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「耐え忍ぶ考えから、今が楽しいかを重視するように」書くことで自分を探した4ヶ月の軌跡

「何者でもない私ですが……。」
そんな控えめな文章でインタビュイー募集に応募メッセージをくれた「ぱん🍞」さん。

Zoom画面を開くと、場の空気があたたかくなる笑顔を向けてくれたぱん🍞さんの、この4ヵ月で”笑えるように”なれた転機の日々をインタビューしました。

■ ぱん🍞さん
こころをあ!かるくするライター
大学卒業後、家具販売店へ就職。休職中に参加したキャリアスクールのイベントで書く楽しさに触れ、note執筆を続けている。


絶対、お客様と関わる仕事がしたい

——現在の生活スタイルを教えてください。
大型家具店で働いていたんですけど、今は休職中です。岡山の店舗にいたときに知り合ったパートナーと岡山で同棲しながら、大阪の実家と行ったり来たりしてます。今はライターのお仕事をしたいなと思っていて、noteでの発信やスクールでライターの勉強をしています。

——今のお仕事を選んだきっかけは?
絶対、お客様と関わる仕事がしたいなって思ってたんですね。というのも、学生時代にスターバックスでアルバイトしてて、それがもうめっちゃ楽しかったんです。コーヒーを渡すっていうだけじゃなく、おしゃれな空間・サードプレイスを提供している感覚が自分の中で「いいな」って。だからインテリア系の仕事を探しました。

スタバアルバイト時代のぱん🍞さん

——希望の業界だったんですね!実際、就職してみてどうでしたか?
もう、全然考え方が変わりましたね。やっぱり店舗でやってることってモノを販売することだけで。その先のお客様の暮らしに関われている気がしなくて「なんか違うな」という違和感がでてきました。

「あ、休職していいんや」って。

——一番のギャップは?
スタバは、その時間その時間で役割があるんですよ。たとえば「レジ」とか。1つのことに集中できるからこそお客様に寄り添えたりしてたのかなと。家具の店舗スタッフって本当に一気に全部くるんですね。レシーバー付けながらその日1日、どうお店をまわすかを考えないといけなくて。お客様に声をかけられたらもちろんそちらの対応をしますし。

多分、同時並行でいろんなことをやらないといけないっていうのが一番の違いでしたね。自分はマルチタスクがめちゃめちゃ苦手なんやって気づきました。

——「接客」の種類もひとつじゃないんだなと知ったんですね
私の場合は、ひとつのことに集中して、お客様とコミュニケーションをとれる仕事が好きだったんだなって思いますね。

——お仕事を続けることが難しいな、と感じたきっかけは?
休職が決まる一週間前くらいに「会社に行きたくない」って涙が止まらんようになってしまって。それをパートナーに言ったら「休んだ方がいいやろ」と言われて休んだんですね。

次の日はもともと休みだったんで、2日休みになったし実家でも帰ろうかなと。そして実家に帰って親に仕事の話をしていたら、もう、ぶわーって涙が出てきたんです。そのときに「あ、自分はしんどいんやな」って気づきました。

当時のぱん🍞さん

——ちょっとだけ立ち止まってみたら、自分の気持ちが見えてきたんですね
そうですそうです。でも仕事行かなあかんから、休みも終わって出社するんですけど、もう頭が何にも回らんくて……。お店の中で涙が止まらなくなってしまったんですね。

さすがにこれはちゃんと上司に状況を言っておいたほうがいいなと思って話したら「今の状態だったら多分しんどいだろうし、仕事ができるような状態じゃないから、ちゃんと休んだ方がいいよ」って言ってもらえました。そう言われて「あ、休職していいんや」って。

——そのときにはじめて「休職」の選択肢が?
そうです。今の状態をまず知ってもらおうっていうのが目的で、休職の相談をしに行ったわけじゃなかったんですけど。はじめてそのときに選択肢として「あ、いいんだ」ってなりましたね。そこからすぐに診断書をもらって休職に入ったのが7月の中旬なので、4ヶ月前※ですね。(※取材当時)

