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【自作詩集】 霧の森〜記憶を彷徨いながら〜

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オーストラリアに来てからの風景や心情を綴った詩 心から消し去ることのできない想いなどの書き殴りの詩
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2023年5月の記事一覧

【詩】朧陽(おぼろび)

【詩】朧陽(おぼろび)

白い霧が街全体を覆う朝
天気予報では朝から晴れ
冬の寒さの中に
太陽の暖かさらしきものが
僅かに混ざっている

久しぶりに美しい朝だ
こんな日をカメラに
全て収めたくて
何かに導かれるように
心は少し焦りながら
いつものようにカメラを持って
森に出かけた

霧の中に朝陽がぼんやりと輝いている
朧陽(おぼろび)とでも言うのだろうか
私はこういう日を
『天の門が開く日』
と呼んでいる
必ずと言ってよい

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【詩】嘘つき

【詩】嘘つき

白金のお城みたいなレストラン
シャンデリアがゴージャスに輝いて
服がシャンデリアに追いつかなくて
惨めに思えて
「誰が、こんなシャンデリアに合うような服が着れるのよ」
と呟いたよね

ソムリエが来てワインの説明してたけど
わからないこといっぱい言われて
隣の友達が答えるのを聞いて
「ワインを飲んで酔う私、
そんなことわかってもどうしようもない」
と心のどこかで思ってたよね

ビーフ、フォアグラ、キ

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