ふわふわとふわふわの衝突
遠くを見る
目の疲れを癒したくて遠くを見ようとした。バスに揺られる時間と、バス停から自宅まで歩く時間で目を休めようと思ったのだ。それは無為にブルーライトを浴びるより有意義にちがいない。思い立つまま、名案とばかりに顔を上げて気が付いた。避けようのない近さに情報があふれている。困ったな。
決めたそばからスマホを頼るのはなんとなく悔しくて、目を瞑って考えてみる。遠くって、どこだろうか。
目を開けば視界いっぱいにごった返す光や文字に勝手にピントが合ってしまう。開けた大通りの奥に視線