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ミャンマーとそのまわり、幸せをくれる暮らしのモノとコト_Vol.7_ミャンマー・ヤンゴン、chuchuのリサイクルクラッチと三つ子ポーチ

ヤンゴン在住4年目、4歳男子の母のイワサマキコです。

ともすれば、バタバタと過ぎて行ってしまうミャンマー・ヤンゴンでの日常ですが、日々の暮らしに幸せをくれるモノやコトを見つけるのがささやかな楽しみです。手仕事やアンティーク、伝統工芸品が大好き。

旅先で見つけたものを日常で使うのが至上の喜び。そんな日々に幸せをくれるモノやコトをご紹介します。

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カゴをいくつも買ってしまうのは、女の性(サガ)なので仕方ないのですが、もう一つ女の性に抗う事が出来ないものがあります。

それはポーチ!

家にいくつもあるのに、何個でも欲しくなってしまうのがポーチ!

売るほどポーチを持っているのに、いざそれらを使うシーンになると、実用性を求めてジップロックイージージッパーを使ってしまうこの運命のループから、どうしたら抜ける事が出来るのでしょうか。

女って、罪深い生き物です。

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ある日、Hla Dayで便利そうな可愛いポーチを見つけました。

大中小の三つがセットになっているカラフルなポーチです。リサイクル素材で作られていて、スタイリッシュ!

大のポーチはクッション素材が中に入っており、デリケートなものも入れられそう。中と小も何かに使えて便利そうね!3つ子みたいで可愛いし〜!ジップロック感覚で使えるし!と、迷わず購入。

陶器を購入するときには、検討に検討を重ねて、婚活のような気持ちで運命の出会いを求めているのに、ポーチともなると「何かに使えそう」という理由で買ってしまうのは女という性の七不思議ですね。

この3つ子ポーチも、上記のプロセスを2回経て、2セット持っているのは内緒。。

これらのリサイクル素材のポーチは、ChuChuというNGOで作られています。

ChuChuはヤンゴン市街から、ヤンゴン川をフェリーで渡った対岸のダラという町に工房兼ショップがあり、市内のHla DAYのような感度の高いお店でも多く取り扱いがあります。

我が家でも、3つ子ポーチ以外にもChuChuのアイテムをいくつか愛用していていたので、どんな場所で作っているのかずっと見てみたかったのです。

ただし、ダラは貧しい地域ゆえ、日本大使館からも訪問の際には治安に十分注意するように喚起がされている街でもあります。観光のためにサイカーを頼んだら相場の10倍の値段をぼったくられたり、スマートフォンを盗まれたという話も身近な方から聞いたことがあります。

たしかに、以前、お米のドネーションに同行させてもらった時にダラで感じたのは、田舎ののどかな風景と素朴な人々の営みと共に、フェリー乗り場で客待ちするサイカーの運転手の獲物を探すハンターのような目つきの鋭さ。ぼったくる気満々…

4歳の息子連れでもあるし、出来ればまた誰かと一緒に行きたいな、と思っていたところに、ちょうど良くこんなスタディツアーが開催されました!

https://www.facebook.com/events/1180003192163892/

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問題意識
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 ダウンタウンから川一本を隔てたヤンゴン、ダラ地区。危険、貧しい、といったネガティブなイメージがつきまとうにも関わらず、今日もたくさんの人が川を渡っていく。彼らは何をしに行くのか。川の対岸にはいったい何があるというのか。経済成長の波が押し寄せる中、そこに暮らす人々はどういう思いで、変わりゆく街並みを眺めているのか。
 米ドネーションを16ヶ月継続し、村の人々と信頼関係を築き上げてきた大徳氏の意思を引き継ぎ、ヤンゴンから近くて遠い、ダラの秘密を探っていく。あなたの知らないミャンマーが、まだそこにはある。
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ツアー内容
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① ダラの街並みをサイカーで堪能する。
② 米ドネーションを通じて、住民と交流する。
③ NGO「Chu Chu」を訪問する。

当日は、夫と私と4歳の息子の3人でツアーに参加させてもらいました。夫はヤンゴン在住5年目にして、初めてのダラです。

スタディツアーを主催する中原さんは、ミャンマー語にも堪能な最高の案内人なので安心。

市街地のフェリー乗り場から、船に乗って10分!ビルが立ち並ぶ市街地とはまったく異世界に思える風景のダラに到着し、サイカーに乗って一行は一路ChuChuへ!

