新産業共創エコシステムにおける組織と越境人材の役割について - Industry-Up Day Keynote 1 ほぼ書き起こし
SUNDRED株式会社と経済産業省関東経済産業局との共催で2021年9月10日-19日の10日間開催の「Industry-Up Week Autumn 2021」
有給をとって朝から視聴。初日のキーノート1「新産業共創エコシステムにおける組織と越境人材の役割について」こちら、内容が非常に素晴らしく、色々な人に広めたい。しっかりと整理・言語化しておこう!とnoteの執筆をはじめました。動画を見ながら執筆作業、サマリーの予定が”ほぼ書き起こし”に、、大事なポイントが沢山あるので是非読んで欲しい。
Industry-Up Day「その先の未来」を実現するための新産業共創 - Beyond SDGsに向けて -
【キーノート1】
新産業共創エコシステムにおける組織と越境人材の役割について
<登壇者>
紺野登 氏
SUNDRED株式会社共同運営者・パートナー/一般社団法人Japan Innovation Network Chairperson 理事 / 一般社団法人Future Center Alliance Japan代表理事 /多摩大学大学院教授
紺野さんは「知識経済の中での経営とか社会というのを研究」そして「実践としていろいろなプロジェクトに関わり」「本を書いている」。
具体的には
”知識生態学”という”どうやって社会や組織が知識を生み出したり作った資産をうまく活用しながら長期的な成長していくのか””イノベーションとかデザインにもそこが関わっている”。
同時にそこでは従来の組織ではない、”それぞれが絡み合う交流する場が大事”。「リビングラボ」「フューチャーセンター」「イノベーションセンター」のような場、これが実践。
本は「ダイナモ人を呼び起こせ」
「ダイナモ人」というコンセプトでいろいろと提言している。
ルールに従い効率化に励むだけの「優秀な人材」は、もういりません。
自らの意思で未来をつくるダイナモの情熱やエネルギーなくして、
イノベーションも企業革新も不可能です。
西垣淳子 氏
独立行政法人経済産業研究所(RIETI)上席研究員
30年ほど経産省で役人をしている。30年の間アメリカ留学であったり研究所に行ったり、役所に限らずに活動をしている。
”何が起こるのか?不確実にな中で、自分と似たような価値を持ってる人とだけ仕事をやっていくと、何をやるべきかが見えなくなっていく”そういうことを実感している。
その新しい価値にどう対応していくか?から”デザイン思考”を行政組織も経営者も取り入れていかなければいけないと考え、デザイン経営推進を数年やっている。
”デザイン経営宣言”は経産省と特許庁で2018年に発表した宣言、企業の競争力の向上のため「自分たちの価値を上げるブランド力の向上」「自分たちがどう価値を提供していくかを見極める」この2つに絞ってる。
上村遥子 氏
SUNDRED株式会社 チーフエバンジェリスト・パートナー
キャリアとして2016年ぐらいの頃にDMMでコミュニティマネージャーをやっていた。スタートアップと寄り添いながらオープンノベーションなどにも関わってきた。
今は行政でのスタートアップ支援の役割の顔、宇宙産業でのスタートアップのメンバーの顔、そしてインタープレナーコミュニティのリードしている顔がある。
社会起点で考え、自分のスキルやアセットをどのように活かしていくか?もう自分でデザインしていける時代。何のために越境していくか?を考えながら動ける人を増やしていくか?このコミュニティつくりをSUNDREDでの一番のミッションとしている。
留目真伸 氏
SUNDRED株式会社 代表取締役・パートナー
元々は企業の経営をやっていた。新しい時代において「目的」を新たに定義し「共創」して、それを実現していくことや、課題を特定して課題を解決していくこと。これも1社で、あるいは個社の製品やサービスだけで実現できなくなってきている。言い換えると「もっとたくさんのことができるようになっているということ」
つながった全体像をどうデザインするか?それで新しい目的を実現していくのか?そんなところに興味が出てきて、SUNDRED / 新産業共創スタジオを運営している。
新産業共創エコシステムにおける組織と越境人材の役割について
ディスカッションテーマは3つ
1. 新しいパラダイムに向けて、価値創造の仕組みはどのように変わったのか、その原因・きっかけは何か?
2. 企業・組織にはどのような変革が求められているのか?
3. 個人の生き方、社会・組織との関わりはどのように変わっていくのか?
