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転職せずに定年退職を迎えられる人

昨今、転職せずに新卒で入った会社で定年退職を迎えられる人なんて、ほとんどいない。

今、50代の人は逃げ切れるかもしれない。20~40代の人は無理だと思う。会社はあなたより短命である、という時代になっている。そのようなことがリンダ・グラットンの『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』に書かれていたと思う。

ただ、一社で定年退職を迎えられる人は幸福であるとも思う。クビにならず、トラブルも起こさず、仕事にそれなりのやりがいを感じ、40年近く同じ会社にいるなんて、奇跡だ。だから、「20代のうちに転職したほうがいい」「35歳を過ぎると転職できなくなるよ」「うちの会社じゃ、成長できない」なんて言葉を真に受けて、転職活動をする必要はない。転職活動は、せざるを得なくなってから、やればいい。

職場に対する違和感、仕事に対する嫌悪感、人間関係のまずさ、転職に追い込まれるファクターは、いくらでもある。そこそこ楽しく働けている人が、余計な上昇志向で、安定した生活を捨てるのは、もったいない。転職エージェントや転職市場にだまされてはいけない。

ただ、履歴書や職務経歴書は定期的に更新をしておいたほうがよいかも。自分の業務が何であるのか、どういった指針で業務を行っていたのか、それは日々の中で埋もれがちだが、転職するときは、面接官に語らなければならない。虚飾をしたり、華やかさをアピールするよりは、真摯に話したほうがいい。

上場企業の派遣社員で働いていたとき、採用面接で何を見ているのか、飲み会のときに質問をしたことがある。その課長は、新卒、中途、派遣社員の採用に関わっている人だった。

そのときの答えは、「ヤバい人を入れないこと」であった。さすが大企業、いい人や優秀な人を入れたい、というよりリスク因子を避けたい、ということらしい。ヤバい人とは職場の規律を乱したり、上司の指示に従わなかったり、情報を流出させたり、といった人のことを指す。そういう人でも、辞めさせることは大変なのだ。だから、「いろいろできる(優秀そうに見える)ヤバい人より、いい人に仕事を覚えてもらったほうが楽だ」という主旨のことをその人は仰っていた。そういえば、わたしはこの上司を尊敬していた。だから、彼の言葉を覚えているのだろう。

というわけで、自分の仕事を自分の言葉で語れるようにしておけば、いつでも転職はできると思う。「ここでは成長できない」なんて理由で転職はしないほうがいい。会社はあなたを成長させる場所ではない。それに成長できない職場が悪い職場だとも言えない。結局、キャリアの指針を作るのは自分なのだ。

仕事の大変さと給与は比例しない、むしろ反比例したりする。だから、お金のある業界を選ぶのも、あながち間違いではない、と思う。そして、正解も不正解も、自分で決めるものだ。運、不運もある。コントロールできる面とできない部分を受け入れて、働いていこうではないか。

チップをいただけたら、さらに頑張れそうな気がします(笑)とはいえ、読んでいただけるだけで、ありがたいです。またのご来店をお待ちしております!