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「感じたことをちゃんとことばにしよう」と思ってはじめました。拙い文章ですが、テーマはあ…

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「感じたことをちゃんとことばにしよう」と思ってはじめました。拙い文章ですが、テーマはあまり決めず、好きなことを気ままに書いていきます。好きなこと▷ジブリ/漫画/アニメ/美術展/お着物 etc...

最近の記事

「苧環の懐抱」

ここ最近は、目まぐるしく変化していく日常に息をつく暇もないほどだった。 梅雨のはじめ、海馬に響き渡るような節折の音に、 祖父との思い出を呼び起こされ、静かに手を合わせた。 久しぶりに呼吸をしたような気がした。 祖父が亡くなってから13年。 当時13歳だったわたしは、数カ月後には26歳になろうとしている。 祖父と過ごした時間と同じだけの時間を、 もう一度繰り返してきたのかと思うと感慨深いものがある。 あの日、部活中のわたしのもとを母が急に訪れて、 飛んで帰宅すると、目を

    • 「違国日記」 ❍おすすめ漫画

      1巻 page.2より。 「あなたは 15歳の子供は   こんな醜悪な場にふさわしくない   少なくともわたしは それを知っている   もっと美しいものを受けるに値する」 「わたしは大体不機嫌だし   あなたを愛せるかどうかはわからない   でも わたしは決して あなたを踏みにじらない」 一連の台詞で、これは素敵な作品の予感!と思った。 子供の頃に感じていたこと。 「こんな大人にはならない」なんて思っていても、いつの間にか、なりたくない大人になっていたり、嫌だと思って

      • 「ドルシネアの備忘録」

        在宅勤務が始まって1ヶ月半ほど。 家の中にこもり続けて、自分と過去と、 わたしを形成してきたものたちと、向き合う時間が自然と増えた。 一日の終わりに、疲れ切って布団に潜れば、 次の瞬間夢の中にいた日々とは変わって、 天井を見つめ、無重力に揺れるベッドに意識を委ねると、 ついには一回転するんじゃないかと思う日もあるくらいだ。 昔、ある人が 「人との関係の中で生まれた、  誰かにとってのあなたの価値は、  第三者の介入によって侵されはしないよ。」 という言葉をくれたことが

        • アネモネは眠る。

          紫色のアネモネを迎えた。 その日は、部屋にあるフラスコの形をした花瓶にちょうどいい花を探していた。 近所にある花屋は、隣にカフェが併設されていて、少ない席数と、誰にも干渉されない雰囲気がなんとなく気に入っていた。 ソファ席に通されると、冬の終わりを名一杯駆け抜ける風に、冷えた体をあたためようと、ホットミルクを頼んだ。 注文したホットミルクを待つ間、目的の花を選ぶ。 年々、気が付けば知っている花の名が増えている。 偶然知ったもの。 教えてもらったもの。 気に入った作品

        「苧環の懐抱」

          名探偵コナンファンに贈る〜「コナン実況」のすすめ〜

          「真実は、いつもひとつ!」の台詞でお馴染み。 大人気漫画『名探偵コナン』。 単行本巻数97巻、劇場版は24作品も制作され(2020年2月現在)、 連載開始から26年間、その人気は衰えることなく、 大人から子どもまでたくさんの人たちに愛され続けている。 最近では、金曜ロードショーのTwitter公式アカウントにて、 本日(2020/2/7)放送回で、見たい作品のアンケートが行われ、 何作品ものタイトルがTwitterのトレンド入りを果たして話題になった。 アンケートの結果、

          名探偵コナンファンに贈る〜「コナン実況」のすすめ〜

          記憶にディレイがかかる瞬間、切り取られた残像たち。

          その瞬間だけ、 まるで他人の目を通して観ていたかのように、 情景が嫌味なほど広角にひろがって、 フィルムからシーンを切り取ったみたいに、 深く残る記憶が、人生にはしばしばある。 そうして色濃く残っている瞬間は、 たいていの場合、誰かの言葉が呪いのように情景と共にこだまする。 「記憶は美化される」というけれど、 こうした記憶のディレイが、 煩わしくも、その瞬間に少しの美しさを感じさせているように思う。 瞬間の感情処理量が多ければ多いほど、 いつまで経っても、鮮明に脳裏で反

          記憶にディレイがかかる瞬間、切り取られた残像たち。

          小さな考古学者。〜ミイラとの出会い、そしてクレオパトラの墓〜

          小さい頃、世界遺産に夢中だった。 世界遺産の本を抱えて、 それぞれの世界遺産にまつわる歴史的ストーリーに胸を踊らせた。 天文時計の恐ろしい伝説。 ピサの斜塔は何故傾いてしまったのか。 知らないことを知るのは、とてもどきどきした。 歴史はもはや、わたしにとってファンタジーに近いものだった。 なのに、本当にあったこと、実在した人たちなんだと思うと、 漫画やアニメの世界とは違う、新たな興奮を覚えた。 世界遺産を通して、たくさんの国とその歴史に触れた。 とくにわたしを魅了したの