【1】新しいパラダイムに向けて、価値創造の仕組みはどのように変わったのか、その原因・きっかけは何か?
<留目>
変わった変わったと言われている。
どう変わった?あるいはそれは何で変わってきているのか?
というところに関して、皆さんの話しをお願いします。
新しい価値創造の仕組み=新しいパラダイム
<紺野>
新産業共創スタジオの活動は大きな意味を持っている。新しいパラダイムが変わった、価値創造の仕組みが変わった。というよりは"新しい価値創造の仕組み=新しいパラダイム"
反対意見もあると思いますが、”製造業のビジネスシステム”が日本では支配的、世界もそうかもしれません。
例えばPL計算書はもともと工場経営。工場に材料が持ち込まれてその原価の上に付加価値がついて売上がある。
知識社会にあっていない。
製造業から知識製造業にならないとイノベーションになりにくい
<紺野>
今イノベーションの時代とは言わてる。製造業の組織やシステムのままだと、多分イノベーションは起こしにくい。(もちろん製造業でもイノベーションできなくはない。)
"製造業から知識製造業にならないとイノベーションになりにくい"。
これまでの重厚長大なイノベーションの時代から"知識創造型"のイノベーションの時代が大きな流れの一つ。
もう一つは、これまでの経済学は、どちらかというと限られた市場の中での需要と供給、与えられたものとして市場業界を考えていた。最近は"マーケットをどうデザインするか?"ゼロサムゲーム、競争でない。自分で作り上げていくってこと。
この仕組は一社一業界ではできません。SUNDREDのコラボレーションという新しい経営活動のパターンがないとうまく生み出されない、これからのチャレンジだと思います。
つながった経済、エコシステムという話しがでてくる。直接的な答えではないが、こんなことを考えている。
<留目>
モノを作るのが大変だった時代から、わりと容易にできるような時代。つくられたモノが重要ではなく、それらをつなぎ合わせ、どんな世界を実現していくのか?
社会のデザイン、事業のデザインも大事になっていた時代になったんだなと思う。
デザイン経営・デザイン思考の観点から西垣さんどうでしょうか?
当時はデジタル化でデータをつなげることで、製造業の業務効率の改善とか現場改善の方にどんどんIoTの議論になってしまった
<西垣>
デザイン経営の重要性を痛感したのはモノづくり政策審議室長をしていたとき。ドイツが第4次産業革命インダストリー4.0を公表。それに対して日本の製造業はどう立ち向かっていけばいいのか?を議論をしていたとき。
当時はデジタル化でデータをつなげることで、製造業の業務効率の改善とか現場改善の方に、どんどんIoTの議論になってしまった。
何を創造していくのかという企業の上流から変えていく
<西垣>
その時にドイツや外資企業の方々と話すと、現場をより良くするっていう話ではなく
・その現場で作られたものが世の中に出ていてそれがどう使われているか?
・それに対してユーザーがどういう価値をさらに求めてるのか?
・ユーザーの声をデジタルでつなぐことで、モノづくりの起点の技術開発をしていくか?
単なるデジタルデータを連動して今の業務を変えるということではない。
"何を創造していくのかという企業の上流から変えていく"。
この動きが始まってるんだなって。
Z世代の価値をどういう風にとらえるかに対応していかないと、売れるものをヒット商品が出ない
<西垣>
デジタル化とともに"デザイン思考"の導入、両方をやらないと次の世代には立ち向かっていけない。と感じながら"デザイン経営"をやっている。
最近感じるのは日本は若い人が少ない。なかなか世の中の大きな声になってない。Z世代、完全にデジタルネイティブの世代
"彼らの価値をどういう風にとらえるかに対応していかないと、売れるものをヒット商品が出ない。こういう手詰まり感に世界の市場がぶつかり始めてる"
この動きに対応していくのは、日本の中でも若い世代が早い。
Z世代の声に応えていこうとしたときに既存の企業が自分たちの持っている枠組みだけでは対応できなくなっている。
だからこそ新産業共創のエコシステムが大事になる。これの必要性というのは若い世代が市場のプレイヤーになってきたとき、市場の買い手になってきたことによって加速化されていくと見ています。
一方的に作る側、消費する側じゃなくなってデータを共有しあって欲しいものを欲しい。それをいかに共創していくようなチームができあがる
<留目>
さらにインターネット、デジタルユーザーの声がつながっていくことがきっかけにあるのかもしれません。
それはシームレスに繋がっていくから、一方的に作る側、消費する側じゃなくなってデータを共有しあって欲しいものを欲しい。それをいかに共創していくようなチームができあがる。
一人一人が求めるものが、つながったエコシステムの中でフレキシブルに作られていくような、そんな時代になってきているんじゃないかなと思います。
【2】企業・組織にはどのような変革が求められているのか?