ダラの住宅街の中に、ChuChuはひっそりと可愛らしく佇んでいました。

ChuChu(チュチュ)とは、ミャンマー語でプラスチックの事。リサイクルプラスチック製品を作っている事と、響きの可愛らしさから名付けたそうです。たしかにカワイイ!

リサイクル素材で雑貨を作っているだけあって、工房兼ショップもそこかしこにリサイクル、いいえ、※アップサイクルが取り入れられています。

※「アップサイクル」とは、サスティナブル(持続可能)なものづくりの新たな方法論のひとつである。 従来から行なわれてきたリサイクル(再循環)とは異なり、単なる素材の原料化、その再利用ではなく、元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すことを、最終的な目的とする。
アップサイクル | 現代美術用語辞典ver.2.0より

半透明と緑のペットボトルが、外の光を柔らかく取り入れて楽しいリズムを生み出している壁。

コカコーラのペットボトルが埋め込まれた土壁は、外から見ると芸術!

アフリカンな色合わせが楽しいドアには、「ミンガラーバー(こんにちは)」の木製看板。

店内にはリサイクル素材を使った製品が所狭しと並べられています。

集められた素材は、きちんと洗われて仕分けされ、生まれ変わります。

せっかくダラの工房まで来たので、何かひとつ記念に欲しいな〜、と店内を物色すると、素敵なクラッチバッグがありました。

肥料か何かの袋を使っているのでしょうか。白地にゴールドのミャンマー文字と電話番号。

対して、内側は渋い茶色のストライプの布張りです。内側にこの渋いテキスタイルを合わせるセンス…素敵…好き!

ベージュのウェッジソールのサンダルと一緒にクラッチバッグとして持とうかな、iPad miniを入れて使うのも良いかも〜、と使い道がいくつも思い浮かびます。

肥料袋(予想)がこんな素敵なものに生まれ変わるなんて、アイディアとセンスに脱帽。

ChuChuは、元々イタリアのNGOのプロジェクトとして始まりましたが、現在はミャンマー人の奥様を持つドイツ人のデザイナー兼ディレクター兼アドバイザーと、ミャンマー人の女性が2人で共同運営しているそうです。

初めは補助金を使って始まったプロジェクトでしたが、現在は利益が出て単体で回っているとか。

たしかに、おしゃれな雑貨が売っている場所や、感度の高いイベントには必ずChuChuは取り扱いがあったり、ポップアップショップを出展していますし、いずれも大人気なので納得です。

「これ素敵!」だと思ったものが、実は「リサイクル素材で環境にも優しく、仕事がなかった場所に雇用を生み出している」というのが良いですよね。

世の中のためになって、環境にも良くて、素晴らしいものでも、素敵じゃないものは持ちたくないし、持続しない。

たとえ、東日本大震災の被災者の方が作っているからといって、布ぞうりは欲しくないし使いたくない(布ぞうりにはなんの恨みもございませんが、私の生活には不要なもの)

さて、環境にも配慮していて、サステイナブル、工房も素敵で良い想い出になったしね!という大義名分を得た私は、今日もChuChuのポーチを買うのでした。

P.S.
ChuChuのアイテムの可愛いのは、タグの裏にどれくらいリサイクル原料を使っているか書いてあるところ。

このお財布は…

30%リサイクル!

正直で愛しい。

好き。

P.S.2
このスタディツアーでは、ろうそく工場や、ライスペーパー工場など、他にもいくつかの場所を案内してもらいました。それはまた別のnoteに。




2014年〜ミャンマー在住。IT企業を現地でやっている夫、現地のローカル幼稚園に通う3歳の息子と一緒に、日々アレコレドタバタやってます。サポート頂いたら、新しいモノコト探しに使わせて頂きたいです!