「『ポーランドへ行った子どもたち』-歴史を遡求する主体」
『ポーランドへ行った子どもたち』は掛け値なしに偉大な映画だ。朝鮮戦争中の50年代、3千人もの戦争孤児を金日成が東欧の共産主義同盟国に寄託した。その一国だったポーランドには、ソ連に送られてほとんど放棄されていた子どもたちと合わせて、1500人もの子どもたちが受け容れられた。ドイツとソ連の侵略を経験した際に子どもだったポーランドの大人たちが、空襲と爆撃によって家族と故郷を失った子どもたちを世話する過程で、チュ・サンミ監督の云う、「傷の連帯」が成立した。監督は実存的な悩みから発し