<上村>
DMMという会社は非常に変わった会社で、亀山会長っていつも似顔絵しか出てこない会長がいるんですけど、会長は全部決めていかなくて、本当に全てボトムアップでいろいろと面白いことやってます。
ほとんど会長ではなく、周りの人たちの「これやりたい、これやりたい」ってものに会長がお金を出すみたいな仕組み。やりたいものを、やらしてもらえる組織文化。
ハードウェアのスタートアップが活きるコミュニティーづくりで大きく寄与
<上村>
DMMが、ハードウェアのスタートアップ支援をやるってなったとき、ITカンパニーって言ってたのになんでハードウェアやってるの?みんな疑問に思われたと思いますし驚かれたと思うんです。
それも「やりたい」って言って始まった、やったことによって結局どんなことが起きるかっていうのはもちろんその会社にとってもいろんな未知数なところではあった。
DMM.make Akibaコミュニティー自体は拡大拡大っていうよりかはどちらかというとMまああるべき姿シンプルに変わっている。
でも”ハードウェアのスタートアップが活きるコミュニティーづくりで大きく寄与”した。
今までにそういった人たちが溜まれて何か価値創造、誰でもモノ作りができる場、人と繋がる環境がなかったので、コミュニティマネージャーとして一緒に作れたのが大きいなと思っています。
やっぱり大きな変わり目だったのかなって思います。愛知県とかいろんなエリアから「新しいモノづくりのパラダイムシフトに向けてどんなことができますか?」っていうのを沢山見学にいらっしゃっていたので、動きとしてはダイナミックに体感していた覚えがあります。
<留目>
会社の中でみんながやりたいことができる環境。何かを作ろうと思ったら、事業をやろうと思ったらできてしまう。面白いと思うのはやっぱりコミュニティですね。会社と社員、ユーザーさんともちょっと違うコミュニティ。これはどういうものなのか?
昔の製造業のビジネスモデルのままモノ作りで売ろう、儲けて儲けようと思ってると時代に合わなくなってきてゲームができなくなってきている
<紺野>
先ほどは製造業の時代が終わったみたいな言い方だったんですけど正確に言うと”製造業がもともと持っている知識を作る力、これはサービス業より強いんです明らかに”ただ”昔の製造業のビジネスモデルのままモノ作りで売ろう儲けて儲けようと思ってると時代に合わなくなってきてゲームができなくなってきている”。
ナレッジの時代は生産手段は個人が持っている
<紺野>
資本家はすべて工場から何から全部持っていって、働く人はただその生産手段を使って働くだけだった。
「ナレッジの時代は生産手段は個人が持っている」知識・能力・センス、個々の持っている力を結集してボトムアップ型の組織にしないと価値が生まれない。
そういう意味では”一人も取り残さず”は量産型の発想だとバラツキ、漏れがあって不幸な人は出てくる。
個々の持っている力を結集していくコミュニティーを作るっていうところがまさに組織の基盤になる
<紺野>
その逆で個々の持っている力を結集していくコミュニティーを作るっていうところがまさに組織の基盤になると思うんです。
そうなると僕らはイノベーションマネジメントシステムっていうのを今普及してるんですが、経営のシステムも変えていかないといけない。
どうやってバラバラなものをコミュニティでつなげるか?という意味で”目的因子”がものすごく重要になります。そこで”目的工学”を研究している。
まさにコミュニティ型の組織。
コミュニティーシップ
<紺野>
またリーダーシップの概念、三角形の頂点、ピラミッドの頂点に立って引っ張るタイプのリーダーシップはもうないです。むしろ”コミュニティーシップ”。これはミンツバーグが言っていますが、まさにそういう時代に入ってきたと思います。
<留目>
一緒になってくる。ユーザー側、メーカー側ではなく一体化、コミュニティ化している。
社会もですね、これまでマス生産しかできなかった時というのは、社会を”1つのものだ!と捉えるしかなかった”、けれど”個々に対応できるように、デジタル・インターネットの力でできるようになってきた”、まさにこれが「1人も取り残さない」。というところになるんだと思う。
コミュニティこそが社会であって、同じような課題認識を持っているのが社会であって、その社会と一緒に事業や産業を創り上げていく。そういう時代ではないか。
ボトムアップ型がますます必要になってきてるんじゃないか
<西垣>
組織や企業っていう意味でいうと、特許庁の組織の中でデザイン経営をどう進めるかを取り込んできて3年目に入ります。
その組織の中での物事の考え方も、さきほど紺野先生がおっしゃられたようなボトムアップ型がますます必要になってきてるんじゃないか。
そうしたときに既存の組織、特に行政組織は、ヒエラルキーがはっきりしていて硬直型になりがち、よく縦割りの弊害って言われます。
縦割りの部局ごとに「何をやるべきか」の意見をまとめた上で、部局間同士で議論をする。これをやると部局から出てきた人が、もうその考えから離れられなくなってしまうのでせっかく議論しても歩み寄りづらい。
意識決定の仕方にどういう風に個々人の能力を活かしていくか
<西垣>
個人個人の意見をどういう風に組織の中に反映していくか?
