誕生日

いつかの今日の思い出

8月21日、今日は兄の誕生日。
毎年思い出すことがある。

以前自分は衣料店に勤めていた。
ファッションはもともと好きで、友達と一緒に買い物で知識を付けた。
今も人気だがSupremeの〇〇はプレミアがつくと聞けば走り、N.HOOLYWOODが熱い!と聞けば原宿に行った。(HOLLYWOODが正しい表記だが遊び心からこの綴りになっている。)
当時は多くのファッションデザイナーがブランドを出し、きらめいた世界。
自分が心酔できる世界はここだと、のめり込んだ。
なんでこんなに服が好きになったのだろう。
それは誕生日がきっかけだった。

少し遡って自分が学生のころ。
兄はスーツを着る仕事。
休日しか私服を着ないし、普段からアクティブでスポーツウェアをよく着ていた。
アディダス、ナイキなどポロシャツが主なファッション。
典型的な服は着れれば良い!と思っているような・・・。
だから、遠目から見ては違和感を覚えていた。
「あのシャツならネクタイは赤が良いんじゃないか?」
そう言ったことはまだ自分も自信がなかったから、心の中で思っていて。
誕生日が近かったので、プレゼントはネクタイにしようと決めた。

誕生日当日、まあ家族であり兄弟であり、男同士だから感嘆の声はなく、たった一言。

「ありがとう。」

と言ってくれた。
それが嬉しかった。
翌朝、兄の首元には赤いネクタイがかかり、颯爽と仕事に向かう姿を未だに思い出す。
とある日の休みの日、一緒に買い物に行ってほしいと誘われた。
車中で
「お前はセンスがあるから、服を選んでほしい。」
「これから歳をとって、老けていく中でも身だしなみはしっかりしたいから、お前が見てて俺が変なところとかあったら教えてくれ。」

そんな風に言われた。
そこからは自分が海外旅行でブランドの時計を買ったらなぜか兄が同じものを国内で買い、服を買いに行くときは一緒に行った。
屈託のない笑顔で、「カッコよかったから買ったわ!」なんて言われて。その行動に呆れながらも、本当はただただ嬉しかった。

それが自分のきっかけ。
今でも人に合う物を選び、ありがとうと言ってもらえることが生きがいになっている。
それはあの日の誕生日の「ありがとう。」の言葉のおかげ。

誕生日おめでとう、そして大切なことを教えてくれて本当にありがとう。




サポートしていただきましたら、規格外の花を使ったドライフラワーを活かした活動を広げていきます!!! よろしくお願いいたします😌