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わたしが鍼灸師を目指す理由

こんにちは!

前回、鍼灸学校入学を機に「わたしと鍼灸の出会い」という記事を書かせていただきました。

今日は、「わたしが鍼灸師を目指す理由。」とその心意気を書いてみます◎

もしかすると、3年後にはこの「理由」というものは変化しているかもしれません。

ですが、色々な知識を持つ前の今だからこそ、忖度せず、臆さずに!(笑)表現できることがあるのでは…?と思ったので、忘れないように備忘録しておきます!

私的な内容になりますが、ご容赦ください。

1.ヨーガにできなかったこと。

わたしは、ヨーガ療法士という心もケアできるヨーガのお勉強をしています。

2021年の春に養成講座を卒業した後は、会社員をしながらヨーガ療法士として先輩方のように活動していけたらな…!と漠然と思っていました。

しかし、長年無理をして仕事をしてきたところに中間管理職を任され、さらに無理を続けた結果、心身のバランスを崩し、自分の人生を見つめ直して退職をすることに決めました。

当時、これまで割と健康に生きてきたわたしは、「人間が普段何気なくしている、食べる・寝るなどの行為が思うようにできない毎日」を初めて体験したのです。

この時期には、わたしはヨーガを十分に学んでいたので、「こんな時こそ、自分の心と体はヨーガで治すぞ!」とすぐさま思いました。

ヨーガでは、「体操」「呼吸法」「瞑想」の3つをうまく使いながら心と体にアプローチをしていきます。そして、その入り口は必ず「体操」(アーサナと呼ばれる、ポーズのことです)と決まっています。

どんな疾患を持たれた方でも、或いは元気な方でも。まずは「体操」という体へのアプローチからヨーガを始め、段階に合わせて「呼吸法」「瞑想」と心の部分へと段階を進めていくのです。

しかし、わたしはその「体操」をする入り口に立つことができませんでした。

そうです。「ヨーガをすれば、体も心も楽になる」と頭ではわかっていましたが、心と体がついて行かなかったのです。重たい腰は上がらないまま、時間だけが過ぎていきました。

「自分の体はヨーガで治せるぞ!」と。自信を持って言いたかったのですが、身を以て、それが「難しい」ことを知ってしまったのです。

この時、わたしは初めて「ヨーガにできないことがある」と思ったのです。

2.自分の限界を知る。

「ヨーガ療法士がそんなこと言っていいのか?」と思われるかもしれませんが、ヨーガでは「自分の限界を理解しなさい」と習います。

自分にできないことは、その患者さまに1番良いと考えられる方法を正直にお伝えしなさい、という教えです。

なので、わたしはその患者さまに西洋医学が必要だと思えば、お医者様にかかることを勧めますし、わたしの知識や力量では足りないと思えば、先輩のヨーガ療法士さんを紹介します。

今回のことに関しては、「わたし個人の限界」というより、「ヨーガの限界」を感じたような気がしたのです。(もちろん個人的な見解です。生意気なことを…すみません。)

「ああ、そうか。ヨーガ教室に行って体を動かしたり、話をしたり、たったそれだけのことでも、病気の人には辛いことなんだ。」と。

自分が経験してみて、初めてそう気づいたのです。体を動かしたり、話したりすることは、健常者でも確かに多量のエネルギーを使います。病気を抱えている方は、ただでさえ心身が辛い状態なのに、そんなことをポジティブにできるはずがないのです。

そして、わたしがヨーガ療法士として経験を積んでも、「超えられない壁があるのではないか」と。その限界を鑑みて、そこを補填できる術は何かないのか…?と考え始めました。

3.鍼灸の強み、ヨーガの強み。

そこで、幸運にもわたしは「鍼灸」と出会いました。

ヨーガの強みは、体を入り口に、心の部分まで入り込むことができることですが、一方弱みは、体に対するアプローチが自発的であることです。つまり、患者さんが自分で行動を起こさない限り、こちらはお手上げになってしまうのです。

一方、鍼灸はどうでしょう。

鍼灸の強みは、患者さんは受け身でいて良いということです。ベッドに横になっているだけでも、こちらが主導で治療を進めることができるのです。

「そうか、鍼灸なら、ヨーガの弱みをカバーすることができるかもしれない…!」

そう思った時に、わたしは自分の限界を少し押し広げる方法を、見つけたような気がしたのです。

4.健康に導くイメージ。

そして、わたしは自分の体験も踏まえて健康までのステップをイメージしました。

①体を動かす気力がない→まずは鍼灸で体を調整。

②体を動かす気力はあるが、元気がない→鍼灸とヨーガを併用して体と心を調整。

③体よりも心が優れない→ヨーガで物事の捉えかた(認知)を調整。

④健康を維持したい→日々のセルフケア+月に数回、ヨーガや鍼灸でメンテナンスをする。

元気がない人が、元気になること。そして、その元気を維持すること。

この2軸でサポートできるような仕組みを作りたいと思ったのです。

わたしは、鍼灸で体が動かせるようになるまで回復した患者さんは、「受け身ではなく自発的が良い」と思っています。何故なら、受け身の姿勢では、いつまでも「治療家」に依存しなければ自分の体の機嫌を取ることができなくなってしまうからです。

