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「ロランの聖母」ヤン・ファン・エイク【ルーヴル美術館の名品150選】106

作品が語っているメッセージは何か?
世界屈指のコレクションを誇るルーヴル美術館。何万という作品中、絵画に注目、世界的に有名な作品群のうち「意味を読み解く」観点から面白い150の作品を厳選。
人物は?場面は?出典は?意味深なディテールが語っているものは?作品に隠されたメッセージを読み解きます。

ヤン・ファン・エイク作「ロランの聖母」、1434-1435年頃注文、INV1271、0.66×0.62m、北方絵画部門、リシュリュー翼

ルーヴル美術館の至宝。
キリスト教美術の宝石。
キリストの持ち物、
三つの開口部、建物の装飾、
壁で囲まれた庭、花、鳥、
修道院、大聖堂、
橋とそれを渡る人、船とそれに乗る人・・・
いずれもが意味を持ち、全体として壮大な救いの物語を語る。
キリスト教文化圏の人がどうものを考えたか。
多くのことが凝縮された感動的な作品です。

タイトルが示す注文者ニコラ・ロランが、聖母子の前で、ひざまずき手を合わせる。

◆聖母子◆

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