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積み重なるストレスと副腎疲労「医者も知らないアドレナル・ファティーグ―疲労ストレスは撃退できる! 」

私の疲れやすさの原因は副腎疲労(アドレナル・ファティーヴ)にあるのではないかと思い、何冊も関連書籍を読んできた。しかし、やはり本家の情報が一番詳しくて、役に立った。原典に当たってみるというのは基本だな。体調を管理するために何をすべきかがはっきりわかった。

この本の表紙の見開きに、こんな言葉が書いてある。

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詳細な質問表に答えていくだけで副腎疲労の原因を探れたし、ストレスへの対応の仕方に関しても、これまでになかった視野が広がった。

古い本なのに価格が高めで、なかなか手に入れられないので、私は図書館で借りた。でも、この本なら手元に置いておいてもいい気がする。
おすすめの一冊だ。

副腎疲労を質問表でチェックする

副腎疲労をチェックする質問表に書き込む前に、考えさせる設問がある。

「最後に体調がよかったのは〇〇〇〇(日付)」で、
「その時起こったことは〇〇〇〇〇〇(もしあれば、起こった出来事)」

過去において、体調が一番よかった時期を思い出し、その時期と比べながら質問表に答えるのだ。そして、すべての質問に答えた後、過去と現在の点数を比較していく。副腎疲労をもたらすストレスは累積的なものだ。何か一つの大きな出来事というより、積み重なるストレスが、やがて副腎の機能の限界を引き起こす。

過去と現在を比べながら質問に答えてみて、私は大学生の時の体調が一番良かったことに気づいた。その時は、こんなにクタクタではなかったはずだ。過去と現在で点数に開きがあった質問をいくつか挙げてみよう。

・原因不明の恐怖や不安を多く抱えている
・慢性的に疲れている。たいていの場合、眠っても疲労が解消されない。
・忍耐力が減った。他人に対して以前よりもイライラする。
・すべてのことを億劫に感じる。
・咳や風邪が数週間長引く。
・明白な理由なしに、肩や背中の筋肉が痛む。
・花粉症に悩まされている。
・アレルギーが悪化している。
・塩や塩分の多い食品が無性に欲しくなる。塩味の食べ物が大好きである。
・生活や仕事に恒常的なストレスがある。
・生活の中に楽しい活動が不足している。

そして、下記の質問に関して言えば、大学生の頃はイエスだったが、今はノーだ。

・ストレスの強い状況が解消されれば、ほぼすぐに調子が良くなる
・友達と夜に出かけて過ごした後は、調子が良いことが多い。

大学生の頃と比べると、完全におっさんになってしまっていることに愕然とした。副腎の疲労度を示す点数では軽度~中度の副腎疲労であることがわかった。

現在:117/261点(重症度1.3)
過去:44/261点(重症度0.5)

参考:
軽度(44~87点)中度(88~130)重度(130点以上)
重症度の指標 軽度(1.0~1.6)中度(1.7~2.3)重度(2.4以上)

ただ、今より5年前(糖質制限など食事を改善する前)の方が、はるかに疲労度が強かった。日記を見返すと、11時台に寝ているのに、午前10時まで起きられなかったのだ。この頃、午後から出社の仕事をしていたこともあり、午前中はほとんど寝て過ごす日々だった。絶えず体調の悪さに悩まされていた。この5年の健康管理でずいぶん人生は変わった。

副腎疲労に気づいて、自己管理をすることでもっと変わることは可能だろう。

健康歴年表で原因を探る

過去には元気だった副腎が疲労してしまったとすれば、そこには明確な原因がある。原因を探るために役立つのが「健康歴年表」だ。自分の健康に影響を与えた出来事を時系列に書き込んでいく。私の場合だと、大学生の時代の20歳くらいが最高潮だとすると、そこから40代の今まで・・・

20年の出来事を思い起こしながら書き込んでいく。例えば、以下のような項目である。

・手術(日付・出来事)
・通院(日付・出来事)
・病気(日付・出来事)
・歯科治療(日付・出来事)
・感情的な出来事(日付・出来事)
・薬(日付・出来事)
・他の出来事(日付・出来事)

完成した表を見ながら副腎疲労のきっかけを探す。きっかけが分れば、原因を見極めてそれに対処することが可能になる。

「アドレナルファティーグがどのように発症したのかを知っていれば、治療計画に役立つことが多く、心理的に大きな満足がもたらされる。ある日歩いていたら、突然アドレナルファティーグが空から降ってきて自分に当たったのだというような印象が払しょくされる。代わりに、アドレナルファティーグには発端があり、原因を特定できることが分かるようになる。そうすれば、直ちに現在より有利な立場に立つことなる。(P96)

