効果的なフラッシュバックの使い方 vol.4
さて、では実際に脚本においてどのようにフラッシュバックを書けば良いのでしょうか?
フラッシュバックを脚本として書く際のフォーマット
脚本でのフラッシュバックの一般的な書き方について紹介します。
実はかなり簡単です。
フラッシュバックを脚本で表現する方法
スラグラインの使用
スラグラインとは:シーンの場所や時間を示す脚本の要素。シーンの冒頭に描かれる描写。
フラッシュバックの開始を示す
スラグラインに「FLASHBACK SEQUENCE:」と記載(日本語であれば『回想』)
多くの場合、太字で表記
時には斜体も使用
これらを表記する目的は以下の2点です。
「FLASHBACK SEQUENCE」以降のすべての内容がフラッシュバックとして扱われるます。明確に終了が示されるまで、フラッシュバックは続くものとみなされることを覚えておきましょう。
この方法を使うことで、脚本の読み手(監督、俳優、スタッフなど)は、どの部分がフラッシュバックなのかを簡単に理解できます。これにより、物語の時間軸の混乱を防ぎ、より効果的な演出や演技につながります。
3. 一貫性を保つことが重要
基本的なフォーマットは通常のシーンと同じです。
ロケーション・ヘディング:場所の説明
シーン・ディスクリプション:視覚的な描写(ト書)
ダイアログ:台詞(ある場合)
フラッシュバックを区別する為のさらなる工夫として全文を斜体にする方法があります。(ただし西洋風の横書きの場合)
当然目的は通常のシーンとフラッシュバックを視覚的に区別しやすくすることです。脚本の基本ルールは守りつつ、フラッシュバックであることを明確にする事に注意。
フラッシュバックを書く際は遠慮なくコピペを使え
さて、もし既に物語に出てきたシーンをもう一度使う場合遠慮なくコピペを使いましょう。
以前に描写したシーンをコピー&ペーストして使用可能
含める要素:ロケーション・ヘディング
シーン・ディスクリプション
ダイアログ(ある場合)
その場合、読者に簡単にそのシーンを思い出させることができます。
2.コピペしたシーンを更新し書き換える
以下の点に注意して、にて非なるシーンに作り変えます。
目的:フラッシュバックの意図を明確にする
主に変更する部分:読者に伝えたい新情報
《読者へに何を伝えたいか》
何を見せるのか:視覚的な描写を明確に
なぜ見せるのか:フラッシュバックの目的や重要性を示す
《脚本家としての気をつけること》
読者(監督、俳優、スタッフなど)に物語の意図を明確に伝える
フラッシュバックが物語にどう貢献するかを示す
このアプローチを使うことで、フラッシュバックの効果を最大限に引き出し、読者に物語の深い理解を促すことができます。既存のシーンを巧みに再利用しつつ、必要に応じて調整することで、効果的なフラッシュバックを作り出せます。
4.タイトルカードを使って時間移動を伝える
タイトルカードとは『画面に表示されるテキスト情報』『時間や場所の変化を観客に伝える手段』のことです。
《フラッシュバックでの使用方法》
過去の時点を明確に示します。
例:「10年前」「2005年、ニューヨーク」など
脚本での記述方法はタイトルカードの内容を脚本に明記します。
例:TITLE CARD: "10年前"
タイトルカードを使うことで、フラッシュバックの開始を視覚的にも分かりやすく伝えることができます。これにより、観客は物語の時間軸の変化をスムーズに理解でき、フラッシュバックの効果を高めることができます。
5.フラッシュバックの終了を知らせる
フラッシュバックの開始を伝えるのと同様に、いつ終わるかを伝える必要もあります。 「END FLASHBACK SEQUENCE」(回想終了)と入力するだけで完了です。 その後は、新しいシーンを示す次のロケーション・ヘディングが続きます。
フラッシュバックは、意図を持って使われると、脚本に深みと複雑さを加えることができます。過去への窓となり、現在を照らし出し、キャラクターとプロットを豊かにします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?