から考えると意思決定の過程にも相当変革が必要だなっていうことを痛感しました。
”意識決定の仕方にどういう風に個々人の能力を活かしていくか”
"デザイン系プロジェクトチーム”と言うチームを作った
<西垣>
我々のやり方は特許庁の中に通常の組織とは別に”デザイン系プロジェクトチーム”と言うチームを作った。これはボランタリーにやりたい人が手を挙げた方式、そこでいろんな課題について考える。
チームのみんながいろんな話を聞きにいって特許庁に何が求められているかっていうことを聞く
<西垣>
普段話をしていないような相手のところにいく。ユーザーはどう特許庁を見ているのか?あるいは特許庁の場合は、申請してきて初めて特許庁との関わりが始まるけれども、申請してきてない普通の人たちは我々をどう見ているか?そういったところに”チームのみんながいろんな話を聞きにいって特許庁に何が求められているかっていうことを聞く”。
これを進めながらで、かつそれが通常の組織ではないので、チームの中をフラットにして、みんなで議論をしながら。
”自由な議論ができる場を作り”そこから”特許庁がこれから何を目指していかなければいけないかっていう課題を考える”。
そういう新しいチームを作ったっていうのが大きな点でした。
チームで出てきた提言をどうやって組織の中に生かすか?特許庁の場合はCDOっていうデザイン最高責任者をトップが兼ねました
<西垣>
その次は、この”チームで出てきた提言をどうやって組織の中に生かすか?”これはもう本当に組織の硬直性が強ければ強いほど難しいと思うんですが、その中ではトップの英断ですね。
”特許庁の場合はCDOっていうデザイン最高責任者をトップが兼ねました”。
”新しいアイデアを組織の中でどう培っていくかを具体化するか?”ここはやはり”トップダウン的な要素も加味させながら進められることを進める。”
大きく分けると2つです。
”自由な発想が出てくるような場を新たに創り上げ”そこで”出てきた課題を取り入れるトップの英断”
<西垣>
この2つが組織にとっては大きな変革点につながった理由なのかなと思っています。
<留目>
社会コミュニティに近い、現場コミュニティに参画しているメンバー。そこから社会の目的、システムを作る発想がでてこないといけないのです。それをどう実現できるのか?ということでやはり組織を動かしていくリーダーの力が必要と考えています。
【3】 個人の生き方、社会・組織との関わりはどのように変わっていくのか?
3番目のテーマに、
一方的に作る側が使う側を消費する側ではなく一緒に作り上げていく。かつ一人も取り残さずに
<留目>
”一方的に作る側が使う側を消費する側ではなく一緒に作り上げていく。かつ一人も取り残さずに”
社会の中の目的をいろんな単位で作り上げていく。そこに参画しながら自分が所属している組織へもそれをフィードバック。組織の中の人も、それらを聞きながら社会全体の関わりと、自分の組織の関わりをデザインしていく。価値を創造して。いくそんな時代になったんじゃないかなと思っています。
個人の生き方やその社会組織との関わりはどのように変わってきたのか?
新しい時代に個人としてはどのように備えていったらいいのか学んでいったらいいのか?
<紺野>
デジタル化の話が出ましたよね。
ある学生がどの程度デジタルメディアに接していて日々の生活の中でそれを活用しているか?