ずっと治療院へ通ったり、薬を飲み続けたりすることは健康な状態とは言えないと思うのです。

その点、ヨーガはお金をかけなくてもポーズさえ覚えてしまえば(覚えなくても今の時代、YouTubeなどの動画を活用することも可能!)生涯ずっと、自分の体と心のセルフケアをすることができます。

それぞれの強みと弱みを組み合わせて、これかな!?と思える方法を探しながら、わたしは自分の可能性を広げるために、二足のわらじを履くことを決めました。

鍼灸はこれから3年間かけてお勉強していくので、正直どこまでの可能性を秘めているのかまだ未知です。もしかすると3年かけて全く別のことを考え出す可能性も十分にありますが…!(笑)

根底にある「頑張っている人のサポートがしたい」「ストレス社会を楽に生きられる方法をお伝えしたい」という思いを忘れることなく、ヨーガ療法士・鍼灸師を目指していきたいと思います。

5.最後に。

これは、ヨーガの講義の際に聞いたお話で、2005年に起こったJR福知山線脱線事故のお話です。

うまく書けるか心配ですが、書いてみます。もし、ご不安な方は読まないでくださいね。

事故当時、わたしは学生でした。当時から名古屋に住んでいたわたしは、遠く離れた現場で多大な被害が出たことはニュースなどで耳にしていましたが、次々と新しいニュースが耳に届く中で、事故のその後のお話はあまり聞いたことがありませんでした。

ヨーガの講義で聞いたお話は、脱線事故の「その後」のお話でした。

事故により、たくさんの被害が出たと同時に、たくさんの人々が心に傷を負いました。トラウマを抱えながら、乗り越えようと懸命に努力していらっしゃる方が本当にたくさんいらしたそうです。

そんな方々のサポートを、関西のある大学が引き受けたそうです。

そこでは、西洋医学の精神科や心療内科だけでなく、統合医療を使った治療を取り入れていこうという流れがあったそうです。

そこで、最初に選ばれたのが「カウンセリング」「アロマテラピー」「鍼灸」でした。

心療内科の受診に加え、これら統合医療で傷ついた方々の心を癒そうと尽力しましたが、程なくして「カウンセリング」だけがうまく治療を進めることができず、脱落したそうです。

「アロマテラピー」と「鍼灸」は、効果を感じる人が多かった。一方でカウンセリングは、今回に関してはうまくいかなかった。

そこには1つ、「体からアプローチするか」「心からアプローチするか」という大きな違いがありました。

アロマテラピーは鼻から。鍼灸は皮膚から。それぞれ体に刺激を与えていく治療法です。

一方、カウンセリングは心に刺激を与えていく治療法です。今回のような、PTSD、トラウマのケアをする時には、フラッシュバックなどの二次被害につながりやすかったとのことでした。

そして、カウンセリングが脱落した後には「ヨーガ療法」が入ったそうです。

ヨーガ療法は、まずは「体操」から入りますので、体に刺激を加えた後に、心の状態へと介入していきます。カウンセリングに期待されていた効果を、心身のバランスを取りながら果たすことができたそうです。

わたしはこのお話を聞いて、心の病気であっても、体からのアプローチがとても大切だということを知りました。まさに、心身相関であることを学んだのです。

体へのアプローチ方法には、色々なものがあると思います。

アロマ然り、整体然り。ストレッチ然り、筋トレ然り。

どれも強みや弱みを持っており、何を選択するかは個人の自由。人それぞれ好きなものを選べば良いと思うのです。

その中の1つの選択肢として、「ヨーガ」があり、「鍼灸」がある。

そして、その全てに強みがあり、弱みもある。

わたしは、できるだけ多くの選択肢を提示できる医療人になりたいなと思っています。

過信せず。否定せず。努力を惜しまず。常に新しいことを学ぶ。

目の前の患者さんに1番良い方法を、忖度なく、臆することなく提供すること。

そして、元気になってもらうためにこの手を尽くすこと。

わたしは、そんなヨーガ療法士であり、鍼灸師になりたいと思っています。

強く自分を押し上げるこの気持ちを、忘れないように、3年間の学生生活を歩んでいこうと思います。

夢はでっかく、根は深く。

思いが溢れて長くなりました。(笑)

最後まで読んでくださり、有り難うございました◎

それでは、また次回。




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