米国コロナでうつ病が3倍に、その傾向とは
日本では新型コロナの流行が続いています。不安やストレスで気が滅入る方も多いのではないでしょうか。「コロナうつ」という言葉も一般的となり、新型コロナによる精神面への影響が注目を浴びています。
そんな中、米ボストン大学が2020年9月にある論文を発表しました。2020年の3月~4月にアメリカで調査を行ったところ、「新型コロナの流行前(2017年~2018年)と比較してうつ病が3倍になった」というものです。
今回の疫学調査については、日本を含めいろいろな国で同様の調査が行われており、結果はどれも似たり寄ったりでした。つまり、社会的背景によらず多くの人が精神的な影響を受けており、とりわけ影響を受けやすいのが経済的・社会的基盤が弱くストレス要因の多い人である、ということです。
この結果を見ると、新型コロナによるストレスから逃れることはできないように思えます。少しでもストレスを発散できるように努め、自分や周りの人にうつ病のサインがあれば助けを求めるほかに無いのかもしれません。
しかし希望もあります。現在、日本ではワクチンの接種が行われており、長い目で見れば新型コロナの流行や精神面への影響は減っていくと予測されます。皆が平穏に暮らせる日々が一日でも早く戻ることを願います。
参考引用:
Ettman CK et al. Prevalence of Depression Symptoms in US Adults Before and During the COVID-19 Pandemic. JAMA Netw Open. 2020;3(9):e2019686. doi:10.1001/jamanetworkopen.2020.19686
Pierce, Matthias et al. Mental health responses to the COVID-19 pandemic: a latent class trajectory analysis using longitudinal UK data. The Lancet Psychiatry, Volume 0, Issue 0
Michiko Ueda et al. Mental health status of the general population in Japan during the COVID-19 pandemic. Psychiatry and Clinical Neurosciences 74: 496–512, 2020 など
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