例えば、テレビを見ています。勉強します。授業に行きます。全部ネットで動くわけです。彼らの部屋にはもうテレビもラジオもなくてパソコンだけがすべての役割をするメディアになっている。
どれぐらいの”パターンで彼らがこうスイッチするかっていうと20秒ごと”っていうんですね。僕の生活もそうですね。
ワークライフバランスみたいなものは無くなるんだろう、すべてミックス
<紺野>
何が言いたいかというといわゆる”ワークライフバランスみたいなものは無くなるんだろう”と思うんですよね、”つまりそういうものがすべてミックス”
消費者だった人は創造に参加する生産者でもある
<紺野>
”消費者だった人は創造に参加する生産者でもある”。”生産者から何かを買うのが消費者である”という定義もなくなってくる。
”ワークとライフのバランスこれを分けるのはもう時代遅れということになります”
”個別の組織の中で働くという形がだんだんなくなってきてはいる”と思うんですね。誤解を恐れないように言いますと、SUNDRED / 新産業共創スタジオ ではインタープレナーって言葉を使われてます。
インタープレナーは何か大きな目的のためにいろんなものを繋げる、むしろ追求型の人
<紺野>
インタープレナー、”これは決していろんなところをつまみ食いしてハッキングして何かいいとこ取りをする人じゃない”と思うんですよ。
”何か大きな目的のためにいろんなものを繋げる、むしろ追求型の人”
ワークとライフのバランスというか、その境界が消えてしまっている中で、どうやって追求するか?という新しい人材像っていうのが出てきているのかなと思うんですよね。
新しい人達、まさにZ世代はそういう人たちで、彼らは自然をそれにやってるんですよね。
日本は三重苦
<紺野>
日本は三重苦
・女性の参加も少ない
・Z世代も世界の人口比だと3割ぐらいだけど、日本は高齢化してるんで17パーセント。彼らは非常にマイノリティになってる。
・それから外国語
こういう三重苦に我々囲まれている。
オープンな場で、三重苦を超えてつながっていく。これがすごく大事だと思います。
<留目>
インタープレナー、越境人材、越境という言葉もだいぶ言われるようになったと思う。越境してメンタルモデルが違う人たちと話せるように、フラットに会話ができるようになるってすごく大事なことだと思う。
この後に目的を見いだして、あるいは評価する世界観というの積み上げていったら、今度はそれを作りに行かないといけない。
作り行くには自分本位ではできないのです。世の中にはたくさんのアセットがある。自分が所属している組織があってその組織をどう動かすのか?ここが非常に重要。組織も動かせない。リソースもアセットも動かせない。参加だけで、未来のお話だけに参加しているだけではやっぱり意味がないのではないかと思うんですよね。
ワークという限定された場でないところとのバランスを取ることによってまず自分の世界を広げていく
<西垣>
紺野先生がもうワークライフバランス、バランスどころかもう全部一緒じゃないかっておっしゃられたのはまさにそうだと思います。
ワークライフバランスが言われた当初は、働き過ぎ、働き方改革の文脈だった、バランス取る以前にライフがなくて、しかもワークも一カ所に閉じ込められて同じ組織の中で同じような価値観の人達とずっと一緒にいる。
そういうことではなくて、まずライフという切り口から多様化する、地元の人とか地域の人とか、”ワークという限定された場でないところとのバランスを取ることによってまず自分の世界を広げていく”
ワークライフバランスの価値はなくなってない
<西垣>
そのためにはワークライフバランスっていう言葉は大事だったと思うんです。なのでワークライフバランスの価値はなくなってないと思うんです。
ライフというワークと違う場を知り始めたとき、そこでの知識がものすごくワークに役立つ。
例えば私自身は30代の最初に子どもを産むんですけれども、子どもを妊娠して育てていく過程で地域の社会の方々とお話をする機会を持つようになった。自分が育休から復帰して職場に来たときに自分が持っているその意味、自分が見いだせる価値が、この職場においては非常に新しい価値だっていうことを発見し逆にそれを発信するようになっていったんですね。
それが先ほどの紺野先生の”消費者が生産者”であるっていうところとおそらく行政組織においては同じで、行政を提供する側が行政の享受者側の立場になって初めて両者の意味が分かるようなことができるようになると。
”ワークじゃない場所の価値を享受できるような、価値観を実感できるような場をもっともっと持っていくことによって変わってくる”と思います。
企業においては企業が提供する商品やサービスに体現されるでしょうし行政の場合は行政サービスという形であるいは政策そのものも変わってくでしょう。
こういったことが進んできてる。というか進みつつありますし、もっともっと進めていかなければいけないんじゃないかと思っています。
いかに他者と交流するような機会を作っていくか?
