モノローグってなに?優れたモノローグを書く方法 vol.13 脚本でのバランスを考える
さて、モノローグを書く際の注意事項を7つのパートに分けて解説してきました。個々では重複する部分もあったと思いますが、あなたがモノローグで迷った場合、この順番で自分が書いたモノローグをチェクしてみて下さい。
もちろん全てが当てはまるモノローグは存在しません。
ですので、そのモノローグで『観客に何を伝えたか?』を確認、強化したい時、あなたのモノローグのブラッシュアップ、躓いた時のチェックとして使用して下さい。
最後に脚本全体でのモノローグが占めるバランスについて解説します。
1つの台本に複数のモノローグを書かない理由
希少性の価値:モノローグの数を制限することで、各モノローグの重要性が高まる
観客の集中力:多すぎるモノローグは観客の注意力を分散させる可能性がある
ストーリーの流れ:頻繁なモノローグは物語のペースを乱す恐れがある
バランス:対話やアクションとのバランスを保つ必要がある
モノローグを目立たせる方法
戦略的な配置:物語の重要な転換点や感情的クライマックスにモノローグを置く
コントラストの利用:静かな場面の後や激しいアクションの後など、コントラストを生かす
視覚的演出:照明や舞台装置を活用して、モノローグの瞬間を強調する
前後の文脈:モノローグの前後の場面を慎重に構成し、その重要性を際立たせる
モノローグが多すぎることの影響
インパクトの希釈:各モノローグの印象が薄れ、重要性が低下する
リズムの乱れ:物語全体のリズムやペースが損なわれる
観客の疲労:頻繁なモノローグは観客を疲れさせる可能性がある
キャラクターバランスの崩れ:特定のキャラクターに偏りすぎる危険性
モノローグを賢く選ぶための基準
物語への貢献:ストーリーの進行や主題の深化に重要な役割を果たすか
キャラクター開発:キャラクターの成長や変化を効果的に示せるか
感情的インパクト:観客に強い感情的反応を引き起こせるか
独自性:他の方法では伝えられない内容や視点を提供できるか
タイミング:物語の流れの中で最も効果的なタイミングはいつか
モノローグの代替手段の検討
対話シーン:二人以上のキャラクター間の対話で情報や感情を伝える
アクション:行動を通じてキャラクターの内面を表現する
視覚的表現:表情や身振りで内面を表現する
ナレーション:必要に応じてナレーターを使用する
各モノローグの個性化
スタイルの変化:各モノローグに独自のスタイルや口調を持たせる
長さの調整:モノローグの長さを変えることで、異なる効果を生み出す
目的の明確化:各モノローグに明確で異なる目的を持たせる
観客の期待管理
予期せぬ瞬間:予想外の瞬間にモノローグを挿入し、新鮮さを保つ
緊張感の構築:モノローグの前に適切な緊張感を築き上げる
余韻の活用:モノローグ後の静寂や反応の時間を効果的に使用する
これらの点を考慮することで、モノローグを効果的に使用し、作品全体の質を高めることができます。適切に選ばれ、配置されたモノローグは、物語に深みを与え、観客の心に強く残る印象的な瞬間を創出する力を持っています。
さて、気がついた方も多くいると思いますが、今回紹介したモノローグの書き方はダイアローグ(会話)を書く際にも十分役立ちます。
セリフを吟味し、磨き上げることであなたの物語はますます素晴らしいものとなるでしょう。
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