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損切は人生にも生かされる

もったいないからやめられない

何か趣味を見つけようとゴルフをしたことがあります。学生の時に少しかじったこともあったし、その時にピンとくるものがあったので、思い切って道具一式そろえて初めてみたのでした。

しかし、実際にやってみると、自分なりに必死にやっても上手くいかないためにやる気がなくなってしまいました。仕事の時間帯も大きく変わってしまったことも重なってしまってなかなか取り組むことも出来なくなりました。何よりも、僕自身がこれだと思うくらいにのめり込んでいないことにも気がついたもでした。

しかし、安物とはいえ、せっかく思い切って買ったゴルフ道具がもったいないと、自分の気持ちに鞭を打ってしばらく頑張り続けたのでした。

僕らは往々にして、このまま続けても何の意味もないと答えが出たのにもかかわらず、何故か途中でやめることを嫌うものです。「こんなにお金をかけたのに、今更辞められない。」「失敗を認めたくない。」「やり続ければ、いつか報われる」といったように。

そして時間とお金を無駄に費やし、成果も出ないし、やる気も出ないけど、やめられないという悪循環にはまり込んでしまう。

そうした悪循環から逃れるためには「損切り」が重要なのです。損切りとは、投資家が損失を抱えている状態で保有している株式等を売却して損失を確定させることをいいます。つまり、人生に置き換えると自分の失敗や過ちを認めて、ダメな行動をすっぱりとやめること、切り捨てることです。


どうしてやめられないのか

しかし、途中でやめることはどうしてこんなに難しいのか。それは、心理的なものでもあります。「所有」という概念は、人の心に大きく影響するからです。いったん所有してしまうと失うのが怖くなってしまうのです。

そのことによって、様々なシナリオをえがいてしまい、思考が暴走してしまうと言うのでしょうか。仏教でいうと「煩悩」にとらわれてしまうこと。それは、所有しているだけで価値を感じてしまったり、いざ手放すとなると価値があるようにみえてしまうといったように、失うことがもったいないと感じしまうのです。

生活を振り返ってみても、思い当たることはあると思います。いつまでもタンスの奥にしまってある昔の洋服。いつまでたっても進まない読みかけの本。使わずに箱にしまってある食器。何の役に立つわけでもないのに、いつまでも持ち続けている。当時は欲しいと思い買ったもの。今持っていないとしたら、はたしてお金を出して買うだろうかといったところです。

僕のゴルフの時の例のように、物だけにとらわれる訳ではありません。行動においても当てはまります。仕事もそうだし、結婚や友人関係といった人間関係当てはまるものです。

損切り出来るためのメソッド

上手く自分をコントロールし、損切りでも手放せるように意識を変えていかないといけません。つまるところ、もったいないを克服しなければいけないのです。

それは、過去に費やしたコストを、考えるよりもこれからかかるコストを考える必要があります。冷製に考えたときにどっちの方がもったいないかは明確であると思います。

そして、何よりも失敗だと認められることが大事だと思います。失敗を認めたことで、初めて失敗は過去のものになる。過去のものになるからこそ、学びも生まれ、成長することができるし、次につなげることも出来る。そうすることで、これまでかかったコストが意味を持つものだとも言えるように思います。

いつも自分の中でゼロベースで考えられることによっても判断出来るものです。思考するのに手間暇かかるかもしれませんが、現状にとらわれずに、効率的に判断も出来るし、自分の気持ちに正直になりやすい。まっさらな状態から、時間やお金の使い方、自分のエネルギーの使い方をあらためて考えていくと、いかに無駄があるのかが見えてきて、手放すものが良く理解できるものです。

新しいものを積極的に取り入れていく、僕はこの考えかたが一番自分に当てはまっていると感じました。古いものにとらわれていては、新しいものが取り込めないように、新しいものを積極的に取り入れていくことで、古いものを否応なしに手放なさないといけない状況を作り出す。洋服で考えても、タンスの大きさは決まっているものだから、どんどん新しいものを買っていけば、自然と着なくなった古いものは手放さないといけないものですから。


そう簡単にはいかないけど

ここまで、書いた上でこういうことを言うのは申し訳ないのですが、やはりどんなに自分をコントロールしようとしても、何かを手放すのは、そう簡単なものではないと思うのです。人間関係だってそう簡単に切れるものではありませんから。

ただ、諦めずにいるべきだと思うのです。自分の無意識の中で何かにとらわれていることに気づき、その自分の無意識な部分を刺激するためにも、きっぱりと損切り出来るように意識していく。手放すスキルを身に付けようともがくことで、自分を成長させることも出来るのですから。そういった事が、大きな決断の時に役に立つのではないかと、僕は信じています。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
メルシー


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