<西垣>
例えば兼業規制の緩和とかあるいは副業解禁とか、特に行政組織の場合はいまだに職務専念義務とかいろいろあって非常に難しいんですけれども、そうした中で”いかに他者と交流するような機会を作っていくか?”それを利用していくか?っ
SNSとかいろんなところで個人の見解を発信し、他者と一緒になって考える場をみんなが持てるような、そういったところがこれから進んでいくことによって”ワークとライフが一体化する。多様な人たちの価値観がいろんな場に見出せるような世界になっていく”ということを期待しています。
Z世代って本当にSDGsネイティブ、17パーセントの意見の人達を2倍の意見として大きく捉えるような
<西垣>
Z世代の割合が少ないのは日本にとってはものすごくマイナス。3割に対して17パーセント。この数字を考えたときに17パーセントの意見の人達を2倍の意見として大きく捉えるような、こういうことをしていかなければ世界の中で日本が取り残されてしまうんじゃないかなって、ものすごく心配しています。
それが表れているのがSDGsの世界だと思ってて、”Z世代って本当にSDGsネイティブ。地球の価値とかそういうことを普通に考えてる高校生、大学生この子たちの言っていることを、もっと社会が受け入れられるようになっていかないといけないんじゃないかなと思っています”。
<留目>
これまでは効率重視だった。組織の中で暗黙知を貯めて、余計な質問をしない。阿吽の呼吸で動く。暗黙知が定着してメンタルモデルとして染み付いてないといけない。ってことだったと思う。
越境して、新しい価値観やメンタルモデルに触れて、よりバランスのとれた世界観を目の当たりにしたことが重要ではないか。
もともと産業・事業は、そもそも世の中に求められているものを作っていたはず。自動車がなかった、あるいは安く手に入らなかったので自動車を安くしていくってことが必要だったわけですよね。
そう考えるとSDGsあるいは、Beyond SDGsと言われている新しい世界が世の中が求めているものであって、私たちが何かそこから目を背けて”これまでやってきたことだけをやりたい、そのこと自体がちょっとメンタルモデルとして成り立ってないんじゃないかな”と思います。
最後インタープレーナー代表で上村さんに新しい時代の生き方に関して
新しい生き方ができるって信じること
<上村>
社会に対して自分がどう貢献していて、それを言い切れるか。という部分と、自分でそれをデザインできる時代が来ている。というところがあります。そういう”生き方ができるって信じること”。
インタープレナーコミュニティではいろんなセクターから集まってきてます。そういった人たちがお互いのテリトリーから一歩踏み出して違うテリトリーのことを知ることによって自分事化している。
ナラティブみたいな形で、人と何か一緒にやっていけるということが生まれてくるんじゃないかなと思います。ぜひコミュニティに来てください。
あと何度も出てきたZ世代というキーワード、すごく大事だと思っていまして自分自身も30代なのでZ世代の人たちとどんどん混じり合ってその彼らの見える景色っていうのを知りたいなと思っている。
インターネットサミットでは、Z世代の方々のライトニングトークがありますので、ぜひ見ていただければと思います。
”新しい生き方っていうのはどんどん始まっている”というところを伝えていきたい。
<留目>
ありがとうございました。
「Industry-Up Week Autumn 2021」今回は関東経済産業局とSUNDREDの共催です。またインタープレナーの活躍に向けた環境整備のためのサーベイも行っています。最終的には政策提言を行っていきます。
是非、ご協力ください。
---
<編集後記>
良いセッションだったなぁ。と勢いで書き始めて、サマリーで整理するつもりがほぼ書き起こし。私にとって新しいチャレンジ。そして10,000文字越え。やりきった気がする。「キーノート2」もやろうかな。
そして最後は宣伝
「Industry-Up Week Autumn 2021」の期間中に開催される「Industry-Up Dialogue」の「セルフデベロップメント産業」に登壇します。よろしくお願いします。
アレとソレを組合せてみたらコノ課題を解決できるソリューションができるよね?と言うパズルをやるような思考回路です。サポートして頂いた費用は、プロジェクト関連の書籍購入やセミナー参加の資金にします。