そういえばSHElikes入会してたな〜……。

——この4ヵ月はどのように過ごされましたか?
最初はもう、死んだように寝てましたね。何も考えず一旦寝て過ごそうと思って。すると「睡眠」はだんだん足りてきたものの、「心」の回復はすっごい時間かかりました。何にも気力が起きない日々が9月末くらいまでありましたね。それでエネルギーが徐々にたまってきたころに「あ、そういえばSHElikes※入会してたな〜…….」と。

※「SHElikes」
女性向けのキャリアスクール。オンラインでの動画学習を中心にwebデザイン、マーケティング、ライティングなど複数のクリエイティブスキルを学ぶことができる。

——休職前から入会されていたんですね
6月末くらいに入ってました。何か自分の現状を変えられるかなぁって思って。でもめちゃめちゃ忙しいし、受講は進められなかったんです。今の自分には(費用が)もったいないと思っていたんですけど「辞めるのはなんか違うな」って。

多分、ここ(SHElikes)は自分から何かを掴みに行ったら得れるものがある場所なんだろうなとは思っていたんですよ。

——そこから順調にスキル学習を?
いや、今はとにかく休もうと。やる気が出るまではちょっと待ってみようと思ってたんで受講はせずにイベント※ばっかり参加してましたね。寝転がってても何かはインプットできるよなって。

※動画学習以外にも、受講生はSHElikes主催のオンラインイベントに無料で参加が可能。(ロールモデルとなる人物の講演やワークショップなど)

そこで、いろんな視点とか、こんな働き方あるんだなとか、 こういう勉強の仕方があるんだなというのを吸収して。すると「自分も勉強したい」って気持ちになってきたんです。

SHElikesのwebデザインレッスンで
はじめて制作したZoom背景


書くきっかけは「いしかわゆき」さんと「おつきみ」さん

———ぱん🍞さんにとって、一番影響の大きかったイベントは?
書く習慣」の著者、いしかわゆきさんの登壇イベントですね。そのイベントで、いしかわゆきさんのnoteの下書き画面を見せてくださったんですよ。そこに50記事くらい下書きのタイトルが並んでて。「自分が書きたいって思ったことがあったら、ここに下書きを残しておく」と仰ってました。

「私にも書きたいことってなんかあるんかな?」と思ってとりあえず書き出してみたら、すっごい熱中して40個ぐらいのタイトルを書けたんですよ。そのときに「あ、自分ってもしかしたら書けるんかもしれん」って気づけて、noteを始めてみたんです。「書く習慣」を読んで、書くハードルをかなり下げてもらえました。

———下書きだけで、公開はしなかった?
公開はしていませんでした。そんなときに、たまたまTwitterでおつきみさんという、毎日noteを更新し続けている方がいると知りました。たしか、祝note連続更新◯日記念!みたいなツイートに「毎日すごいですね」ってコメントしたんですよ。そしたら「楽しいですよ、note書くの楽しいからぜひ書いてください」って言われて、自分もやってみようかなと。2人に背中を押してもらった感じです。

———気持ちや考えを可視化するきっかけと、ひとに見てもらうきっかけを2人からもらえたんですね
そのとおりですね。家具店の仕事の中でも「自分が楽しいなって思えた瞬間どこやったんだろ?」って考えてみたんですね。そしたら、資料をつくったり、お店のレイアウトとかを考えて文字や図に起こすのが楽しかったんですよ。自分が頭の中で「いいな」って思うことを図や文字で表現したら、周りのひとに「めっちゃわかりやすい」って褒めてもらえて。自分はこれが得意なのかもしれないって感じてたことを思い出しました。

「耐え忍ぶ」考えから「今が楽しいか」を重視するように

———4ヶ月前と今とで考え方に変化はありますか?
やっぱり「耐え忍ぶ」考えから「今が楽しいか」を重視するようになったことが大きいですね。努力して、自分を痛めつけるような……、苦しむことで成長するって思い込んでて。

そうじゃなくて、自分ができること、得意なこと、楽しむことを重視して前に進んでいく方が自分にとって居心地もいいし、気軽にできることも増えていく。なので、楽しむことを重視するようになりましたね。