引用:医者も知らないアドレナルファティーグ 中央アート出版社 ジェームズ・L・ウィルソン(本間良子・訳 本間龍介・監修)

書き込みながら気づいたが、私が大きく体調を崩し始めたのが24~25歳の頃の一人暮らしだ。この時期に住んでいた、アパートは湿気がひどく、部屋がカビだらけだった。それを放置して住んでいた結果、何度もインフルエンザにかかり、すっかり体調が悪くなってしまったのだ。カビは体に悪いから要注意だ。

その後、結婚するが、30歳前後には過酷なストレスを感じる仕事につき7年ほどの間にすっかり疲弊してしまった。昼夜の別なく出動する仕事だったので、心身への疲労は大きかった。一年に何度も風邪を引き高熱を出して寝込んだ。

アルコール量が増えて、一時期は毎晩ウイスキーを飲んでいた。この頃は、非番の日の朝は10時過ぎまで寝ているという感じだった。とにかく起きられないという悩みが大きかった。やがて慢性膵炎のような症状が出始めて、お酒を一切飲めなくなった。これを機に、食生活の改善を始めたのだけれど、もしそのきっかけがなかったら今は副腎疲労が大きくなり、ぶっ倒れてしまっていたかもしれない。

副腎疲労は、ストレスの積み重ねで生じる。結局のところは生活習慣を改善して、副腎を回復させるしかない。

良いもの・悪いものリスト

生活習慣を改善する際には、自分を疲れさせてしまうもの(エネルギー泥棒)を見極めて、それにどのように対処するかを決めることが大事だ。「簡単なワークがある。一枚の紙に、自分にとっての良いもの・悪いものをひたすら書き出すのだ。

「良いもの」とは、自分の健康や幸福に影響を及ぼしているもの。「悪いもの」とは、自分の健康や幸福に悪影響を及ぼしているものだ。リストを書き出したら、良いもの・悪いものに順位をつけ、それぞれ上位5番目までを抜き出す。自分にとって悪いものは排除し、良いものは出来る限り増やせるかを考える。

私も実際にリストを作りながら、整理してみた。こういう時はモヤモヤ整理マップが便利だ。

ストレスの原因はよくわかった。でも、ストレスだと分かっていても変えられない物事のほうが多かった。ストレスをすぐに解放できたら副腎疲労にはならない。大学生の頃は、社会的な縛りはほとんどなかった。嫌な人とは付き合わなければよかった。

私の場合、ストレス源になっているのは、だいたい人だ。我慢しながら付き合っていると、相当のストレスを抱えていてドカ食いしたくなる。ただ、どうしても距離を置けない人間関係があるのも事実だ。そういう場合には、その人間関係がストレスを与えていることを理解したうえで、下記の方法を試せないかできるだけ工夫することだ。

困難な状況にある時にできる3つのこと
1:状況を変えることができる
2:状況に合わせて自分を変えることができる
3:状況から離れることができる

引用:P125 医者も知らないアドレナルファティーグ 中央アート出版社 ジェームズ・L・ウィルソン(本間良子・訳 本間龍介・監修)

簡単ではないけれど、ストレス源を見極めて必要以上に自分を疲れさせない方策を探り、できるだけ工夫することで、自分を(そして自分の副腎を)守ることができる。

以前「境界線」について学んだのを思い出した。境界線を引ける人にならなければ、いつまでも無駄に自分を消耗することになるだろう。

その他の生活習慣

副腎疲労を回復するために、変化させることができる習慣はたくさんある。若き頃に私が部屋のカビで苦しんだように、住環境などもストレスになっていることがある。また、長引くアレルギーや疾患も副腎を疲労させる。睡眠、運動、食事の習慣、気づかない食物アレルギーなども大きな影響を与える。

よく祖母が「痛いということは生きているということだから、ありがたいことなんだよ」と言っていた。確かに。生きているというのは、何らかのストレスを受け続けているということ。これまで、その言葉を座右の銘に頑張ってきたのだが、そのストレスが副腎が対応できる限度を超えないようにしなければならない。

すでに、ストレスが蓄積されているなら、あちらこちらに心身の悲鳴が聞こえるようになっているかもしれない。副腎疲労という視点で、改めてストレスと向き合って、自分と周囲の環境を変えようと決意することができた。食生活や睡眠習慣の改善で、明らかに5年前よりも副腎疲労は和らいでいる。方向性は間違っていない。あとは、コツコツ実行することだ。

1年後にもう一度副腎疲労チェックリストを書いて、その時のストレス度を確かめてみようと思っている。

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq