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光景

自らが産まれた途端に、宇宙とは、生まれたのであり、自己が押し広げられ、拡がり続け、あたかも、そこにあるかのように、観測される宇宙、その外側なんてものは、認識できないのだから、そこには、何があるわけでも、何がないわけでもなく、認識されない限りは、そこに有無はなく、ただ、ひたすらに、感知されたい、と、願うような、強烈な、承認欲求のようなものを吐き出す、巨大な力が、今にシナリオを築き、今に意味を与え続ける。下水道にある拝所、乳房のような汚穢の塊、ノスタルジーを敷衍させていく脛骨、何かを神に見立て、偶像崇拝を続けるネズミたちの群れ、均等なものなどは、その場でバラバラになり、たゆたう面影の汗、季節の終わりにひしめく過程、濃厚な主観から生える恋、紊乱な焦熱地獄により燃え尽きた蟻たちの悲しみ、ささやかなしあわせの細やかさにふれ、確かな暖かさとは、ここで、絶えず反応や分裂を繰り返して、汚い過去を洗い流す大雨が降り注いで、夭折した黒猫に乗って、ナナフシの大王が支配するジュピターに旅立って、機械的な独裁国家を打ち倒して、新たな王として君臨し、紳士的な闇に支配される前に、一切を超越し、拙い生涯を、ハレーションを起こす外側の力に反発し続けることにより、動き続ける機械たちを解放して、冷たい大地にぬくもりを与える。

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