          小さな考古学者。〜ミイラとの出会い、そしてクレオパトラの墓〜

          思考と時間の関係。

          「年々、1年経つのがあっという間になるね。」 大人になってから、こういう会話を耳にすることが増えた。 たしかに小学生の頃なんかは、 今よりずっと早く眠りについていたはずなのに、 1日1日が、とても長かった。 どんなに友達と遊んで帰っても、 夕方から始まるアニメが見れたし、 友達と喧嘩した日は、早く仲直りしたくても、 明日はとても遠かった。 1年間を振り返ろうと思うと、 その1年が壮大に広がるような感覚があって、 歩いてきた道は、地球を一周するんじゃないかと思うくらい

          思考と時間の関係。

          今朝「忍者めし」がトレンド入りしていて、 そういえばと思ったんだけど、 「忍者めし」って言葉最初に言ったのって犬夜叉じゃないのかな。 かごめちゃんが現代から持ってくるカップ麺のことをそう呼んでてかわいいと思ってたんだけど、そのへんどうなんでしょ。 #忍者めし #犬夜叉

          今朝「忍者めし」がトレンド入りしていて、 そういえばと思ったんだけど、 「忍者めし」って言葉最初に言ったのって犬夜叉じゃないのかな。 かごめちゃんが現代から持ってくるカップ麺のことをそう呼んでてかわいいと思ってたんだけど、そのへんどうなんでしょ。 #忍者めし #犬夜叉

          自由研究とおにぎり。

          小学校の夏休みといえば、 1年で最も長い自由を手に入れた開放感に 胸を高鳴らせるのと同時に、 大量の宿題の山を目の当たりにして、 現実逃避をするように、 大の字にひっくり返ったのを覚えている。 今思えば、物心がついてはじめての現実逃避は、 やりたくない宿題を前に、見て見ぬ振りをしたことかもしれない。 算数ドリルの宿題範囲をぺらぺらめくって、 その多さに愕然と肩を落としたり、 漢字ドリルで同じ漢字を縦に連ねて、 ゲシュタルト崩壊していくのを眺めてめまいがした。 夏休みの宿

          自由研究とおにぎり。

          「8はやさしいのに、7はいじわるなのなんで?」永遠に解けない数字の謎。

          「8はやさしいのに、7はほんとうにいじわるだなぁ。」 小さい頃のわたしは、当たり前のように思っていた。 小学校でさんすうを習ったその日から、ずっとずっと思っていた。 足し算をするとき、「5+7=」をするのが嫌いだった。 教科書やテスト用紙からの、 「5+8=」の問いかけには、ほっとしたのを覚えている。 「5+6=」をするときは、少し微笑ましい気持ちがした。 5と6はいつも仲が良いなぁ。なんて思ったりしていた。 今思えば、さんすうの時間は、 とくに5を基準に世界が回って

          「8はやさしいのに、7はいじわるなのなんで?」永遠に解けない数字の謎。

          子どもゆうびんでひみつの文通をした話。〜図書室のまつい先生へ〜

          本は好きだけど、読むのがなかなか苦手なわたしも、 小学生の頃まではそれなりに本を読んでいた。 だから小学生の頃の思い出の中には、 図書室でのエピソードがいくつかある。 今日は「子どもゆうびんきょく」の話をしたい。 「子どもゆうびんきょく」 ご存知だろうか。 今でも学校によってはあるんじゃないかな。たぶん。 記憶が曖昧なのだけれど、 「ゆうびん係」なるものを生徒の中から募って、 小学校手作りの郵便ポストと郵便はがきが校内各所に置かれた。 疑似お仕事体験のようなこのイベントは

          子どもゆうびんでひみつの文通をした話。〜図書室のまつい先生へ〜

          山本二三展に行ったら、世界がジブリになった話。

          2019.07.27 山本二三展に行った。 わたしは子どもの頃からジブリが大好きで、 お気に入りの作品なんかは、 初めて出会ったその日から今日まで、 それはもう何回も何回も見た。 ジブリの作品は、何回見ても面白い。 幼心に感じた純粋な「好き。」は、 何度も何度も形を変えて、 歳を重ねるたびに、新たな魅力に気付かせてくれる。 小さい頃にはわからなかった、 歴史的背景や物語の本当の意味、 構図に秘められた感情や意図を知るとさらに魅了され、 スタジオ・ジブリの作品づくりに

          山本二三展に行ったら、世界がジブリになった話。