———休職前と現在では目指す将来像に変化はありますか?
当時も、店長になりたいって思ってたんですよ。「最短で店長になってやる!」みたいな。でも、今の状態で改めて「何になりたいんだろう?」って考えると全然店長にはなりたくなかったんですね!(笑) 当時は気づけなかったんですけど。

無理やりゴールや目標を立てて、納得していないことをやり続けるうちにストレスが爆発しちゃいました。正直、今はまだまだ将来像は模索中です。でもそのときの自分の心に嘘をつかないで進んでいく、っていうのは決めてますね。

ぱん🍞さんの作業机。note執筆はここで。


反抗期の相手はおばあちゃんです(笑)

———ちなみに、ぱん🍞さんの今のnoteの下書きはどうなっていますか?
今も、思い出したことや考えていることはどんどん下書きにストックしているんですけど、えっと……「幼稚園の卒アルに書いた将来の夢の話」「誕生日が大好きな理由」「喜怒哀楽の"怒"がないのが私です」「私の反抗期の相手はおばあちゃんでした」とかですね!(笑)

———たしかに下書きのタイトルを聞くだけで、ぱん🍞さんがどんな方かすぐに想像できちゃいますね!
ほんとですね!やっぱり、書き出すとデトックスにもなるしいいですね。「マルチタスクが苦手」というのも、noteを書いて自己分析していくなかで気づいたことなんですよ。ぜひ、みなさんにもやってみてほしいですね。

ぱん🍞さんのnote下書き


SNSの発信側にまわってみることが大切

———最後に、仕事や人生に悩む方に向けて、ぱん🍞さんがやってよかったと感じる「状況を変えるための最初の一歩」ってありますか?
noteの下書きに頭の中をどんどん書き出すことと似ているんですけど、SNSの「発信側」にまわったことも、やってよかったですね。

Twitterは完全に「見る専門」だったんです。でも見るだけだと、他人が発信してることに敏感になってしまうんですよ。「あの人こんだけ(勉強)やってるわ」とか「めっちゃ前に進んでるな」みたいな。

でも、発信する側になったらTwitterを自分軸で楽しめるようになりましたね。吸収しようとか、いい視点をもらおうとか、そういう目線で見れるようになれたことはとても大きいです!


\ 「固定費教えてください!」コーナー /

その人の固定費は、その人の価値観をあらわしているみたい。そんな、このインタビュー企画のお決まり質問「あなたの固定費教えてください!」。ぱん🍞さんにも「固定費」を聞いてみました。

———ぱん🍞さんの固定費ってなんでしょう?
このインタビューの予定が決まってから「自分の固定費ってなんだろう?」ってずっと考えていたんですけど、見つけました。「コーヒー代」でした!

先月はまずカフェ代だけで1万いってて、家でも飲むんですよ。それで5000円分くらいは豆も買ってるんで、よく考えたら今受講しているスクール代くらい毎月コーヒー代払ってるわって計算してびっくりしました!(笑)

ぱん🍞さんお気に入りのカフェ

———スキル学習と同じくらい、コーヒーがぱん🍞さんにとっては大切な相棒なんですね!
相棒!本当にそうかも!思えば、私は何か大切なことを考えるときや決断するとき、絶対そこにコーヒーがあったんですよ。浪人してるんですけど、受験落ちたときも、受かったときも泣きながらスタバにいました(笑)

自分の感情の場面場面で「コーヒー飲も」ってなるんですね。これだけ好きなんで、また関わる仕事に戻ろうかな?って考えたこともあるんですけど、今は「提供してもらう側でいたいな」って思ってます。


取材・執筆/犬田メメ


努力すれば報われる、耐えればきっと……。
一見、お守りにも思える言葉を一旦脇に置いて「自分が楽しいか」を大切にしていると教えてくれたぱん🍞さん。

そうやって見えてきた「書くことが好き」という気持ちに向き合って書くぱん🍞さんの文章は、できたてのパンの香りみたいにあたたかくてほっこりする魅力があるのでぜひnoteもチェックしてみてくださいね。

いろんな女性に寄り添うようなエピソードとすてきな言葉をありがとうございました!


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