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感情を押さえつけてはいけない理由

泣きたいときは泣く方が良い

子供の頃、親に怒られて泣いていると「それくらいで泣かないの!」と、叱られていました。卒業式で感極まって、まぶたいっぱいに涙を溜めていたら、みんなから囃し立てられました。大人になって、泣くことはダサいと友人が言っていました。いくつになっても、泣くことはいけないことだと、誰かが言うのでした。

こうして、僕の中では泣くことは良くないことであると認識が出来上がっていました。

僕は、会社でパワーハラスメントの対象となってしまったのでした。会社が求めてきたのは、あり得ないほどの長時間労働とあり得ないほどの仕事量、あり得ないほどノルマでした。結果が出せていなかったという自負から、僕はあっさりと受け入れてしまったのでした。

日々、追い込まれていく。それは、思いの外、恐怖を感じるものでした。焦るばかりで空回りしてしまう僕に、追い打ちをかけるように会社はどんどんと課してきたのです。

夜が明けたばかりに出勤して、どんよりとした気持ちで一日がはじまりました。出勤してすぐにトップギアをいれないと、とてもじゃないくらい間に合わない。ですが、すぐに集中力を失いミスや失敗を連発してしまう。すぐに上に報告されて、気合が足りないと怒鳴り散らされてしまう。ちゃんとしなきゃいけないと、自分なりに気合を入れても打ち砕かれてしまう。今度はまた呼び出されては、昨日のノルマが全然到達されていないと、罵られては思いっきり否定される。やっぱり、僕はダメな奴だと強く感じてしまう。終わらない仕事、達成できないノルマ、残業代なんかいうのはおこがましいにもほどがある。気が付けば、朝になっていたのはざらなんです。意識が朦朧としながら、いったん自宅に帰りシャワーを浴びたら出勤する。

こんなことをする会社が憎かった。それ以上に、なんの成果も出せない自分が、何処までも情けなくて憎かったんです。それに悔しかった。言いようもないくらい悔しさが込み上げて、泣きたかった。でも、泣くのだけはよくないと思い、それを必死に押し殺して、仕事だけに意識を向けていたんです。

泣きたかったけれど、ずっと必死にこらえていました。やはり、泣くことは良くないことだと思えたし、一度泣いてしまえば、自分が壊れてしまいそうで、自分を保てなくなりそうだったからでした。

ですが、そうやって押さえつけた感情は、消化できないままくすぶり続けているものです。それが、必ずといいっていいほど、どこかで噴き出してしまうのです。言いようもなくらい憂鬱になったり、勝手に涙がボロボロと出て、止まらなくなったり、急にすべてがおかしくなって笑ってしまったり。僕は、上司に叱られている中でも笑っていました。それは、もう酷いくらいにやられてしまった。ダメだと分かっていても止められなかったんです。

ついには、押さえつけていた感情が、自分でも抑えきれなくなっていました。自暴自棄になっては全部を壊したくなっていました。怪獣にでもなって、全てを破壊するといった想像ばかりをしていました。でも、ただ想像するだけで、そんな勇気は到底ありませんでした。そして、遂にはどうすることも出来なくなってしまって極限にまで追い詰められてしまった僕は、何もかもほったらかして、どこかに消えてしまったのでした。

感情を押さえつけてはいけない理由

きっと、泣きたいと思ったとき、ちゃんと泣いていたのなら、自分の気持ちを受け止めることが出来たんだと思います。泣くということは、重荷を背負ってきた自分の苦しみを解放することができるものだから。誰かの前で泣くことが出来ないのなら、ひとりひっそりでも泣いておけば良かった。

自分の気が済むまで泣くことが出来たのなら、すっきりとした気持ちになれて、正しい決断が出来たんではないかと思います。きっと、それでは癒えない部分もあったかもしれません。でも、新しく踏み出して進んで行くうちに、だんだんと落ち着いてくるはずだと思うのです。

泣くことだけではありません。喜びも悲しみも、自分の中に湧いてくる感情を押さえつけてはいけないのです。そうしないと、自分がなんなのか分からなくなってしまうから。

感情は押さえつけてはいけない。そもそも押さえつけるようなものではないのかもしれません。感情を開くことは自分に心を開くということだからです。それは、何よりも自分に寄り添い守ってくれるものになるのですから。

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メルシー

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