯画の中で踊る彼女をデッサンして、下腹部で広がる夏の空や、表札を外して、居留守を続けるリスたちの焦燥感、柔軟性を含んだ夜が、宇宙を捕食する頃、独白する日曜日にすり替えられた意図、複製される真理を啜る主婦たちの因果律、札束のベッドで眠る娼婦たちや、男娼が舐るスニーカー、開眼するまでの距離に迫る物質的な余韻、ギターリフが加速して、寸胴な身体の記憶に結ばれる帰路、超越を繰り返しては、宇宙の調和を破壊して、セオリー通りの結末や、太陽を漁るニセモノの妻や、恒常的な理想を孕む気配との和解や、紀元前から司る人間性のようなものが生み出した混沌に対処して、整合性なんかを謳う大人たちのエゴや、永劫回帰から解き放たれ、自立した運命との帳尻合わせのために、君を愛したばっかりに、愛なんてものに、心底嫌気がさして、もう、誰も愛する事も、縋る事もなく、孤独に、自らという子供を育て、停止線を無視して、事実と肉薄したり、澱んだり、揺動されたり、綻んだり、または、滅んだり、孕んだりしながら、のらりくらりと怠けたり、体制に媚びへつらったりと、忙しくうごめく世界にまどろみ、夢中に愛した記憶だけが、頭の中で羽化しては、海馬の中で飛び回る過去たちが、今を締め付けたりするものだから、物語も嫌いになったり、陰謀なんかを謳う奴らが示す差異や、せいぜい、そこに収まるだけの過ちや、曖昧な示唆を繰り返しては、くたびれるだけの毎日に、信じられるものすらないし、すらすらと嘘つきながら、フラフラと街を彷徨い、定めもなく、あてもなく、あーでもない、こーでもないと、失言ばかりを繰り返しても、挫けずに、いじけずに、今に現れるものに反して行く。

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