寒暖差←無理
太宰いきる沈むインク壜くもり酔う黒塗りの言葉たち
春ゆらぎ雨くらげ幾星霜われるさざなみ
夏なきがらゆれるカーテン影みなも
「そういえばこんな人がいたよな」とほんのり記憶に残る人間になりたかった。そんなふうに生きるには、大事な人が増えすぎた。贅沢で幸せで死ねなくて煩わしい。
バスの窓から見えるくだもの屋の店内すべてオレンジ色
みかんの季節
死体を乗せた車を走らす高速道路で聴きたい音楽
遠い月のにおいも手触りも案外身近なものと似ていたら素敵だ
たとえばシートベルトのさらさら感とかベビーパウダーのにおいとか
アンチナタリズムが思想としてかなり横暴というか、それなりに楽しく幸せに生きている人達の人生に水を差すものだってわかってるけどそれでも生誕こそ災厄だって言わずにいられない、産まれることが幸福と言えるほど世界は平等でも公平でもないから
それっぽい言葉を並べるあれもこれも私が幼稚なだけだって本当はわかってる
ひかりの中では僕らは光らないらしい
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