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わが子を愛するすべての親御さんへ

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記事一覧

「雨 ビチョビチョ」

「雨 ビチョビチョ」

夕方から外は雨 赤い靴を履いて散歩をせがむ君
 
一緒に出掛けよう 雨は危険なほどではない
 
ハイテンションな君 僕は車が近づいたら…
 
「止まる」
 
「止まる」を一緒にしてみる
 
雨は降り続く
雨を感じる
 
「雨 ビチョビチョ」
 
と言いながら
シャツをパタパタ
頭をクシャクシャ
 
雨を概念ではなく
雨を身体で感じる
 
「雨 ビチョビチョ」
と言いながら
雨で遊んで
真っ暗な公園

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キセキの子

9月14日に私の娘が女の子を産みました。
僕たち夫婦の初孫(ういまご)です。
ユイと名付けられたその子はキセキの子です。

私たちの娘は、脳下垂体前葉というホルモンを司る器官がまったくなく、生存に必須のホルモンを外から補充しています。

特に妊娠、出産に関しては女性ホルモンをはじめとして、複雑なホルモンのバランスが必要となるため妊娠の継続は難しいというのが医学界の常識でした。

しかし、奈良県桜井
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「1年1組のみなさんへ」

「1年1組のみなさんへ」

みなさんは、今までに何回ぐらい注射をしたことがありますか?予防接種や病気になった時にしましたか?5・6回ぐらい?10回ぐらい?もっと?
 
さて、では105人いる一年生の中で一番たくさん注射をしたことがあるのは一体誰でしょう?
 
それは多分ミヅキだと思います。
 
ミヅキは、何十回、何百回、、いいえ、もっともっと何千回も注射をしたことがあるのです。
 
ミヅキは、小さい時とても体の弱い子でした。

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「ミライのテーマ」

Y BABY GIRL
CUTE! CUTE! ほおずりして
GYU! GYU! 抱きしめたら
SWEET! SWEET! 甘い匂いがする

作詞作曲:山下達郎「ミライのテーマ」より

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そう、あなたが生まれた時
SO CUTE & SWEETで
GYU! GYU! と僕はせずにいられなかった

あの感動を
あの喜びを
あの驚きを

与えてくれたのだから
僕らははも
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「違っていい」

「違っていい」

光明が見えたとはいえ、相変わらず食は細いし、感染症には弱くて、幾度か娘は生死の間を彷徨います。妻は、疲れ果てているにも関わらず、増々ナーバスになっていきます。あるきっかけがあって、私は決断しました。
 
「私が、仕事を辞めて、娘を看よう。妻は、なるべく娘から離す」
 
「イクメン」とか「主夫」という言葉もまだなかった時代。しかも、大学時代は「宇宙一ええ加減な人間」と呼ばれていた私が、病弱な1歳半の

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「一筋の光」

「一筋の光」

原因不明の痙攣発作、改善しない肝機能障害、甲状腺機能の低下、度重なる感染、一日3回溺れるように薬を飲ませ、点滴の針は娘の細い細い血管を潰し、問題は増える一方で、娘の命は陽炎のように揺れている。こんな生活がいつまで続くのか?と不安しかない毎日でした。
 
転機は、私の友人が知り合いの看護師さんを通じて、低血糖症の専門医を紹介してくれたことです。それまで懸命に対応して頂き、信頼していた医師を元を離れ、

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「コミットメントするのは誰?Ver.2」

「コミットメントするのは誰?Ver.2」

生後、半年頃から娘の痙攣発作が頻発するようになりました。発作の状況から「てんかん」を疑われ、抗てんかん薬(フェノバール)を処方されたのですが、相変わらず発作は起きるし、娘も薬の服用後はフラフラになってしまいます。
 
妻は気づいていました。「お腹の減っている時にしか発作は起きない」
 
これを主治医に訴えますが、聞き入れてもらえません。僕も「先生の見解を信じた方が良いのじゃないか?」と内心思ってい

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「死の淵、そして花火」

「死の淵、そして花火」

熟睡することなどできない入院生活を2年ほど続けたある夏の夜、私たち夫婦は、些細なことで、今、考えれば本当につまらないことで、互いに追い詰められてしまいました。
 
妻は、病室を出ていってしまいました。娘を放って探しに行くわけにもいかず、私は待っていたのですが、後で聞いた話によると、妻は、病院の屋上へ出て、そのまま、飛び降りようとしていたそうです。
 
(これで楽になれると…)心は穏やかだったそうで

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「慢性的な寝不足が睡眠障害に」

「慢性的な寝不足が睡眠障害に」

私たちの長女は、約2時間後には、低血糖状態に陥ってしまうので、2時間毎にミルクでの栄養(糖分)補給をしなければなりませんでした。
 
それが、毎日、毎晩続くのです。妻は、献身的に長女の面倒を診ましたが、慢性的な寝不足状態となり、疲れ果ててしまいました。その影響は、今、現在も続いています。
 
(つづく) to be continued

「あり得ない低血糖症状」

「あり得ない低血糖症状」

血糖値は、健康な人であれば、通常、空腹時で100mg/dL(以降、単位省略)前後です。一般に、血糖値が70以下になると、人のからだは血糖値を上げようとします。また、血糖値が50未満になると、脳などの中枢神経がエネルギー(糖)不足の状態になります。その時に出る特有の症状を、低血糖症状といいます。
 
ピンクの血の血糖値は、16でした。あり得ない低血糖状態です。おそらくほとんどのお医者さんもそのような

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「ピンク色の血」

「ピンク色の血」

あなたは、指先を針で刺したことがありますか?刺した経験がある人ならおわかりになると思うのですが、少し黒みかかった赤い血液が玉のようになって、指先で留まりますよね。
 
血液は、血漿や血球で構成されていますが、血漿成分に糖(ブドウ糖)が含まれていて、その糖の濃度を血糖値と言います。おそらく血液にはこの糖が含まれているから、血液は流れ落ちず、少量であれば玉になるんだと推測します。
 
なぜ、そう思うの

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